見出し画像

【詩】きみの髪の毛の色

こんにちは、深見です。
さつまいもごはんを炊きました。さつまいもごはん大好きです。
炊き込みご飯はだいたい好きです。


きみの髪の毛の色


きみの髪の毛の色は何色だっただろう
たしかイチョウの色をしていた
ふかしたサツマイモの色にも似ていた
君の髪の毛は、柔らかな黄色をしていて
髪の毛の質のせいなのか、とうてい綺麗な金色ではなかった

きみはそれを嫌がっていたけれど
ぼくはイチョウもサツマイモも好きだったから
あと、きみのことも好きだったから
ぼくは、きみの髪の毛の色が好きだった

きみが髪の毛を染めなくなって
毛先に向かって段々と
イチョウの、あるいはサツマイモの色が
段々と、追いやられていって
そしてとうとうきみ本来の色が戻るとき
秋に染まったイチョウの葉が、音もなく枝を離れるように
きみはどこかへ行ってしまった

ぼくは、きみの髪の毛の色が好きだった
秋が来るたびに
イチョウの並木を、ふかしたサツマイモを見るたびに
まだ秋の色をしていたきみが目の前に現れて
ぼくに微笑みかけるくらいには

ぼくは、きみの髪の毛の色が好きだった
あと、きみのことも、好きだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?