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セラピストを始めたキッカケ

いつからだろう。

もう長いことずっと、しんどかった。

楽しいとは全く思えない仕事をしていた。

仕事はそういうものだと、諦めていた。

お金を稼ぐのは楽じゃない、

皆、同じように我慢して耐えている、

しんどいのが普通、

そういう「世間の声」みたいなもので自分に対して言い訳をして。

資格や経験、できそうなこと、抵抗のない分野から、なんとなく選んだ仕事を。一度始めてしまったら、辞めると言い出しにくい真面目な性格も手伝って。

いわゆる普通の仕事をしてきた。

学歴もある割に上手いことできず、我慢だけ多いのに収入は少ない方で「生きるのが下手だなぁ…」と思ってはいたけれど、まぁ人並みに。

後ろ指さされることも無く。職業を言いよどむ経験もなく。

だけど、辛かった。

辞める理由をいつも探していた。

面倒くさがりで、細かいことが苦手。楽しくないことには全く気が乗らない極端な性格も手伝って、何となく選んだ会社がブラック企業であったことも多々あった。

証拠だって抑えてなかったし、もう今更、労基署に訴えるエネルギーはないけれど。ある意味では、良い経験をしたようにも思う。仕事が辛くて、だけど転職するほどのエネルギーを持てない人の気持ちも痛いほど分かるから。

休みの土日だけを日々待っていた。月曜日が辛かった。朝起きるのが憂鬱だった。それでも、しんどくても、そんなに簡単に「休みます」と言える勇気もなかった。

嫌々やっている仕事は、なかなか上達もせず、自ら工夫すると言っても最小限。上司からすれば足りないところだらけ。そりゃあそうだろう。

「何でもっと頑張らないの?」

新人教育に力を入れている会社で、上司の前に立って、毎日その日の仕事の予定を読み上げさせられた時は辛かったな。明らかに私のことを笑ってる声が、上司たちの席から聞こえてきた時も、泣きたかったな。

とはいえ、

OL業をしっかりやってる女性もいて、営業にバリバリ出かけてる人もいる。それぞれが、それなりにやり甲斐を感じていれば良いと思うし、否定するつもりはない。

ただ、私には向いてなかったな…と思う。事務職も講師職も、飛び込み営業も翻訳も採点も、ファストフード店の接客も、コンビニ店員も…。あまり選り好みせず、色々試したんだけどね。

吐きそうになりながら努力することだって、倒れそうになりながら通勤することだって、無駄だとは思わない。学ぶことはどこにだってあるし、成長に苦しみがつきものだっていうのもわかる。

だけど、「楽しいな」って思える分野だと成長スピードが違う。結果の出る速さも、もう別物だった。

人は諦める生き物。

以前の私は、成長すら諦めていた。ただ日々耐えて、目の前のタスクを出来るだけ無難に怒られないように、こなして、時が過ぎ去るのを待っていた。

楽しくなかった。毎日の仕事が辛いと、生きることもしんどくなっていった。

そんな時にメンズエステの仕事に出会った。

以前の私なら、絶対に選ばなかった仕事。業界自体にも詳しくなかったし、夜の世界の人と、あまり知り合うことのない場所で生きてきた。

ひょんなことから知り合った人に紹介され、ものは試しだ、無理なら辞めようと始めてみた仕事。

オーナーだって、地味で大人しく、固そうな私にこの仕事が続くとは全く思ってなかったらしい。向いてると思って採用したわけではないと思う。

全く、縁のなかった世界に飛び込んだ。

そうやって、セラピストになって8ヶ月。

結果は上々。

リピーターの方から、指名での問い合わせも沢山もらえるようになった。忙しい日は、休憩もなかなかゆっくり取れないほどの嬉しい悲鳴を上げることも。

この8ヶ月、お店に出たくない、出勤したくない…と思ったことはない。しんどいお客さんがゼロとは言わないし、体力的にも月末は限界を迎えていたりするとはいえ。

やり甲斐をめちゃくちゃ感じている。相手が喜んでくれているのが手に取るように分かる、必要とされているのを毎日感じる。

誰に言われずとも、自発的に工夫したくなる、成長したくなる。もっともっとどうしたら…と改善していきたくなる。その気持ちは8ヶ月経って尚、より一層強くなった。

慣れてきたとて、マンネリ化したくない思いが強い。

それが、向いてるってことなんだと思う。

もちろん、オーナーの人柄や、地域性、客層、他の女の子との距離感、色んなものが合わさっての今の状態だとは思うけれど。このお店でなければ、やっていけてなかったとは思うけど。

ただ、やっぱりそれだけでは無くて、メンズエステというジャンル自体も向いていたんだと思う。

私の適性と、ぴったりハマったんだろう。

だって、いくらこの仕事を私が好きだと言ったって、軽い気持ちで女友達に紹介しようとは思わない。

それは独り占めしたいというわけではなくて、それなりのリスクもあることも知っているし、難易度も高い…というか、万人に向いているとは思わないから。誰しもが私のようにやり甲斐を感じながら働くだろうとも思わない。

ただ、私に限って言えば、自分に向いている仕事をやっと見つけられたような感覚でいる。だから、プライベートの恋愛の浮き沈みで、この仕事を左右されたくないなと思っている。

ある意味では、彼氏ができたとしても、彼氏よりもお客さんの方が大事なのかもしれない。上位互換?長続きする関係性。

ある意味、私もこの仕事に救われたのだ。

居場所を見つけた。皆、私がセラピストをしていることを喜んでくれる。お金を払ってまでも会いに来てくれる。「マッサージする会えるアイドル」みたいな気分でいるよ、嬉しいよ😭笑

たまたま、時期的にお店も苦しかったらしく、「お店の危機を救ってくれた」とオーナーに言われた。辛い日々の中、私に会いに来てくれて救われた気持ちになる男性がたくさんいて欲しい…とも思う。

関わる人皆が救われた気持ちになれるような業界、お店なら絶対に残っていく。そう思う。

そういう場所が残らずして、他に何が残るって言うの。

この仕事独特の悩みや辛さも、勿論ある。内容的に、他の人に相談しにくかったり、友達や家族、恋人には尚更、分かってもらいにくいことも。

だけど、私は今はこんな風な気持ちだから、トータルで見て、メンズエステのセラピストという仕事を本当に大事に思っているのです。セラピストとしての自分も、お店も、お客さんも。全部、大事に守っていきたいなと思ってる。

私にどれほどの力があるのか、自分でも、まだ未知数な部分も多いけど、長く無理なく続けていきたい。

私達の、この居場所をちゃんと一緒に守っていこうね…ってその気持ちに共感してくれるお客さんに、長く通ってほしい。

私達はチームだよ。


ありがとうございます、また書きます。思い出したら、また読みに来てください✨