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「好きなこと」との出会い

皆さんは自分にしっくり来る「好きなこと」に出会っているだろうか。
私は、好きなことや趣味を聞かれると返答に困ってしまって、
何だろ、どうしよ、、と脳内で焦った挙句、
テキトーに散歩とか映画見ることと
普段は実際あまりやっていないありきたりなことを答えてしまう。

でもその中で1つ、けっこう自信を持って好きだと言えることがある。
それは弓道だ。

皆さんにとって弓道はあまり身近なものではないかもしれない。
野球やサッカーのようにテレビで放送されることもないし、
部活としてもそこまでレギュラーな感じではない。
そもそも、弓道場でなければできないし、その弓道場も
たくさんあるわけではない。
(一応昔の武器だからふつうの公園とかでは絶対やっちゃダメ)

私が弓道に出会ったのは高校生の時だった。
部活動の見学で弓を引く姿を見てかっこいいと思った。
ただ、その時は弓道部に知り合いもおらず全く触れたことのない
未知のものだったので、結局中学から慣れ親しんだ陸上部に入部した。
(密かに弓道への恋心を抱きながら笑)

大学生になると、さすがに新しいことをしてみたいと思ったし、
弓道への憧れもあったため、迷わず弓道部へ入部した。

入部したての頃の練習の感想は、、、、

地味だ、地味すぎる、なんか想像してたのと違うかも😭

というのも、弓道と聞いてイメージするような
「的に向かって矢を射る」練習をするためには、
まず基礎を固めなければならない。
つまり、弓を引くための正しい体の動かし方を
覚える所から練習を始めるので最初は何も道具を持たず、
ただただ基本に沿って弓を引く動作を繰り返して
体にしみこませる必要がある。
だから、とっても地味な道のりなのだ。

ここからも、的の前に立つまでの道のりはけっこう長い。

何も道具を持たない状態での形が整って
先輩から次の段階へ進んでも大丈夫と言ってもらえると
「ゴム弓」という練習用の器具を使って弓を引く動作の練習を始める。
ゴム弓は弓の弦にあたる部分がゴムになっているもので、
何も持っていなかった時と比べると
引分ける(弦を引っ張る)時に抵抗が加わる。
この抵抗によって、整っていたはずの形が次々と狂い始めて
また基本に立ち返ることになった。

なんとかゴム弓もクリアすると、やっと本物の弓を使って
練習を始めることができる。
でも、まだ的の前ではなく矢をつがえることもない。
「素引き」という練習で、弓と
右手につける弽(かけ)という手袋のような道具を使って練習する。
まだ地味な練習ではあるけど、道具が実際に使うものを
使うので一気にそれっぽくなって嬉しくなった。

「素引き」の後は「巻き藁」と言って、
弓に練習用の矢をつがえて藁がまとめてあるものに向かって
至近距離から矢を放つ。
ここで初めて矢を放つ(弓道では「離れ」って言います)経験をした。
離す前は、上手く矢が飛んでいくか怖くて緊張するけど、
離して次の瞬間には巻き藁に矢がブスッと刺さっている感じは
なんとも言えない感じの快感だった。
こうして「巻き藁」でも形が整ってきれいに矢を離せるようになると
念願の的前デビューを迎える!!

こうして的の前に立つまでだいぶ長い道のりを経たのだが、
そのことをあまり嫌だと思った記憶はなく、途中からは
なんだかんだおもしろいと思いながら練習していたので
もうすでにこの頃には弓道の虜になりつつあったのかもしれない笑

かなり長い前置きになってしまったが、ここからは
私が弓道が好きな理由を書きたいと思う。
(できるだけまとめて書くからめんどくさいと思わず読んでほしい、、)

○見た目が良い感じに映える
※まずは浅めの理由からいきます笑
道着を着て弓を引けば、初心者でも
なんとなく凜とした雰囲気が漂って映える!
あと、弓を引いている真剣な横顔はなぜか何割か増しで
かっこよく見えてしまう、、

○音が気持ちいい
弓を引分けているときの音、離したときの音、
そしてなんと言っても的に的中したときの音が気持ちよすぎる!
願わくば全人類に一度は聞いてほしい笑
(自分の射た矢でその音を聞くとより一層の快感です)
紙的の乾いた「パンッ」という音が個人的に好み。

○体形、年齢などのハンディキャップが少ない
身長によるハンディキャップがほぼない!
私は、身長が低めなので他のスポーツだと
上手くいかないときに身長の低さを言い訳にしてしまいがち、、
でも弓道は、その点は平等だと思う。
また、市営の弓道場に行くと高校生からおじいちゃんくらいまで
幅広い年齢の人が弓道をしていて、仙人みたいなおじいちゃんが
バンバン的中させているのを見ることができたりする。
年齢によるハンディキャップは感じず、むしろ長い経験が蓄積されて、
弓道を極めている感じがかっこよくて憧れる。

○自分のペースで向き合える
部の雰囲気などにも影響されるが、基本は個人競技なので
1人でも練習できてじっくり向き合える。
他の人に影響されて、焦ったり不安になるのは苦手なので
自分に合っているなと感じる。
目標も、的中率を上げたいのか
射形(弓を引く動作の形)を整えたいのか
個人でその時の状況に合わせて設定し、極めていける。
ちなみに私は、「やっぱり的中しないと楽しくない!」と思っていたので、
目標は的中率を上げることの比重が大きかった。
(的中率を上げるためには必然的に射形を整えていく必要はあるが、、)

○分析力が要求される
同じような感覚で弓を引いていても、
当たる日と当たらない日がある。
スマホのカメラで動画を撮ってみると
調子の悪い日は、自分の想像に反し
体の軸がぶれていたり、無駄な場所に力が入っていたりして
自分の体をコントロールすることの難しさに気付かされる。
常に理想の射形で引くためには
どんな基準を持っていればいいのか
(きれいに引けた時の的のねらい、手の位置などその他いっぱい・・・)
を分析する必要がある。
自分の中の体の感覚と、客観的に見たときの射形の美しさを
すりあわせていく過程で、どう修正していけば良いか
分析していく作業がおもしろくて、自分にぴったりだと思った。


以上が、私が弓道を好きな理由だ。
始めてみるまで全く知らなかった魅力がたくさんあって
とても楽しいので、もし興味を持った人がいれば、
「やってみたい趣味」の1つの候補として弓道を
ランクインさせてみて欲しいと思う。


長いのに最後まで読んでいただき、とても嬉しいです。
読んでくださった皆さんも
自分の好きなことに向き合えることを願って・・・






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