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思い出の爆笑エピソードで「は?」ってしたい女/ピラミ△

人生の中で涙を流すくらい爆笑した経験は何度でもある。

けれど、それってどんなお話?と問われると「何だったっけなぁ」となかなか出てこないのが人間です。わたしも実際に思い浮かべてみたんですが、どれだけ記憶の扉をノックしても案外出てこない。良かった〜わたし、ちゃんと人間だったみたい。

こんにちは、人間・ピラミ△です。

そもそも涙が出るほどの爆笑をした時って、その場のテンションとか様々な要因が合わさって超絶くだらない内容で笑ってることが多いんですよね。その場にいなかった他の人に言っても「は?」となるようなやつ。一度ツボに入ると簡単には抜け出せないのに、我に返ると自分たちでも「は?」となりがちです。

つい最近もめちゃくちゃ爆笑しちゃった話があったハズなのに、思い出そうとしても記憶の扉が頑固すぎて一向に開こうとしないんです。開かずの扉なの? 中で事件でも起きてるの? ネクストコナンズヒントなの? ギィ〜〜〜ッ、バタンッ(扉が閉まる音)(いやそれつまり開いてたやんけ)

ま、くだらない内容だからこそ、内容を反芻することは少ないし、記憶にも定着しないのでしょう。まさに刹那的な爆笑。

しかし、わたしには一つだけパッと出る、「超絶くだらないのに爆笑した」記憶があるのです。時は遡ることおよそ13年前―― ギリギリ中学生だった気がします。こっちの記憶の扉の鍵は古いせいかユルユルでした。

今回はその時のお話を綴っていくつもりですが、何度思い返しても「は?」となる内容です。自分ですらそうなので、皆さんも読んだあとは間違いなく「は?」と思うハズです。

自分が「は?」って思う話をあえて書き連ねて、読んだ方にも「は?」って思ってほしい。そんで、「ね? 『は?』って思ったでしょ」って言いたい。こう書いてみると非常にマニアックかつねじ曲がった欲求を抱いちゃってますが。

逆再生って知ってますか?(急)

まあ知らない人はいないと思いますが、録音した音声を逆に再生したものです。そのまんま。そのまんま東。

当時わたしと近所に住む友達Aは、歌を録音して逆再生で遊ぶという行為におおいにハマっていて、流行っている歌をバンバン逆再生する…という、中学を卒業しようかという年頃の乙女としては非モテの極北のような日常を嗜んでいました。

逆再生した楽曲は、大体が呪文のようになります。それを色んな歌で試しては「むほほ」とか「ひひぃ」とか、あんまりスカッとしないタイプの笑いをAと浮かべておりました。「アハハッ☆」とか「ウフフ」とか、他の人から好まれるタイプの笑い方ではなかったワケです。そう、ジワジワ笑っていたのです。意味の分からない言葉(?)の羅列に。

そんなある日、運命の1曲に出会います。それは、NHK「みんなのうた」で流れていた宇多田ヒカルの曲でした。

♪ ぼくはくま くま くま くま
車じゃないよ くま くま くま

宇多田ヒカルどしたん? 

初めて聞いた時に素直に抱いた感想です。

ぼくはくま 車じゃないよ くま。どしたん? 

当時、わたしは宇多田ヒカルの歌が好きで、CDやMDプレーヤーでよく聴いていました。特に「COLORS」(青い空が見えぬなら青い傘広げて〜♪)という曲が好きで鬼リピしていたのですが、急にくまくま言い始めたので不安になったのです。ただそれでも良い曲には変わりなくて、一度聴いたら耳から離れない。「ぼくはくま」という曲にはそういう魅力がありました。わたしは「この曲も逆再生したい」というあまりに自然な欲求に身を委ね、友達Aに声をかけました。

わたし「ぼくはくま逆再生してみようよ」
友達A「いいぜ」

「いいぜ」って。返事が男前すぎます。もともと男勝りな性格の彼女でしたが、「いいぜ」って。きょうび、なかなか聞かんよ。てか現実でなかなか聞かんよ。まぁそんなツッコミは置いといて、実際に歌って録音していきます。

♪ぼくはくま くま くま くま
車じゃないよ くま くま くま

録音したらあとは逆にして再生するだけ。一体どんな感じになるんだろう。淡い期待を抱きながら逆再生していきます。

♪ハァ〜⤴︎ムゥ ハムッ⤴︎ ハムゥ⤵︎ ︎ほいャナしゃナむる〜
ハァ〜〜〜〜ァムゥ …ハァム⤴︎ ハム⤴︎ ハム⤵︎ ︎ホゥ…


ハムwwwwwwwwwwwwwwwwww

なんということでしょう。「くま」が「ハム」になってしまいました。まさかハムが出てくるとは思わず、当時中学生(心は小学生)のわたしたちはそれだけで爆笑してしまったのです。何度も聴いては涙を流すくらいに。バカですねぇ。友達なんか「ひーひー」言ってましたからね。「ひーひー」言うこと最近ありました?わたしはわたしで腹筋バッチリやられちゃうわ、とめどなく涙は出てくるわ、笑いすぎによる呼吸不全で鎖骨のあたりに強烈な痛みを感じるわ(わかります?)、笑いつかれて落ち着こうと思い「むふ~~~~~ん」みたいに鼻で深呼吸しようとするけど深呼吸の終盤で「んふ~~~~wwもははあははばぎゃwwwwあばばがw」みたいな笑いの永久機関が完成してしまって、「やばい、ループから逃れないと」と思っているのに、また逆再生のボタンを押して悶絶し、横を見れば男前だったはずの友人が「ひーひー」言いながらイナバウアーからのプラトーンみたいになってるし…で、もはや笑い地獄でした。

傍から見たら「♪ハァ〜⤴︎ムゥ ハムッ⤴︎ ハムゥ⤵︎ ︎ほいャナしゃナむる〜」っていう謎の言語の周囲で2人の女子中学生が狂乱しているワケで、遠隔地からの精神攻撃を喰らって苦しんでいるようにしか見えない。内申点は確実にゼロになります。

と、当時の様子を克明に描き出してみましたがいかがだったでしょう? まごうことなき「は?」という声が皆様の口から漏れたんじゃないでしょうか。わたしとしては意外なことにあんまり「は?」とはならず、若干ニヤニヤしております。大爆笑した記憶、そしてそのエピソードは他人には伝達が困難だけど、当事者の口元には懐かしさを含んだ笑みが浮かぶ…ってことがわかりました。

さて、当時のわたしたちのバカっぷりを思い出してニヤニヤするのも悪くはないですが、ふと、「あの時のハムは本当にハムだったのか。記憶違いではないのか」と思い至りました。

そこで、それを検証する為、久しぶりに逆再生を録ってみました。

それがコチラです▼▼

紛れもなくハムハムしていますね。

約13年の時を経て、「♪ハァ〜⤴︎ムゥ」を聞いてみて、たまには友達Aに電話してみようかなと思いました。

ハァラノヮサラディロス
(逆再生:それではさようなら)


コチラは本家△


文:ピラミ△
ツイッター→@pyrami224

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