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月と神社と札幌試着旅

今回の帰省は予定外だった。

7月にはもう実家へ顔を出していて、次は冬にでも帰ろうかしら、などと思っていた折、友人から「子供産んだよ!会いに来れる?」との吉報があった。
連絡があった次の瞬間には飛行機を予約し、3ヶ月と空けずに北海道へ舞い戻ることになった。


友人からの連絡がきっかけではあるけれど、二つ返事でこの帰省を決めたのにはもうひとつ訳がある。

突然ですが、産土神社というものをご存知でしょうか。
私もほとんど知りません。(高速てのひら返し)

ざっくばらんな説明で恐縮ですが、産土神社は自分を担当してくれる神様が祀られている神社で。
じゃあそれってどこなの?っていうと、自分が胎児の頃に近くにあった神社のうちのどれかが、産土神社とやらになるんですって。
場所を絞り込んでしらみつぶしにお参りしたら、自分の産土神社は雰囲気でわかるよ、という話だったので、いつか探してみよ〜と思っていたのでした。
(信心深い人間ではないんだけど、担当とかオーダーメイドとか、そういうものに弱いのでね…)

前回の帰省のときに、さあ東京へ戻るぞという段になって、それを思い出しました。
ま、来年の夏でええやろ。と思っていたら、友人から冒頭の連絡をもらって。
「あ、呼び戻されたわ」と感じたので即断した次第でした。


可能性のある神社は4つ。
ですが、電車や徒歩で移動するにはアクセスがあまりよくないので、可能性の高そうな2つの神社をひとまずまわることにしました。
実家の猫に撫でろ撫でろと強請られながらなんとか支度を終えます。
(軽度の猫アレルギーなので、撫でると手を洗い直さないといけないので困る、困ったなあ…かわいいねえ……ナデナデナデ)

北海道はもうすっかり秋。
暑さが苦手な自分にはありがたい。
天気もとても良くて、お散歩日和です。
なんなら少々日差しが強かったので、日傘を差しながら出掛けました。

JRから地下鉄に乗り継いで、初めて降りる駅を出る。
一つ目の神社はそこから10分もかからないところでした。
また日傘を差して歩いていると、ぽつ、ぽつ、ざーーーっと雨が降ってくる。
なに?どうした?
一旦コンビニで雨宿りしながら、天気予報を確認する。
局所的な大雨。
あと20分は続くらしい。
いやいやいや。
これ、絶対歓迎されてないだろ。
引き返そうかとも思ったけれど、着いたら晴れたりするかも?と強行突破します。
まあもちろん、降り始めたばかりで全く晴れないし。
ここは違うな、という感覚だけが渦巻いて、すみません、と会釈をしてその神社を出ました。

バケツをひっくり返したような大雨で、駅に戻る10分を歩くのも億劫で。
運良く通りがかったタクシーを拾って、次の神社へ向かいました。
雨は相変わらずひどくて、ホワイトアウトするかと思った。
タクシーでの移動中は運転手さんと話すこともなく、ただぼうっと外の悪天候を眺めていました。
あーこのまま次の神社もびしょ濡れで詣でるのかな…と少し憂鬱になって。


15分ほどかかって、次の神社の前に到着しました。
それはもう、嘘みたいに晴れ渡っていました。
降っていた雨が止んだ。って、それだけなんだけど。
ああ、ここが、そうなんだな。と確信する。

霊感が一切ない私に親切すぎるまでのわかりやすさだな。
でも、それにしてもあの土砂降りは手荒すぎるだろ、とか。
色々考えて可笑しくなりつつ。
(雨なんて偶然だろ、と片付けてしまえばそれまでなんだけど、なんか、楽しいじゃん。ね。)

晴れてよかったですね、とタクシー運転手さんと話しながら支払いを済ませて、入口の前に立ちます。
うん、良い空気。
幸運なことに、神様に乞い願うようなことは特になかったので
「ただいま。いつもありがとう。ご挨拶にきました。」の気持ちで参拝を済ませました。

事前にかぷちさん(かぷち|note)から「そこの神社は可愛いお守りが置いてありますよ!」と伺っていたので、社務所へ。
(社務所は奥まったところにあったので、かぷちさんに教わってなかったら入っていなかったかも。ありがたや…。)

神社の名前に「月」が入っているので、月の模様が入ったお守りがありました。
可愛い!と即いただいて。

月モチーフのおみくじも引きました。
これ、通常のおみくじのように吉凶が書かれているのに加えて、運勢に沿った月の形も添えられていたんですが。(おそらく他には満月、新月などがあるのでしょう。)
私のおみくじには「下弦の月」と書かれていて、すぐに杉崎さんの顔が浮かびました。

なんか見えてます?
というか、神様側が見てるのか?
一人でおみくじを読みながらニヤニヤするおかしな人間になりました。

隣接している公園で気の済むまでお散歩をして。
また来ますね、と心の中で宣言して、神社を後にしました。
こうして、るんるんでかぷちさんとの待ち合わせに向かったのでした。


札幌駅でかぷちさんと合流します。
初めてお会いしたかぷちさんはモードな雰囲気を纏ってかっこよく、笑顔はにっこり可愛らしく。
文章から感じる理知的なイメージはそのままで、やわらかで優しい、とても素敵な方でした。

互いのnoteに「あれ、好きです」とか「あのとき、実はこういうことを言われて、こう思ったんですよ」とか。
「自問自答どんな風にやってます?」とか「うふふ、これはサボってます…(notコツコツ型の阿笠)」とかとか、たくさんお話しして。
そのうちにぺろっと重めの相談を零してしまったりして。
(あまり初対面で話すべきではない重いテーマなのに、親身になって聞いてくださって、包容力に感謝でした……。)

初めこそ少し緊張はしましたが、かぷちさんのnoteは長く読ませてもらっていたので、途中から旧友と話しているような錯覚が…。
とっても楽しい時間でした。


そして食事を終えると、試着旅へ!
私がノープランだったので、かぷちさんが見たいと仰っていたお店にGO!
その流れで、ずっと気になっていたけれど、まだ試着したことがなかったコムデギャルソンとワイズを試着してきました…!

コムデギャルソンで、もこもこに膨らむスカートを試着。
なんだか別の生き物がまとわりついているみたいで楽しい。
「わー!!もふもふだ!!」と、ワッサワッサさせながら喜んでいたら、通りすがりの店員さんが遠くからニコっと微笑んでくれました。
当たり前かもしれませんが、ギャルソンの服と、それを着て喜ぶお客さんを見るのが大好きなんだろうな…!というのがその笑みから伝わってきて、なんだかキュンとしてしまいました。

ワイズは、着心地が素晴らしかった。
なめらかで肌に吸い付くようで、これはずっと着ていたい気分になるなあと感動。
あと、これが反骨精神か…!という感じ。
私自身はコンサバ系のヘアメイクをしているはずなのに、ワイズを纏うと一筋縄ではいかなそうな雰囲気に。
心なしか眉毛がキリッとして見えます。

ハイブランドも巡ってきました。
演歌バッグを持たざるふたりだったので、サンローランやセリーヌに寄って、色々持たせてもらって。
「かわいいけど、なにも入らないよ!」などと、もはや恒例のやりとりをしながら。
あとはディオールのコート、サイズが大きかったのにラインがまーー綺麗で。
ブックトートも、自分にはちょっとカジュアルに転ぶかと思ったけど、さすがディオール。しっかりお上品だった。

最後に少々オタ話に花を咲かせつつ、パフェを食べて、まだまだお話ししたいな〜と後ろ髪を引かれながらの解散となりました。
本当に本当にありがとうございました!


夏、暑さにかまけてあらゆることを放棄し引きこもっていたので、久々の試着旅でした。
いま着ている服を気に入っているし、まあいいか、と考えていましたが、やっぱり知らない服を着た自分を見るのは楽しいですね。

着てる服が変わるだけで、発するメッセージは確実に変わるな、ということを改めて体感しました。
ワイズを着た私は、「それっておかしくないですか?」ってすぐ言ってきそう。
ギャルソンを着た私は、何を言ってもニコニコ笑うだけで、一切聞き入れてくれなそう。
ディオールを着た私は、高嶺の花すぎて声を掛けるのも畏れ多い。

東京も、やっと過ごしやすくなってきたので、また少しずつ試着に行こうと決意しました。
次はどこに行こうかな。

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