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卵子凍結について語ってみよう①: 検討する前に知っておくべき重要ポイント

どうも、思い立ったが吉日。意思と共に右足が出ることで有名な私が、卵子凍結というものをやってみたので私の経験談をまとめてみます。※あくまで個人的な理解と感想の元記述しますので、ちゃーんとお医者さんに相談してネ

卵子凍結ってなんだ

卵子凍結は読んで字の如く、卵子を凍結しておいて取っておくもの。その利用はさまざまなんだけど、今回は「身体は至って健康、いつかは子供が欲しい(欲しくなるかもしれない)けど今は妊娠するつもりor予定がない独身女性」にとってどんな選択肢かということにフォーカスしてまとめたいと思います。
出産というのを因数分解すると、健康な卵子・精子とゆう材料の用意があって、それが受精→着床→成熟/成長→出産という神秘的プロセスがあるわけじゃないですか。その中の「健康な卵子」というものを技術を持ってできるだけ長い期間用意できるようにしよう、というのが卵子凍結です。

ポイント1:卵子凍結をしてもその焦りが解消されるってわけじゃない

文章のプロじゃないんで私のだらだら書きに飽き飽きしてここら辺で離脱しかけている人がいると思うのでさっそく一番大切なことを書きますが、卵子凍結をするだけでは上の要素のうちの「材料の用意」が終わっただけなので「あはは、卵子凍結したからパーティ ゴーズ オンよ」なんてボディコンきて六本木渋谷あたりで羽ばたこうとしている人がいたら手首をぐいっと引き寄せてぜひ着席させてあげて欲しい。材料(健康な卵子・精子)が揃ったところでそれはスタート地点に立つための準備が揃ったというだけであって、ちゃんとそれを最終形態に完成させるのは私たちの体に格納されている子宮。卵子を凍結させてそのトキを止めたとしても、受精卵を着床させて、育ててっていう10ヶ月のプロセスを行う子宮は、ぬるっと取り出してはい冷凍保存、なんてできないんでチクタクチクタク刻一刻と時間を刻んでいるのです。人生100年時代のくせに35歳になると機能低下の下り坂が始まる臓器を背負わされているのは、神様の設計ミスなのか、人間が長生きしすぎている呪いが全人類の代わりに若い女性に背負わされているのかは分かりませんが、とりあえずその呪縛から完全解放される魔法的手段としての卵子凍結ではないということだけ留めておきましょう(悲しいね)

ポイント2:ていうかむしろ、卵子凍結って全然使えなくない?

きっと前衛的な女子たちの中には「結婚なんて近代社会が作り出した虚構の管理システムよ。私は親友(男)に精子提供してもらって家庭を作る、新時代のパイオニアになるのよ」なんて与党が聞いたら発狂してしまうような脱家父長制的思想をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そんなあなたに悲報なのですが、まずそれは日本ではできません。つーかね、日本では信じられないくらい凍結した卵子の使い道が限られているのです(先に言っておこう、この先衝撃だぜ)

まず前提として、一度取り出した卵子を子宮に戻してセックスをして自然妊娠するっていうのはできないらしいんですね。卵子と精子をシャーレで体外受精させてから子宮に戻さないといけないってことなんですが、この体外受精を行える精子の提供者は、今のところ日本では籍を入れている夫でないといけないらしんです。(はいここ全力で笑いながら日本という国を去ることを検討したくなるところです)

だから、卵子凍結というのは「はい、じゃあ卵子凍結をすることで卵子の質の低下はちょっと長引かせてあげるから、引き続き頑張って夫になってくれる男性探しがんばってね。あ、ちなみに35歳超えると出産リスク高まるからそのタイムライン考えて男性見つけるんだよ?あと離婚っていうのもよくないから、信頼できて心が通じ合って魅力もあって何よりあなたと同じタイミングで子供作りたい!っていう奇跡のタイムライン持ってる人、もしくはあんまりそこら辺に意思や考えがない男性(それが長期的なパートナーとして相応しいかはまた別のはなし)を見つけてね!きっとどこかにいるよ、がんばって!え?難しい?そんな〜それは君に欠陥があるからじゃない?条件が高過ぎるんじゃない?そもそm(略」という社会からのメッセージカードが同時送り付けられる画期的なシステムなのです。ははー

え、まってでもでもよく精子バンクとか聞きますけど?と私も目を点にしてたんだけど、なんと驚き。精子バンクって日本だと民間でまだ始まってなくて獨協大学が22年に開始するかもっていうステータスらしい。詳細は分からないですが上のような規制や「結婚主義」が未だ根強いこの国で、いきなり独身女性に対してもドナー提供を行うとは考えにくいしという悲観的観測をしております。そんなバカなと疑ってGoogle検索を開かれた方もいるでしょう。確かに検索結果に色々でてきますが、あれはね海外のやつだったりグレーなやつだったり、とりあえず今のメインストリームのシステムとしてしっかり舗装されている道ではないんですって。

ちなみに私も本気で考えていた第三者提供(友達から精子ゲット)ですが、今新しい法案を草案中?よくわかんないですが、まあ超超超プラス思考で考えても実現は3~5年は最低かかるという状況らしいです(私の担当医談)

ポイント3:卵子凍結をする意味を自分でちゃんと腹落ちさせるべき

ここまで超シニカルにまとめておきながらじゃあ結局なんでやるんですかっていう話なんですが、それをまじで考えてからやらないと大金を製薬会社と医療法人にただ献上して笑顔になるのは奴ら、涙を流すのは我ら、という許せぬ構造になるのでちゃんと能動的に考えようっていうのが今回のnoteで伝えたかったことです。今現在、定点観測で自分は人生に余裕があるからこんなことを言えるのかもしれないけど、卵子凍結を検討するということ自体が、人生における価値観を再検討するきっかけになると強く思ってるというのが今回の熱いメッセージです。

若さって何かって、自分が描く理想の人生に対してその実現を疑わないことだと思うんです。それを実現できない自分っていうを想像もしたくなかったし、実現できない可能性を全力で潰しにかかるのは評価の対象であり成功への道だとも教えられてきたじゃないですか。ただもう皆さん知ってると思いますけど、努力って年齢が低い頃は強いカードだったのに、大人になればなるほど弱小カードになってる。でもどこかで努力は報われるんじゃないかって思ってるからこそ、自分の理想をどうしても手放せない。しかし本当の意味で大人になるっていうのは、いくらそれが価値があって自分にとってかけがえがないもので、血反吐がでるくらいの努力なんて少しも惜しくないっていうものだったとしても、その欲しいものが手に入らないという実現を受け入れること。理想の自分から切り離されたその絶望の中で、自分が信じてきた価値観を一度ぶっ壊して、もう一度じゃあ何が絶対に譲れないんだっけ?ってゼロから手元にある積み木の重要性を選り分けながら、大切に大切に磨いてきた積み木の一部を泣く泣く捨てていきながら、もう一回自分の価値観っつーものを組み立てて絶望の中に希望の塔を見出すことだと思ってます。

この卵子凍結っていう選択肢を検討するということは、自分に残されているシビアな現実が何なのか知り、恐怖からきている「やらなきゃ」と自分のコアバリューから来ている「やりたい」の区分けができるきっかけになるんだよね。だから私は大切な友達に「卵子凍結を検討すること」を全力でおすすめしています(それはまさに宗教家のごとく)

さ、では私の考えを最後に参考になるかわかんないけどシェアして今回の文章は終わりたいとおもいまーす。

(おまけ:私の理由)

分厚い人生観をここでは全て割愛して、私が想定しているユースケースはこいつら二つ

① 病気になって卵子が作れなく/作りにくくなった場合:例えば子宮内膜症になって卵巣を摘出しなければならなくなるとかって全然あり得るじゃないですか。実際私も3年前にその疑い有りとなって一回頭が狂ったことがあります。保険的な考えに近い利用ケース1

② 今後愛した人が自分が許容できるタイムラインよりも遅めに子供が欲しいと強く願っている場合:子宮の年齢の話があるので、これは私が自分の今ある価値観をひっくり返るほどの愛を知った場合に限られますが、自分のパートナーが私のタイムラインよりもだいぶ遅めに子供を望んでいるケース。自分の価値観がひっくり返るくらい愛している人との大切な日々を、少しでも平穏に過ごせるのであれば、その確率がすこぶる低いとしても私はお金の使い方としてとても意味のある、というかこの上なく意味のあるものはないんじゃないかと思うほど納得感のある使い方だと思ってます。

自分の価値観って刻一刻と変化しているから、将来の自分の幸せなんてお膳立てできないからこそ、将来の自分に対して多くの選択肢を与えることが幸せのキーなのかなと思っているっていうとこからきております

次回はもっとお金のこと、プロセスのことまとめたいと思います。


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