MiTHvsFSの解説とデュエリスト運用についての一考察。

お疲れ様です。餡椪柑です。
今回は前に書いたMiTHvsFSの1試合について書こうと思います。


前置き

先に書いておきますがVALORANT Challengers League Thailand SPLIT2ではXERXIAが優勝しアセンションリーグへの切符を手にしました。
よってここの2チーム、特にFULL SENSE(以下FS)の考察も今更感が残りますがそれでもこの試合はFSの3デュエ編成ということもあり考えて損はないと思っているので記事にします。
正直Made in Thailand(以下MiTH)がローワーブラケットファイナルでXERXIAに負けたことが衝撃ではあります。XERXIAにはエヴァ:eに所属していたLBY選手がいるので、まさか世界の舞台で他の国で活躍する日本人が見られるとはということで今から楽しみです。

本大会におけるフラクチャーの扱いについて

この記事ではVALORANT Challengers League Thailand SPLIT2の中のMiTHvsFS。さらにそのうちのフラクチャー戦について書こうと思います。そのためまずは大会のなかでのフラクチャーについて軽く触れておきます。
本大会のなかでフラクチャーがピックされたのは9回。構成としてはレイズ、ブリーチ、ブリムストーンを軸にした2デュエリストもしくは索敵のできるエージェントを採用した2イニシエーターが多くみられました。

構成について

この試合で使われた構成は前の記事でも紹介しましたが以下の通りです。

RIB.GGより引用

MiTHはゲッコーを採用した2イニシエーター。FSはフェニックスを採用したセンチネル抜きの3デュエリストとなっています。
この2チームはグループステージでもフラクチャーで対戦しているのですがその試合からはお互いに構成を変更しての対戦となりました。

RIB.GGより引用

この時は互いにメタに沿った構成をしています。この試合ではMiTHが13-8で勝利しています。

注目ラウンド

ここからはこの試合の中で注目するポイントのあるラウンドを抜き出していきます。最初のアタッカーはFS。ディフェンダーにMiTHが入ります。

第1ラウンド

まずはピストルラウンド。最初の配置はこんな感じ。

Aサイトをキルジョイに任せてBを厚くしたのがMiTH。FSはジェットがアーケードを進み情報を取りに行きます。

RIB.GGより引用

アーケードを進んだところでレイズがFK。その前にブリムストーン同士で一度接敵していることもありFSはこのままAサイトへダッシュします。
ロープ側へドアを開け進みロープまでのエリアを確保したFS。

ロープを確保しにいったレイズのブームボットによりフェニックスの潜伏がばれてしまったため、ホットハンドで足を止めながらカーブボールで自ら戦いに行きます。

ディジーをもらいつつも二人をさばきますがドアからカバーのために飛び出していたレイズもろとも倒され人数状況はイーブン。しかしFS側の2人はロング設置を終えメインまで引ききっていて、MiTH側のレイズも21という体力ではどうにもならずこのラウンドはFSが取得します。

第3ラウンド

続く2ラウンド目はFSが危なげなくパーフェクトラウンド。ヴァンダル、ファントム、ブルドッグとスペクター2本を丸々持ち帰ることに成功します。
大事な第3ラウンド。FSはAラッシュを仕掛けます。

ロープを取りに来るところをスタンで返しブリーチがジェットをキル。引くためのスモークをもらいますがそこを抜かれサイト内のレイズも1v4は難しく倒されてしまいます。
キルジョイが倒され2v4となったところで最低限の裏どりを警戒したレイズがサイト内の3人に合流。迎え撃つ形をとりました。

サイト内に4人が集まる形

まとまったピークにロープから顔を出していたブリムストーンが落とされそのままゲッコーを倒してこのラウンドもFSのものに。武器がスペクターだったブリムストーンも武器を回収し大きなクレジット差をつけます。

第4ラウンド

MiTHはエコラウンドということもありBスタックの守り配置。しかしFSはドロップを使ったA展開を見せます。

FSはロング設置から今回はAメインを取られないように人数をかけに行きますがMiTHもドアと人数を使った挟みでAメインを取りに行きます。

FSは引いている途中で相手の情報が少なく、スポーンを見ているブリーチが1v2の状況になり倒れ、ドアから出てくるゲッコー、ブリムストーンと合わせて2v4という状況になってしまいます。フェニックスがブリムストーンを落としますが素早いゲッコーのカバーに倒れ、武器差を人数差で埋められてしまいサイトまで戻らされることになります。
ここでCT側に潜んでいたブリーチが飛び出し、FSは射線の多さをさばくことができずMiTHがスリフティを取得。

第8ラウンド

少し飛ばして第8ラウンド。FSがリードを広げて1-6の状況でMiTHのエコラウンド。MiTHはエコラウンドはスタック気味で数で勝負しがちということはここまでのエコラウンドからFSも気づいていました。

第4ラウンドをそのままAに移したようなMiTH

キルジョイとゲッコーを使ってAメインの侵入を止めドアから2人で飛び出すことによってMiTHがFKを獲得。しかしFSはその間にBサイトをドライで進行。設置を完了させます。
ここでFSがよくなかったのは裏詰めをスポーンで警戒していたブリーチと合流するためにジェットとブリムストーンがBメイン、フェニックスがアーケードまで下がってしまったことです。MiTHはオービタルストライクも持っていたのでタワーに残るのもそれはそれで悪手だとは思いますがスモークで分断されMiTHにサイトを取りきられ、加えてFSのジェットはオペレーターだったため撃ち合いへの参加が難しくなってしまいました。
ウィングマンを用いた解除とスモークを駆使しこのラウンドはMiTHのスリフティ。オペレーターもとられFSにとっては痛いラウンドとなりました。

第13ラウンド

攻守を交代した後のピストルラウンドです。ここまで取得ラウンドは5-7でFSがリード。アタッカーになったMiTHはFSとはほぼ真逆の形でドロップを中心に展開します。それに対してAメインを詰めに行くFS。

FSが空けていたエリアにちょうどMiTHが入る形。スポーンまで進行したところで待機していたキルジョイにジェットフェニックスが落とされてしましますがギリギリでブリーチのカバーキル。
ここでロープ側を厚く取りに行ったのがMiTHですがここで嚙み合わせたのはFS、ブリーチがスポーンにいたことで警戒する場所が多かったMiTHをブリムストーンがトリプルキル。

ロープ下に三人が集まっているがロープよりもドアを警戒している。

ドロップに潜んでいたブリムストーンはスモークにより飛び出しを余儀なくされ撃ち負け。FSが取得となりました。


3デュエリストの運用について

今回この試合に焦点を当てて解説記事を書いた理由です。
昔はデュエリストの数を増やした編成はありましたが今ではエージェントの追加などもあり見ることが少なくなりました。
そんなメタ環境の中で3デュエリストを選んだメリット等について考えたいと思います。

フラクチャーのデュエリストと言えば

まずはメタから考えていきたいと思います。
一般的にフラクチャーで使われるデュエリストはレイズが多くジェットorネオンを二人目に持ってくるかこないかというところだと思います。
これはアタッカー側から見たAメインやアーケードなどのクリアリングにブームボットが有効だからという点が挙げられます。
また上記の3エージェントは素早いエントリーが可能な3名でデュエリストの中でもエントリー力が強いエージェントと言えます。AサイトのメインドロップやBメインなどフラクチャーはサイトへの入り口が狭かったり限定的であるため勢いを持ったエントリーが有効で、逆にフェニックスやレイナなどの徒歩エントリー(エントリー力が弱い)しかできないエージェントでは勢いをつけることができず入ってくるところで止められるということも珍しくない点があります。

フェニックスの利点について

フラクチャーの構成としてレイズ+ジェットorネオンという編成は珍しくありません。FSもこの編成に則っています。他との差をつけたのはセンチネルを抜いてフェニックスを採用した点です。
ではフェニックスがいるとどのような動きが可能になるのかについて考えてみたいと思います。
まずフェニックスの特徴はダメージアビリティの豊富さだと思います。ブレイズとホットハンドがありますがそれぞれカーテンとモロトフという形式の違うダメージアビリティということで使い分けができます。
この試合でよく見られたのがBタワーからの射線やロープからの射線をホットハンドを使ってふさぐ方法です。ホットハンドのダメージは馬鹿にならないということもありかなり有用な使い方だと思います。コントローラーがブリムストーンということで限りのあるスモークを節約することもできますし、フェニックス当人にはホットハンドなど関係ないので一方的にフラッシュなどで勝負を仕掛けることができます。


試合を通しての動きについて

フラクチャーというマップは2サイトですがエリアの多さが特徴のマップです。そのためアタッカーとしてはメインに加えてドロップもしくはアーケードから挟む動きが強くよく利用されます。しかし人数を割いた場合コントローラーなどの倒されてしまうと厳しい状況に陥ってしまうプレイヤーも戦いに参加せざるを得ないことが多々あります。
その対策として戦いを仕掛ける/後に引くことが可能なエージェント=デュエリストをつけ自分たちから戦う機会を増やしたのがFSの戦略だったのかなと考えました。
エントリー力のあるレイズとジェットでまずどこか1つのエリアで戦いを仕掛け、勝てればそのままサイトに、負けたのなら逆のサイトへ片方のエージェントを使いエントリー。フラッシュやヒールを備えた自己完結型のエージェントであるフェニックスの配置により相手をかき回すことが可能な編成になっていると思います。
弱点としてはやはりセンチネルがいないため防衛となると止めずらい点があるかと思いますがそこはダメージアビリティを用いて解決していったと思いました。

あとがき

初めてこういう試合の解説記事を書きました。
まだゲームの理解度も深いとは思っていないし文才もないので拙い記事になってしまったと思いますがこういう試合もあったんだと思ってくれたらうれしいです。(ついでにアドバイスなどもくれたら!)
前置きに書いた通りこの2チーム敗退、XERXIAがアセンションリーグに進んでいますが試合を見ることは好きなのでこれからもこういうあまりフォーカスされない試合を見つけて来れたらなと思います。メジャーな試合は様々な方が記事を書いていらっしゃるので。
もちろんSCARZを応援していますがグループを見てみるとかなり厳しい戦いになりそうですね。

お疲れ様でした。

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