2018年 人材ニュースハイライト


人材不足が本格化した1年、2018年の人材ニュース振り返り。

 2018年は何より、人手不足に関連したニュースが多かったと感じます。過去最大の有効求人倍率を記録、派遣社員の無期転換、外国人実習生の問題など、今後も続いていくであろう課題も続々浮き彫りになってきています。

 今回は、2018年に起きた人材に関わる重大なニュースをいくつかご紹介し、2019年の人材戦略へ役に立てたらと思います。

1.過去最大の有効求人倍率

 厚生労働省が2018年5月に発表した、日本全国の平均有効求人倍率が1974年以来の過去最大水準を突破しました。前年同月比として、具体的に伸びている主な業界は建設業・製造業、運輸業、福祉関連でした。対して減少していた業界は宿泊・飲食サービス業、教育関連、学術・技術サービス業となりました。

この結果から、企業側が求人を出しても簡単には採用までつながりにくいことがわかり、現在の深刻な人材不足の状況を如実に表すこととなりました。

 実際に影響が表れてきており、人材確保が困難で倒産する「求人難型」の倒産が、全国で前年同期比65%以上アップしました。今後も各社が生き残りを賭け、様々な業界で人材の取り合いが激しくなっていきます。

2.派遣社員の無期転換、初めての交渉

2015年10月に制定された労働派遣法改正により、雇用安定を狙う内容になりました。2018年はまさにこの無期転換の初めての年となり、派遣社員を雇っていた各社が、これまでの慣行ではない新たな対応を求められることとなり、この問題に頭を悩ませていました。

基本的に、労働者から無期雇用を希望した場合は企業は拒否できないので、期間満了前に契約を打ち切る「雇い止め」が問題視されています。今後も経営難を理由に多数起こる可能性があり、政府も各企業に注意を促しています。

 あくまで2018年が上記派遣法の初めての適用期となるものであり、今後、企業は派遣社員に対して定期的に契約の転換、正社員雇用への道筋を明示しなければならなくなったことは、今年の人事業務関連におけるハイライトでしょう。

3.入国管理法改正について

 以前のブログでも取り上げましたが、上記のような人手不足、雇用コストの増大に伴い、これまでより一層外国人雇用に対して積極的になる企業が取り上げられるケースが多かった1年でした。当社としても、若く、優秀な外国人労働者を受け入れる準備・検討頂く際にご相談頂く機会も多く、微力ながら、日々お手伝いさせて頂いたことを有難く思っております。

 その中での大きなニュースとしては、まずは入国管理局の格上げでしょう。来年4月から、入国管理の強化、国内在住の外国人へのケアを国として積極的に行っていくことが期待されています。

また、現在世論を賑わせている入管法改正についても取り上げるべきでしょう。今後続く人手不足の切り札として、これまで認められていなかった単純労働への従事の公式な許可、現状のいわゆるブラック企業による人権無視の労働環境など、これまで明らかにされてこなかった課題が出てきています。メディアもこの問題を大きく取り上げ、議論を呼んでいる最中です。特に秋ごろから大きな話題となった外国人技能実習生関連については、来年度から制定されるようです。

まとめ

 弊社は創業以来、日本人のみならず、外国人の方の国内就職・転職を積極的に支援させていただいております。そのため、日々一生懸命働く外国人の皆様に近いところで日々業務に取り組んで、その真面目さや賢明さに刺激を頂いている毎日です。

 今年はやはり、入国管理法関連が最も注目すべきニュースではありましたが…弊社単体のニュースとしては、今年入社してくれた外国人メンバーが、特に大きなトラブルなく、一生懸命頑張ってくれたことでしょうか。日本人だけでは、くみ取れないような日本で暮らす不安、ビザや法律についてなど外国人ならではの身近な疑問、繊細な部分のお悩みをたくさん聞いてあげて、信頼関係が築けていることをとても嬉しく思っております。

 これからも日本で働く外国人は増えていくでしょう。もちろん不法就労や滞在、犯罪助長は断じて許すべきではありませんが、法に則って誠実に会社・外国人労働者が割を食うこともあってはならないと考えます。

むしろ、今、社会の注目を浴びていることがチャンスと考えます。問題が浮き彫りになり、無視されていない現状は歓迎すべきものであると考え、より議論の活性化がこれからも行われてゆくことを望みます。

 今年も皆様には大変お世話になりました。来年も、ぜひ国内外問わず、採用のお悩みにはエボラブルアジアエージェントをご利用ください。

参考資料

人手不足倒産が過去最多更新 東京商工リサーチ  https://www.sankei.com/economy/news/181210/ecn1812100027-n1.html

2018年問題で労働者が知るべきルール https://roudou-pro.com/columns/134/

厚生労働省 はじまります、無期転換ルールhttps://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000177137.pdf

厚生労働省プレスリリース 有効求人倍率についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000358751.pdf

入国管理庁、来年4月へ設置へhttps://www.asahi.com/articles/ASL8W671XL8WUTIL037.html

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