僕の心のリトル山田

 なぜ人は、すべてを4月1日にお任せしてしまうのか。部署の異動は4月1日だし、年間の契約も4月1日。
 もしかしたら、4月1日にたくしまくっていない会社もあるかもしれないけど、その場合はどこか違う1日に負担をかけまくっている。

 「一人に業務が集中すると〜〜」とか言っていた上司は、4月1日に業務が集中していることに対しては、黙秘を続けている。
 対象が人じゃなくなった瞬間、興味が削がれるらしい。「働き方改革」にも「人権」にも熱心に目を向けるくせに「日権」を蔑ろにしている。そんなものはないけど。

 まあ、実際のところ、僕が4月1日に忙しいのが嫌すぎて、拒みたくなっているだけではある。唯一嬉しいところといえば、忙殺されて業務時間が体感早く感じることだと思う。
 いつもは暇すぎて五億年ボタン押したみたいな感覚のくせして、この日だけは、アインシュタインによって、相対性理論のマシンの中に閉じ込められたようなのだ。
 でも結局、この日は残業なので、仕事をしている時間は長いわけで。つまり一年の中で一番老ける日なのです。
 どちらにせよ耐えないといけないので、心の中の山田太郎に「さあ、しまってこー!」と言わせて脳をせん妄状態にさせている。

 仕事? ええ、好きですよ。
 4月1日だけは。
 なんで年度初日は、忙しいと文句を言うくせに4月1日だけだって?
 そりゃあ、山田太郎に聞いてくだせえ!!

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