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鳳虹庵日記 7

2012年01月13日

味酒(うまさけ)

酒の神様というと・・・
松尾大社の神、大山咋神
梅宮大社の神、酒解神こと大山祇神
そして、大神神社の神を思い浮かべます。

もう一柱、少彦名神も酒造の神として数えられます。
『日本書紀』によると応神天皇が新羅を平らげて実質即位した時に、
敦賀の気比大神と名替えの神事を行い、そこで酒宴を催した時に神功皇后が
「此の御酒は我が御酒非ず、酒の司、常世に坐す石立たす少名御神の神寿き、寿き狂ほし豊寿き寿き廻ほし、献り来し御酒ざぞ、あさ食せ、ささ」
と歌って、酒を勧めたそうです。
この少彦名神が作ったという特別な酒から酒神とされているようです。

酒は、百薬の長と言いますが、薬神である少彦名は、
薬学、化学の神であり、
古代でいうなら、錬金術の神だったのかもしれません。
同一とまでは言いませんが、トート神と質が重なりそうです。
錬金術は、永遠の命、医学にも用いられています。
ヘルメスが医学の神であるのと、
中世の錬金術師パラケルススが医者であるのもそういった意味があります。
少彦名もそういった神であり、技術を持っていたのだと思います。

秘教的錬金術或いは、中国の錬丹術が性信仰を基盤にしていることと、
四国で少彦名がシャクジンとして祀られているというのも関係があると思います。

シャクジン(石神)とは、石柱をご神体とする信仰ですが、
その元は、男根です。
賽の神や道祖神も元はそういった信仰だと思います。

味酒1

味酒2

こういった信仰は縄文の神だとされますが、
古代文明において世界的に見られます。
古代エジプトしかりです。
だから、太古の信仰ではありますが、原始時代の信仰というイメージは少し間違っていると思います。
古代、性は聖なるものでした。


少し前に、夢の中で教えられたことがあるのですが、
ストーンサークルと

味酒3

市杵島神社や弁天さんに見られる池の中に社が立つ神社は同じだ。
ということです。

味酒4

味酒5

これはリンガ・ヨニを表し男性と女性を表しているということです。

市杵島神社や弁天さんは、水の女性性にフォーカスしているため、女神が祀られていますが、
本来は、男性と女性のカップルです。
これが、日神と水神のカップルの信仰でもあります。
現代でも意味は失われていますが、その形は残っています。

男性性は石柱とともに、米としても象徴されます。
大黒さんが、米俵に乗っているのも意味があります。
時に大黒天の像は男性器に見立てられることがあります。

味酒6

米俵の中では精液が作られ、
それと女性の水が融合し新しい生命が創造されるのです。
そのポテンシャルというのは絶大でそのエネルギーを活用するのが秘教的錬金術の奥義でした。
大黒天というのはシヴァ神であり、
ヒンズー教のシヴァ神殿では、シヴァリンガが祀られています。

味酒7

シヴァは、第三ロゴスに属し、性を司っています。
しかし、性というものは大きなパワーだけに、堕落の力も凄いのです。
だから、古代人は神聖なものとして扱い、秘教として隠してきました。

米と水で作られるのが酒です。
イエスの最初の奇跡が水をぶどう酒に変えるものだったのも意味があります。
昔の酒は、白い酒でした。
この酒が、少彦名の作る味酒(うまさけ)であり、
生命の水であり、アムリタなのだと思います。

今回の京都巡礼は、水と酒がテーマだったと参加者の共通認識があります。
女神の下に隠された神聖な井戸を拝み。
僕は伏見の酒をお土産にわたすために三本買いました。
Sさんは、三輪の濁り酒をお土産にくれました。

Gちゃんは、「八光は米だよ!」と呟いています。
米は、十(ト)を合わして米になる。
米は、八十八でもある。

お遍路さんの八十八箇所。
上代の日本語は、八十八の音があったという。

シュメールの神は米で8を表わす。
伊勢神宮の飾り金具の文様も米型。
ペルシャでは、太陽とその光芒を表わしており
アケメネス王朝の軍旗の文様でもあったとある本に書いていました。
八芒星と田の神

8はイエスを表す数字であり、
八十八(ヤソハチ)の中に耶蘇(ヤソ)が含まれているのも興味深いです。
また8×8=64(むし=無死=不死=富士=藤・・・)もあるかもしれません。
不死または、死と復活は古代キリスト教の奥義です。

米の中にも十(ト)が隠されています。
十は、縦棒の火と横棒の水が重なったクロスです。
Sさんが、大神神社と鴨の社を巡礼したのも意味がありそうです。
酒は、サンズイに酉(トリ)と書きます。
すなわち、鴨のような水鳥を意味します。
水鳥が聖鳥なのは、日(空)と水の両方を行きかいできるからです。
Sさんの「今年結婚するかもしれません」という予感はまんざらでもないです。


少彦名は、酒造の神、
三輪の酒神は、大物主ではなく少彦名かもしれません。
或いは、ある説のようにその二柱は同一か、
また、二柱で三輪神なのかもしれないですね。

味酒(うまさけ)は三輪にかかる枕詞です。
万葉集の一首
「味酒を 三輪の祝いが いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひかたき」
(三輪の祝部(はふり)が仕える神木に触れてしまった罰でしょうか貴方に会えないのは)


恋の歌でありながら、離された三輪の日神と水姫を思う歌のように聞こえます。
その日神を慰めるのが斎宮の役目だったのかもしれないですね。


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