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とうもろこしのお髭

その頃、と言っても一年しか経っていないんだけど、ホームスクールだったので、気ままに過ごしていた。
息子のやりたいことを1番に。だから毎週のように海に行ってた。
海の近くには産直がある。海から上がり、シャワーを浴びて産直で朝採れのとうもろこしを買うのが楽しみだった。
産直のそれは、スーパーで売られているのよりも、ゴツいというか、立派というか、皮も髭も「ありのまま!」という感じで、とにかく甘くて美味しかった。あまりにお髭が立派なので、息子の鼻の下に置いて「裸の王様ごっこ」をしたものだ。

ある日、息子が「これ、捨てちゃうの嫌だな〜何か、工作に使えないかなぁ」
(食べ物を工作にするのは難しいよ、腐っちゃうからね)と思ったけど、一応、ネット検索した。
どれも息子が気にいるものはなかった。
「なんか女の子っぽい工作だな」と(一丁前に)
そこで私が「とうもろこし茶を作ろうか」と提案してみた。
あの頃、疲れ果てていて、夫が帰宅すると息子をバトンタッチし、私は韓流ドラマに癒されていたのだ。その中でよく出てくる飲み物がとうもろこし茶であった。

「お茶、お茶ができるの?どうやって?」両手を合わせてワクワクする食いしん坊な息子。(可愛かったなぁ。。。遠い目)
ではここからは作り方をご紹介(自己流です)

①まず皮と髭を引き離します。
②洗ってから、軽く絞り水分を取ってから、干しネットを使って数日間、ベランダで乾燥させます。
③晴れが続くとあっという間に乾燥します。髭がネットの穴から落ちないように取り出します。
※ここは小さな子供の「お手手」の出番。母は横でフランパンを持って待機。
④集めたお髭をそーっと火にかけ、弱火で炒っていきます。
⑤香ばしい〜匂いがします。息子、お鼻をクンクン、犬みたい。
⑥粗熱を取ったら細かく千切って、お茶パックに入れ、沸騰させたお湯の中に入れれば出来上がり。あったかくても冷たくても美味しいです。

色はとても薄いのだけど、香ばしさ抜群のコーン茶。
「よし!パパの分も作る」という息子でしたが「もうお髭ないよ」
「あるよ、スーパーで皮と髭をその場で取って捨ててるおばちゃん、見たもん」
子供って良くみてますねぇ〜。
それから二人で汗かきながら、ガリガリくんを頬張ってスーパーに。
こういう時、大人は「あの〜、とうもろこしの髭、もらえますか」とは聞きづらいのだけど、息子は臆せず「ここに捨ててるお髭を全部ください!」
ぜ、全部!?まあ、いいか。店員さんはニコニコして「何に使うの?」と。
「とうもろこし茶を作るんです。ママが良くみてる韓流ドラマに出てくる飲み物です」
え。。。知ってたの。どうやら、私が興奮気味に夫に話す韓流ドラマのことを息子は聞いていたようだ。

子供って、よく見てるし、よく聞いてますね〜。


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