マガジンのカバー画像

2024年映画感想

21
2024年に劇場で観た映画作品の感想書きです。
運営しているクリエイター

#note映画部

映画『違国日記』感想 その映像では「たりない」実写化

 原作漫画が良すぎるにしても、雑な部分が多い残念作。映画『違国日記』感想です。  ヤマシ…

15

映画『マッドマックス:フュリオサ』感想 前作の行間から広がった前日譚

 『怒りのデス・ロード』への解像度を上げることに徹した見事な前日譚。映画『マッドマックス…

6

映画『関心領域』感想 過去と現在の罪悪から目を逸らすな

 物凄く冷静でありながら、激しい怒りを持って、この世の不快さを表現しています。映画『関心…

Kuwayama Daisuke
2週間前
10

映画『ミッシング』感想 世界の醜悪さと、わずかな美しさ

 観ている間、頭痛がするほどのストレス。それでも、ちゃんと美しさを描いてはいます。映画『…

Kuwayama Daisuke
3週間前
2

映画『碁盤斬り』感想 落語×時代劇の職人映画

 落語と時代劇の掛け合わせは良いとしても、人情と武士道の両立はあまり上手くいってない気が…

Kuwayama Daisuke
1か月前
5

映画『辰巳』感想 泥臭く描いた「情」の物語

 世界観の没入感、湿った邦画的感情の描き方が本当に巧みな作品。映画『辰巳』感想です。  …

Kuwayama Daisuke
1か月前
1

映画『悪は存在しない』感想 不可解さが永遠に刻まれる怪物的作品【ネタバレあり】

 後半でネタバレ解釈しているので、注意ください。観終えてから、しばらく経っても何を目撃したのか、ずっと頭から離れません。映画『悪は存在しない』感想です。  『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』など、世界的評価も確立しつつある濱口竜介監督の最新作。しっかりとヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞に輝いています。  もともは、音楽を担当している石橋英子さんが、ライブパフォーマンス用映像を濱口監督に依頼したことから始まった企画だそうで、そのライブ用サイレント映像『G

映画『異人たち』感想 生者だけでなく、死者を慰めるための奇跡

 展開知っているのに、大号泣してしまいました。映画『異人たち』感想です。  山田太一の小…

Kuwayama Daisuke
1か月前
3

映画『貴公子』感想 シリアスな恐怖を引っくり返す爽快さ

 ノワール的な期待も満たしつつ、予想外の角度の快感もありました。映画『貴公子』感想です。…

Kuwayama Daisuke
2か月前
1

映画『オッペンハイマー』感想 浮き彫りになる核兵器への認識のズレ

 祝オスカー受賞! とはとても言う気になれないけれど、作品としては評価されてしかるべきも…

Kuwayama Daisuke
2か月前
2

映画『DUNE/砂の惑星 PART2』感想 英雄崇拝の否定はまだ道半ば

 ドデカく始まった物語は、まだまだ中途のものとして続くようです。映画『DUNE/砂の惑星 PA…

Kuwayama Daisuke
2か月前
7

映画『12日の殺人』感想 男性視点では見えない真実

 シンプルな台詞1つが、本質部分を表現していて刺さるような感触がありました。映画『12日の…

Kuwayama Daisuke
2か月前
5

映画『犯罪都市 NO WAY OUT』感想 リズム的快感の暴力

 拳が入るタイミングに、良いスネアやバスドラが鳴ったかのような快感があります。映画『犯罪…

Kuwayama Daisuke
2か月前
2

映画『ボーはおそれている』感想 不安の具現化という笑いの3時間【ネタバレあり】

 一応、ネタバレ前提で書きました。でもネタバレして観ても、予想を覆す理解不能な作品だと思います。映画『ボーはおそれている』感想です。  『ヘレディタリー』『ミッドサマー』の長編2作のみで、ホラー映画の歴史に名を残すこととなった、アリ・アスター監督待望の3作目となる長編映画。運良く、ラジオ番組「アトロク2」の特別試写会での応募が当選して、公開前に鑑賞。その後、劇場公開後にも鑑賞して、2回にわたってボーの地獄巡りに付き合いました。  『ヘレディタリー』での容赦ない恐ろしさは、