「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」

2020年1月14日読了。

本屋さんの店頭でみかけてジャケット買いした本。

「10の思い込みを乗り越え、データを基に正解を正しく見る習慣」というサブタイトルを見てどんな真面目な内容が展開されるのかと身構えていたら、
著者のかつての夢だった剣飲み芸人を目指すべく剣を飲む話をなぜか延々と読むことになって、ちょっと笑ってしまった。

この本では、2019年現在の世界の正しい姿がデータを基に示されている。

そしてその姿は、普段私たちが何となく感じているような(もしくは無理やり感じさせられているような?)「様々な問題が山積みで、日を追うごとにどんどん悪いほうに進んでいる世界」では決してない。


私たちは何か悪いニュースを見ると「日本はもうダメだ」とか、「昔はこうじゃなかったのに」とか、「このままでは生き残れない」とか、自分の頭の中の都合のいいディストピアをそこに投影してしてしまいがちだ。

しかし、例えばほんの30年前の実際の生活環境を調べたり思い出したりすると、今のほうがずいぶん生きやすくなっているのは間違いないし、
そんな当時を生きていた人間が今に生き残っているのだから、比較的イージーモードの(少なくとも死が日常ではない)現在に生きている私たちが今後全く生き残れないなんてこともないだろうと強く思う(もちろん、巨大な隕石が地球に落ちて地球上の生物が絶滅する可能性はゼロではないけれど)。


確かに私たちの脳は、世界を悲観的に見るようにできているのかもしれない。

しかし、本当に取り組むべき問題に気づき、恐れからでも罪悪感からでもなく、世界をよりよくしたいと思うのなら、現実をありのままに見るための「FACT FULLNESS(ファクトフルネス)」のようなツールは必携なのだろうと思う。


※ 以下は世界の様々な所得レベルの人の生活を垣間見れるサイト。

※ 同じサイトの、世界の国々の所得レベルと人口、平均余命などの推移がグラフィカルに確認できるページ。たった20年前と比較しても、世界の人々の大半は所得レベル2から3に移行している。


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