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本日のChatGPT & 学習理論備忘録(52) 「『普通じゃない』って?」 


 行動分析学ではミスの多い ChatGPT 先生。今日もテスト問題のような架空症例を考えてもらった。

病棟の看護師が多動の傾向がある患者がいるということで次のように訴えてきた。


「食事のときのAには本当に困っています。普通じゃないんです」

「数分ごとにイスから飛び降りたり、隣の患者さんの食事をいじったりするんです。イスにじっと座らせておこうとしてもいうことをききません」

「大声をあげ、怒ると泣きわめき奇声をあげるんです。注意しないとAはいつまでたっても食事を食べませんし、それはおかしなことですから」


以上の訴えを、行動分析学の観点から批判せよ。


ChatGPT
病棟の看護師の訴えを行動分析学の観点から批判すると、以下のような点が考えられます。


具体的な行動の記述の欠如: 看護師の訴えには、「普通じゃない」「いうことをききません」「おかしなこと」といった抽象的な表現が含まれている。行動分析学では、行動を具体的に記述することが重要であり、抽象的な表現や評価的な言葉を避けることが推奨されている。

反応の分析: 患者Aが食事中に不適切な行動を取る原因や、その行動を引き起こす環境的要因が考慮されていない。行動分析学では、行動の背後にある原因や環境的要因を分析することで、適切な介入方法を考えることが重要である。

強化と罰の適用: 患者Aが大声を出す、泣く、奇声を出すといった行動は、看護師からの注意や反応を引き出すことで、無意識のうちに強化されている可能性がある。行動分析学では、不適切な行動を強化する要因を特定し、それを排除または変更することが求められる。

代替行動の提供: 看護師の訴えには、患者Aにどのような行動をとってほしいのか、また、その行動をどのように促すのかに関する情報が欠けている。行動分析学では、不適切な行動の代わりに取ってほしい適切な行動を教え、それを強化することが重要である。


以上の点を踏まえると、看護師の訴えは行動分析学の観点から見ると、問題の特定や解決のための手がかりとしては不十分であると言えるでしょう。患者Aの行動を適切に理解し、効果的な介入を行うためには、具体的な行動の記述や背後にある要因の分析が必要である。

 ブラボー! 一点気になったのは、「無意識のうちに強化されている」という表現。「無意識のうちに」が余分であろう。行動分析では「意識されて」といった表現も禁忌であるから、意識も無意識もないのである。

 記述が具体的ではない、これでは解決のてがかりでは不十分、ということを見事に述べてくれた。

 こういうできのいい生徒の答案を見ると、教える側はスッキリするものである。

 ただ、できれば「多動の傾向がある」というのがレッテル貼りなのだ、というところから始めてもらいたかった。こういうところを見落とすようでは満点はあげられないなあ。

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