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遊戯王 マスターデュエル:テーマ「無限起動」について(前編)

当ノートでは、遊戯王 マスターデュエル(MD)に実装されているテーマ「無限起動」について解説します。

通常魔法《篝火》が実装されたり、テーマ「ヴォルカニック」「BK」が強化された2024年03月29日のアップデート直後の環境を想定した内容になっています。

文量の都合から、ノートを「前編」と「後編」の2つに分けています。解説のほとんどは前編で行っており、後編には具体的な展開例をまとめています。

当ノートは前編です。


概要

テーマ「無限起動」は重機を模した地属性・機械族モンスターで統一されたエクシーズテーマです。

遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ(OCG)においては2019年02月23日発売のコンセプトパック「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ デッキビルドパック インフィニティ・チェイサーズ」で実装されました。

テーマ内カードは以下のとおりです。OCG・MDとも利用できます。

  • メインモンスター

    • 《無限起動ハーヴェスター》

    • 《無限起動ロックアンカー》

    • 《無限起動キャンサークレーン》

    • 《無限起動ドラグショベル》

    • 《無限起動トレンチャー》

    • 《無限起動スクレイパー》

    • 《無限起動ブルータルドーザー》

    • 《無限起動ロードローラー》

  • エクシーズモンスター

    • 《無限起動リヴァーストーム》

    • 《無限起動コロッサルマウンテン》

    • 《無限起動アースシェイカー》

  • リンクモンスター

    • 《無限起動ゴライアス》

    • 《無限起動要塞メガトンゲイル》

  • 永続魔法

    • 《超接地展開》

    • 《超重機回送》

  • 通常罠

    • 《超信地旋回》

  • 永続罠

    • 《超整地破砕》

特徴

「無限起動」の特徴や基本的な動かし方は以下のとおりです。

テーマ内魔法・罠はカテゴリ外カード

「無限起動」には4種類の魔法・罠が実装されているのですが、いずれもカテゴリ「無限起動」に属していません。

そのため他テーマではよくある「デッキから『○○○』魔法・罠1枚を手札に加えることができる」というテーマ内万能サーチカードが存在せず、サーチなどする場合はそれぞれ専用のカードを利用する必要があります。そのため、ちょっと使い勝手が悪いです。

  • 《超接地展開》

    • 《無限起動キャンサークレーン》の効果②でサーチ

    • 《超整地破砕》の効果②でデッキ・墓地からセット

  • 《超重機回送》

    • ※参照するカードなし

  • 《超信地旋回》

    • 《無限起動ドラグショベル》の効果②でサーチ

    • 《超整地破砕》の効果②でデッキ・墓地からセット

  • 《超整地破砕》

    • ※参照するカードなし

地属性・機械族モンスターで統一

「無限起動」モンスターは地属性・機械族で統一されています。

ランク5~11の奇数エクシーズモンスターが主力

「無限起動」はランク5・7・9・11のエクシーズモンスターを出しやすいテーマとなっています。リンクモンスターも2種類実装されていますが、それらエクシーズモンスターと組み合わせることを前提とした性能になっています。

ただ、肝心の「無限起動」エクシーズモンスターがあまり強くないのでテーマデザインの段階で破綻している感が否めません。

リリースして展開、墓地から除外して発動

「無限起動」メインモンスターは「自分フィールド上の地属性・機械族モンスターをリリースして発動する効果」と「自身、あるいは機械族モンスターを除外して発動する効果」、およびそれらと関連する効果を持っていることが多いです。

つまり、以下のような動きが想定されているわけです。

  1. 何らかの方法で地属性・機械族モンスターを召喚・特殊召喚。

  2. そのモンスターをリリースして手札から「無限起動」メインモンスターを特殊召喚。

  3. リリースされて墓地へ送られたモンスターを除外して効果発動。

  4. モンスターが除外されたことで効果が発動。

ただし、上に挙げたのは理想展開であり、現実にはそう上手くいきません。というか、そもそもテーマ内カード同士の効果がきれいに噛み合っているとは言いがたい状況です。

どちらかというと純構築で組むよりも、上記動きをする地属性か機械族で統一されたテーマに出張するかたちで組み込むほうが光るかもしれません。

《無限起動ハーヴェスター》と《無限起動ロックアンカー》で初動

原則として、初動札になりうるのはテーマ内下級モンスターである《無限起動ハーヴェスター》と《無限起動ロックアンカー》の2種類です。

ただし、それらカードをサーチできるのは、テーマ内カードでは《超重機回送》しかありませんので初動としては9枚体制になります。初動を太くする要員として《マシンナーズ・メタルクランチ》などがありますので好みによって投入ください。

「無限起動」カード解説

「無限起動」カードについて解説します。

《無限起動ハーヴェスター》

初動札です。これで《無限起動ブルータルドーザー》をサーチ・特殊召喚すれば、そのままランク5エクシーズモンスターかリンク2モンスターへとつなげることができます。《無限起動ブルータルドーザー》の効果②を使うとターン終了時まで地属性・機械族モンスターしか出せなくなるのが痛いですけどね。

3積み推奨です。

《無限起動ロックアンカー》

初動札ではなく展開札・上振れ札に近い立ち位置のモンスターです。

純構築ではラドン展開の初動となるほか、ランク6・ランク9エクシーズモンスターを立てるのに使います。ラドン展開はともかく、後者で出したいモンスターはほとんどないのが残念です。また、レベル5「無限起動」モンスターの特殊召喚コストとしても利用できます。

混ぜ物や出張では「ガジェット」や「マシンナーズ」あたりと組み合わせるとランク8エクシーズモンスターを立てられて便利です。

3積み推奨ですが2積みでもよいと思います。

《無限起動キャンサークレーン》

あまり強くないです。このモンスターを展開パーツとして使い、かつ《超接地展開》を引き込みたい場合のみ輝きます。どちらか1つのために使うのはオススメできません。

1積みか非採用です。

《無限起動ドラグショベル》

「無限起動」モンスターのなかで一番価値のないカードです。

当然非採用です。

《無限起動トレンチャー》

特殊召喚コストとして墓地へ送られたのちに、墓地のモンスターを蘇生してさらなる展開へとつなげるのに使います。あるいは、名称ターン1制約がついているモンスターが墓地にいるときに、次の自分ターンで発動できるように温存しておくのもよいです。

1積みはしておいてよいと思います。

《無限起動スクレイパー》

効果②は悪くないのですが発動条件が重いのが気になります。「5枚戻して2枚ドロー」よりも、《ダイガスタ・エメラル》のように「3枚戻して1枚ドロー」のほうが好まれると思います。

純構築ではあまり使う印象はなく、それよりも他の展開系地属性・機械族テーマに出張採用して、リソース回復要員として使うのが一番輝くと思います。

「無限起動」をメインとするアーキタイプにおいては原則非採用ですが、1枚くらいは入れてもよい気がします。

《無限起動ブルータルドーザー》

上級モンスターゆえ取り回しが良いとはいえませんが、それを補ってあまりある展開力が魅力です。《無限起動ハーヴェスター》1枚で地属性・機械族のランク5モンスターへとつながるのが良いですね。

原則3積みですが「手札に《無限起動ブルータルドーザー》ばかりが集まって動けねぇ!」という人は2積みに減らしてもよいと思います。

《無限起動ロードローラー》

これ自体は初動になりませんが効果①・効果②ともに便利な上振れ札です。

いろいろ考えると2積みがバランスよいと思いますが、各自の好みに応じて投入枚数を調整ください。

《無限起動リヴァーストーム》

機械族系のさまざまなアーキタイプで採用されている、「無限起動」が誇る汎用札です。ちょっと打点が物足りない気もしますが……あまり贅沢を言うものではありませんね。

基本1積み。長期戦を想定しているアーキタイプや、このカードによるサーチで回すアーキタイプは2積みがおすすめです。

《無限起動コロッサルマウンテン》

決して悪いカードではありませんが良いカードでもありません。

非採用か1積みです。

《無限起動アースシェイカー》

後方から捲るのに便利ですが、であれば同じくランク9の《影の王 レイヴァーテイン》のほうが使い勝手が良いです。

それでもこちらを使うならば、効果①で相手フィールドのカードを除去したのちに《超接地展開》で《超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ》につなげて殴れるようにデッキを組む必要があります……が「無限起動」ではラドン展開が強いため、EXデッキに《無限起動アースシェイカー》《超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ》を入れる枠があるかは厳しいところです。それに《超接地展開》をサーチするためのギミックも別途必要ですしね。

そういった総合的な事情から、個人的には非採用です。

《無限起動ゴライアス》

多くのテーマにおいて、リンク1モンスターというのは重宝されるものですが当カードにかぎっては……うーん、微妙なところです。

いや、決して悪いカードではないのです。効果①・効果②ともに強いのですが「《無限起動ゴライアス》は強いリンクモンスターか?」と問われると「いやぁ、そんなことは……」と言葉を濁してしまう――なんとも微妙なカードです。

1積みはしていてもよいと思います。

《無限起動要塞メガトンゲイル》

性能自体は強いですがリンク召喚に必要な素材が重いです。エクシーズモンスター2枚のリンク2モンスターで、攻撃力3000であればまだ使われた気もします。

とはいえ、一部のアーキタイプにはめっぽう強い当カードは「ヌメロン」などの、無理なくリンク召喚できるテーマでは普通に使っていけるだけの性能をもっています。

ただ、「無限起動」をメインとするアーキタイプでは原則非採用です。

《超接地展開》

効果①・効果②とも悪くありません。特に効果①がよいですね。

1積みはしていてよいと思いますが非採用でも仕方ないです。

《超重機回送》

当然3積みです。

《超信地旋回》

弱いです。「カラクリ」あたりと組み合わせたときは役立つかもしれません。

非採用です。

《超整地破砕》

決して強くはないです。ただ、永続罠なので条件次第では毎ターン効果①が使えるので使い道はあるかと思います。理想的には能動的に自分モンスターを破壊できるカードと組み合わせるのが良いでしょうが……あまり良い案が思いつきません。

1積みくらいはしていてもよいと思います。

関連テーマ・カード解説

「無限起動」とシナジーがある、あるいはシナジーがありそうで意外とそうでもないテーマやカードを解説します。

《セリオンズ“キング”レギュラス》

普通に相性がよいです。妨害要員の少ない「無限起動」の欠点をカバーしてくれます。

《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》

「無限起動」には機械族のレベル5モンスターが多いため、相性がよいかと思ったのですが展開ルートを書き出していくと、意外とそうでもありませんでした。ランク5エクシーズモンスターを立てるのに便利な《無限起動ブルータルドーザー》の効果②を使ってしまうと、ターン終了時まで地属性・機械族モンスターしか特殊召喚できなくなるためです。

ただ、先攻2ターン目や後攻4ターン目に、墓地に《無限起動トレンチャー》や《無限起動ロードローラー》があれば、《無限起動ブルータルドーザー》の効果②を使う前に立てることは難しくないです。

《クシャトリラ・アライズハート》

《無限起動リヴァーストーム》を対象に《超接地展開》の効果②を発動することでエクシーズ召喚できます。

「重ねてエクシーズ召喚」のため《無限起動リヴァーストーム》が《無限起動ロードローラー》や《無限起動ゴライアス》をエクシーズ素材として持っている場合は、そのまま自身のエクシーズ素材になるため引き続き効果が継続します。

加えて、《クシャトリラ・アライズハート》は機械族モンスターであるため《超接地展開》の効果①によって効果対象耐性も付与されます。

《影の王 レイヴァーテイン》

比較的簡単に出せるのでオススメです。言わずもがな、このカードを投入するならば《永の王 オルムガンド》も入れてください。

《古代の機械弩士》

効果①で《古代の機械箱》をサーチし、《古代の機械箱》の効果①で《無限起動ロックアンカー》や《無限起動トレンチャー》をサーチすれば、次のターンの展開がしやすくなります。

効果②は発動した《超重機回送》をコストにすれば無駄がありません。

《幻獣機アウローラドン》

比較的簡単にラドン展開にいけるので好相性ですが、展開パーツである《ジェット・シンクロン》や《幻獣機オライオン》と「無限起動」との相性はよくないため不純物になります。

構築例

「無限起動」をメインとするデッキレシピを紹介します。

【純無限起動】

「無限起動」は強いカードが限られるため、強いカードだけを投入していくとデッキ・EXデッキの枠がかなり余ります。そのため、そこをラドン展開のパーツで埋めるように組んでみました。

ラドン展開を目指しつつ、それが難しいようであれば「無限起動」的な展開にスイッチできます……というより、そのあたり柔軟にやっていくしかないアーキタイプとなっています。

総評

面白い動きができるテーマであり、テーマとしての独自性と将来性を感じます。

ただし、その「面白い動き」によって展開されるモンスターに強いものが多くないのが気になっています。現状のカードプールではラドン展開が強いですが、できるだけ「無限起動」モンスターとして強いカードを実装してほしいですね。

汎用カードとラドン展開パーツを除けば低レアリティのカードを中心に構成されていますので、ぜひ触ってみてください。

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