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2024年映画感想

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2024年に劇場で観た映画作品の感想書きです。
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記事一覧

映画『蛇の道』感想 理不尽なオカルト風味が小気味良い

 リメイクだからなのか、昔の理不尽ホラーな空気が懐かしい。映画『蛇の道』感想です。  『…

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映画『あんのこと』感想 確かに生きていたという叫び

 現実に起きた悲劇を知らしめるために作られたフィクション。映画『あんのこと』感想です。 …

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映画『違国日記』感想 その映像では「たりない」実写化

 原作漫画が良すぎるにしても、雑な部分が多い残念作。映画『違国日記』感想です。  ヤマシ…

Kuwayama Daisuke
2週間前
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映画『マッドマックス:フュリオサ』感想 前作の行間から広がった前日譚

 『怒りのデス・ロード』への解像度を上げることに徹した見事な前日譚。映画『マッドマックス…

Kuwayama Daisuke
3週間前
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映画『関心領域』感想 過去と現在の罪悪から目を逸らすな

 物凄く冷静でありながら、激しい怒りを持って、この世の不快さを表現しています。映画『関心…

Kuwayama Daisuke
4週間前
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映画『ミッシング』感想 世界の醜悪さと、わずかな美しさ

 観ている間、頭痛がするほどのストレス。それでも、ちゃんと美しさを描いてはいます。映画『…

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『碁盤斬り』感想 落語×時代劇の職人映画

 落語と時代劇の掛け合わせは良いとしても、人情と武士道の両立はあまり上手くいってない気がしました。映画『碁盤斬り』感想です。  『凶悪』『ひとよ』『孤狼の血』シリーズ、『死刑にいたる病』などで知られる、白石和彌監督による初の本格時代劇映画。加藤正人さんによる脚本で、古典落語『柳田格之進』をベースにして書かれたオリジナル作品だそうです。草彅剛、清原果耶、國村隼人という布陣が最高なので、観てまいりました。  世界観としては、かなりスタンダードな時代劇となっていますね。白石監

映画『辰巳』感想 泥臭く描いた「情」の物語

 世界観の没入感、湿った邦画的感情の描き方が本当に巧みな作品。映画『辰巳』感想です。  …

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『悪は存在しない』感想 不可解さが永遠に刻まれる怪物的作品【ネタバレあり】

 後半でネタバレ解釈しているので、注意ください。観終えてから、しばらく経っても何を目撃し…

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『異人たち』感想 生者だけでなく、死者を慰めるための奇跡

 展開知っているのに、大号泣してしまいました。映画『異人たち』感想です。  山田太一の小…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『貴公子』感想 シリアスな恐怖を引っくり返す爽快さ

 ノワール的な期待も満たしつつ、予想外の角度の快感もありました。映画『貴公子』感想です。…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『オッペンハイマー』感想 浮き彫りになる核兵器への認識のズレ

 祝オスカー受賞! とはとても言う気になれないけれど、作品としては評価されてしかるべきも…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『DUNE/砂の惑星 PART2』感想 英雄崇拝の否定はまだ道半ば

 ドデカく始まった物語は、まだまだ中途のものとして続くようです。映画『DUNE/砂の惑星 PA…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『12日の殺人』感想 男性視点では見えない真実

 シンプルな台詞1つが、本質部分を表現していて刺さるような感触がありました。映画『12日の殺人』感想です。 『悪なき殺人』で知られるフランスの映画監督ドミニク・モルによる最新作。2013年に起きた「モード・マレシャル殺人事件」という未解決事件をモチーフにして作られた作品だそうです。  そう、未解決事件をモチーフにしているので、今作も事件の真相を解き明かすのではなく、そこに関わった人々の感情の移ろいを描く物語になっています。先日感想を書いた『落下の解剖学』と同種の作品といえる