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デザインの極端へ:エクストリームデザイン #0

はじめに

初めまして。NEWhサービスデザイナー阿部大雅です。
NEWhは、未来と顧客に選ばれる事業を生み出すことを目的とするデザインコンサルティング&スタジオです。私たちNEWhが「未来」から選ばれるために重要だと考えている事を、「エクストリーム」な「デザイン」を考えることで、さまざまな角度から掘り下げることがこの連載の狙いです。

「エクストリームデザイン」という言葉は私の知る限り、広く普及している言葉ではないため、この連載ではいくつかの面で通常「デザイン」として捉えられていないこともデザインとして捉え直そうという意味だと理解してください。

背景をご説明するために、私の肩書き「サービスデザイナー」という考えを一例に挙げましょう。

私は「生きること」を考え続けたいと思って、学者を養成する大学院に進学しました。幸か不幸か、ちょうどその時期は商用インターネットが普及し始めた時代でした。
文書と文書を繋げられるだけのものだったハイパーテキストの世界が、ショッピングや議論の場所と変わっていくのを目の当たりにした私は思いました。
「これからは、僕たちが生きること(の一部)が、どんどんコンピュータに乗っかっていく。それならば、僕もちゃんと考えながら作ってより良いものにしていきたい!」と。
その後アルバイトや国際公務員など、さまざまな立場でユーザ体験の専門家としてネットサービスに携わってきました。

サービスデザインという肩書きは、「0/1」の情報が飛び交うインターネットが経済活動で重要な位置を占めてきた今世紀という時代に影響されて出てきた肩書きの一つです。
紙や立体といった変化しにくいモノだけでなく、画面やキーボード、マウス、指先とのインタラクションを通じて変化する情報(主に視覚、触覚)を計画する必要が生じ、デザインの対象が「コト・サービス」になってきたことから、生まれました。

残念ながら、「未来から選ばれるコト」を考えようと思っても、漠然としすぎてそのままでは考えられません。ここで、有名なスティーブ・ジョブスのスタンフォード大学卒業式でのスピーチを借りて勇気をもらいましょう。

Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

https://news.stanford.edu/2005/06/14/jobs-061505/

全文の翻訳は、こちらなどにありますので、ご参照ください。「未来をあらかじめ見据えて、点(さまざまな経験・知識)をつなぐことはできない。自分の心の深く、運命や業を信頼して、将来点が実を結ぶように信じるしかない」というようなことを伝えています。

本連載でも筆者が触れてきた広義の意味での「デザイン」について「エクストリーム」に考え、それらを繋ぐことによって、「未来から選ばれるコト」を探究します。

この連載では、以下二つのことを掘り下げていく予定です。

これもデザイン?

これまで「デザイン」として考えられてこなかったことを「デザイン」とみなして捉え直します。

  1. エクストリームプログラミング

  • 以下、執筆計画中のテーマ:

    • デザインとしての「計算機」

    • デザインとしての「ハイパーテキスト」 

    • デザインとしての「クリエイティブクラス・シンボリックアナリスト」

    • デザインとしての「情報」概念 

何をするのがデザイン?

「デザインすること」を拡張することで見える可能性を考察します。
「エクストリームデザイン思考」「エクストリームデザインプロセス」「エクストリームデザインメソッド」「エクストリームデザインツール」のようなことを考えていきます。

  1. 「デザインする」に注目する理由

  • 以下執筆計画中のテーマ

    • Research Ops

    • マイクロデザイン

    • Design Lint 

    • Systemic Design

    • 不気味の谷との格闘


始まりの終わりに

本記事は、上記のような構想の元、アップデートされていきますので、ぜひご意見・ご批判をお寄せください。

NEWhの代表の神谷は「新しいことを始める人の孤独をなくす」ことを彼のミッションと掲げています。本連載では、「VUCA」「地図よりコンパス」の時代に新しいことを始める人たちと、過去を生きたエクストリームデザイナーたち、今を生きているエクストリームデザイナーたちとを繋ぐべく、書きたいと考えています。

最後に、あまり触れなかった「エクストリーム」について、goo辞書から。

extreme 音節 ex treme 発音ikstríːm

1:〈位置が〉一番端の,先端[最端]の;一番遠い

2:〈状態・感情などが〉極端な,非常な,はなはだしい,〈状況などが〉極限の

3:〈人・行為・手段などが〉非常に厳しい,行きすぎた;〈人・思想などが〉急進的な,過激な;〈流行などが〉最先端を走る 4:((古))最後[最終]の 5:《スポーツ》エクストリームの,極限の


Title Photo by stefygutovska

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