親知らずを抜く為に、入院をした。 その②

 手術当日。5時50分頃に目が覚める。
 そして、6時30分頃に検温や血圧の確認をとり、謎のシールを貼る。いい脈を探り、見つけた場所(俺の場合、右手の甲)に円の形をした特殊なシールを貼ってもらった。歯の表面にかける麻酔と同じようなモノで、貼ってから1時間後に効果が効いてきて、痛みが和らぐという。
 この行為が終わってからは、本番直前までとにかく待機する。

 開始予定時間になってからは、ナースセンターまで歩いてそこからエレベーターに乗り手術室に行き、ベッドの上で仰向け。
 そこからさっきまで貼っていた右手の甲のシールを剥がし、そこから点滴(脱水対策などの為)を注入。両腕にチューブのようなものでキツく縛り付けて、医療ドラマのように口にガスマスクのようなモノを覆って、「鼻で呼吸してくださーい」と言われて、不安な感情を浮かべながら、様々な掛け合いを聞きながら、いつの間にかウトウトとしていた。
 そして、その掛け合いを聞きながらゆっくりと目を覚ますと、既に手術は終わっていた。両奥歯の周りが当然だが痛い。医師同士の話し合いの中で、「1.2.3!」の掛け声で別のベッドに移されたのがわかった。呼吸できるのかな?と心配したが、普通に鼻呼吸も口呼吸も出来ていた。気がつけば入院している時のベッドに寝たきりの状態になっていた。因みに担当の先生に完全に眠ってから、何分くらいで抜くことができたのかと聞いてみた結果、「大体24〜25分くらいだよー」と明るく答えてくれた。

 その後は数時間の間、仰向け状態になったまま静止している状態が続いていった。
 時々痰が溜まり始めたので、ティッシュの中に吐き出したら、ドロッとした真っ赤っかな痰が出てきた。これもドラマとかでよくみる吐血シーンのような雰囲気が強かった。
 そこからしばらく経つと、数時間おきに検温・指先で脈測る・血圧の確認……といったチェックを朝昼晩繰り返す。それ以降はとにかく安静にして過ごすといった流れである。

 消灯時間が夜9時なので、だいぶ久しぶりに生活感覚がズレている……というか狂ったなとも感じている。正直言って、深夜ラジオを聴くという習慣を作っておいてよかったなって思った。

 抜いてからの食事は、やはり口の中一杯に頬張ると、鈍いような地味目の痛みが出てくる。でも、意外と野菜も美味しく食べれているようにも感じれる。後、なんと言ってもお粥が美味すぎる。白米の旨さがよく伝わってきた。

 そして本日(2023/08/31)。いよいよ退院だ。最初に金額相談をしたらその時は8万円ちょいと言われたのだが、保険制度の影響によって6万円ちょいで支払いという形になった。言うほど重大な形では無い分、コンパクトに片付いたなと感じた。
 後は、もう一度通院して、抜糸をするくらいで済みそうだという。
 今後の課題は、これから一生続いていく、口の中の感覚を完全に慣らしていくことだ。恐らく一年過ぎればいずれも慣れていくことだろう。

 ちなみに抜いた歯は、勿論全部貰って行った。虫歯に完全に侵されてほとんど真っ黒だった。

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