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2021年映画感想

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2021年8月の記事一覧

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』感想 正しさではなく感情で殴られる一作【ネタバレあり】

 詳しく書くことは避けていますが、読めば何となく解ってしまうのでネタバレ前提としております。映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』感想です。  30歳目前のキャシー(キャリー・マリガン)は、実家暮らしのカフェ店員。夜ごとクラブに繰り出しては泥酔したフリをして、性的な目的で近づく男に持ち帰られた後、行為直前にシラフの顔に戻って男をなじるという制裁を続けていた。  キャシーはある日、カフェにやって来たライアン(ボー・バーナム)と偶然再会する。ライアンは、キャシーが中退した医学部

映画『ベイビーわるきゅーれ』感想 倫理観無視の裏社会おしごと映画

 なかなかに掘り出し物の秀作でした。映画『ベイビーわるきゅーれ』感想です。  阪元裕吾監督によるアクション映画。全くのノーマークでしたが、ツイッターで割と絶賛されているのを見かけて、何となく気になりだし、都内の上映が一館のみというレア感が逆に観なければ、となって観に行きました。  物語自体は、漫画的な感じの作品ですよね。殺し屋のトボけた日常というコンセプト自体が、漫画・実写映画の『ファブル』に近いものだと思います。  ただ、あちらは「殺さない殺し屋」というのをウリにして、