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【都市伝説】『山道の親子』
あるカップルが夜遅くに、
山道でドライブを楽しんでいたときのことだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1718313279294-ixOmbDdIV4.png?width=800)
突然、
道路の脇から幼稚園児ぐらいの少女が飛び出し、
彼らの乗る車の前に立ちはだかった。
少女は何事かを大声で叫びながら両手を大きく広げ、
彼らの車を停めようとしている。
こんな時間に、幼い少女が山奥に一人でいるなんておかしい。
もしかしてこの子は……
幽霊なのでは?
気が動転したカップルの男は、大きくハンドルを切ると少女の脇をすり抜けて、そのまま走り去って行った。
![](https://assets.st-note.com/img/1718314041502-pGUwW2Q2e1.jpg?width=800)
しばらく走って気持ちが落ち着くと、
二人はさっき見た少女について話しはじめた。
二人ともあの少女を見たことにまちがいはない。
さっきは突然のことに動揺していたので考えが及ばなかったが、もしかしたらあの子は迷子になって困っていたのでは?
そんなことを話していると、道の前方から若い男が走ってきた。
![](https://assets.st-note.com/img/1718468225159-PKuJPzES4K.jpg?width=800)
男は彼らの乗る車に気づくと、
大きく手を振って停まってほしいというゼスチャーを見せる。
二人は今度は素直に従い、車を道の脇に停めた。
若い男は車に駆けよると、
「このへんで私の娘を見かけませんでしたか?」
と二人に尋ねてきた。
なんでも彼はこの山道を歩く途中で娘とはぐれてしまい、
必死で探している最中なのだという。
するとさっきの子どもは、父親とはぐれて困っていたのか。
そう納得した二人は
彼に先ほど幼稚園児ぐらいの女の子に出会ったことを告げ、
そのだいたいの場所も教えた。
少女を置き去りにした罪悪感から、
二人は
「そこまで車で送りましょうか」
と男に申し出たが、
男は
「いえ、そこまでしていただかなくても結構です。
どうもありがとうございました」
と言い残し、
少女がいる方向へ走り去って行った。
それからしばらくたった
ある日。
二人が何気なくテレビを見ていると、
最近起きた
の犯人が逮捕されたというニュースが流れた。
次の瞬間………
画面に映し出された犯人の写真を見て
彼らは顔色を失う。
なにしろ
そこに映し出されたのは、
あの日の山道で出会った
![](https://assets.st-note.com/img/1718483928756-OaHbgQZxCz.png?width=800)
若い男であったのだから。
次に映し出された被害者の幼女の写真にも見覚えがあった。
あの日、
二人が山道で出会ったのは、
はなればなれになった親子などではなく、
恐ろしい殺人鬼と、その魔の手から逃れようともがいていた
幼い少女だったのだ。
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