【詩】体調が悪い時の詩・三篇

こんにちは、深見です。
急に冷え込むと、てきめんに体調が悪くなります。


おまえだけの空

誰にも見上げられない都会の空を
ぽっかりと見上げて
雲はまっすぐ西の方へ
ゆるやかにカーブを描いて伸びている
これを見ているのはおまえだけ
おまえだけの空


この世のまぼろし

夏の暑さの中にあれば
冬の寒さなんてまぼろしのように思えるので
まるで冬なんてものが本当にあるのか
私はどうにも疑わしい

しかし冬の寒さの中にあり
やはり夏の暑さはまぼろしのように思えるので
夏も冬も本当はなく
したがって春も秋もないものと思うのが当然で
まるでこの世というものが本当にあるのか
私はどうにも疑わしい


寄り添える痛み

孤独
腹が痛いときの孤独
頭が痛いときの孤独
胸の奥が痛んで痛んで仕方がないときの
どうしようもない孤独

痛みを分かち合うことなど不可能で
どのくらい痛いのかを伝えることすら困難で
痛がる私を見て申し訳なさそうな顔をする
おまえはどこも痛んでいない

おまえは孤独なのだよと
痛みが私にささやくので
私はほんの抵抗のつもりで
でも痛みだけは私に寄り添ってくれるのだねと
そう言うと
体中の痛みはぎしぎしきしんで
そうだよ
そうだねと
私を抱きしめる


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