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イベントやコンテンツを企画するときに考えていること ~コンテンツ企画のフレームワーク「GCCトライアングル」 ~

どーも。afroscriptです。

先日、現在僕が所属しているmercari社にて「HACK WEEK」という全社イベントを開催しました。

1週間プロダクト開発を止めて、好きなものを好きなようにクリエイティブに作ろうぜ〜というイベントです。まぁ簡単に言うとハッカソンのようなものです。(詳しくはこちら

ハッカソンは通常、Face to Faceで飲み食いしつつ、ワイワイとコミュニケーションをとりながらコードを書くもの(ゆえにクリエイティブなものが生まれるのだと思う)なんですが、

今回はコロナの影響で、オフラインで開催できるか、オンラインで開催しなきゃいけないかのビミョーな瀬戸際を行き来しながらの企画・運営してたので、なかなかに大変でした...。

結局オンラインで開催して無事盛り上がってくれたのでよかったのですが。

※オンライン化するのに苦労したお話は下記の記事に書いたので、よかったらご覧ください:)


で、この記事で書くのは、オンライン/オフラインの話ではなく、企画すること全体についてのお話です。

このHACK WEEKのコンテンンツを企画する際にも使ったフレームワーク「GCCトライアングル」についてです。



そう、「GCCトライアングル」

みなさん、知ってますか?


おそらく...

いや、確実にほぼ誰も知らないと思います。

なぜなら「GCCトライアングル」は、僕が勝手に生み出して、勝手に名付けたやつなので。笑


まぁ、名前はどうでもいいんですが、

僕自身、社会人になって以来、リアルイベント(10名程度〜2000人規模まで)、Webのキャンペーン、記事執筆、ECサイトなどなど、いろんな企画を実施してきました。

その中で、なんとなくこうやると企画がうまく整理できるという方法が確立されてきたので、

ここらで一度、文章化&図式化してみて脳内整理しようというわけです。


全体像

イベントやコンテンツを企画するときに、僕が脳内で考えていることの全体像を図にするとこんな感じです。

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冒頭に出てきた「GCCトライアングル」の"GCC"とは、Goal、Contents、Communicationのことで、

この3つの要素をぐるぐると回りながら企画を練り上げていく方法だったので、新卒3年目くらいの頃に「GCCトライアングル」と勝手に名付けたのでした。

では、この「GCCトライアングル」に沿って、普段どのように企画をしているかを順を追って書いていきます。

ざっくりな手順はこんな感じ。

①目的とゴールを整理する
②コンテンツを雑に、そして、自由に考える
③ターゲットのペルソナを具体化する
④GCCトライアングルで、コンテンツをちゃんと考える(設計する)

①目的とゴールを整理する

何をするにしてもまずはここは明確にしましょう。

コンテンツを企画するときは、何かすごく画期的なideaが出てこないか?と意識がよりがちですが、一番大事なのは目的とゴールです。

どれだけおもしろそうなideaが出ようと、やる意味と目指す場所がなければ、企画中に空中分解するか、実行したあとに、「で、君は結局何がしたかったの?」と言われておしまいです。

何のためにやるのか?どんな状態になれば目的を達成したと言えるのか?

それをまずは明確にしましょう。

そのあとに、ブレスト等でコンテンツを考えていきます。


ただし、目的とゴールが、なんだかうまく言語化できないときは、逆の順序で、なんとなく頭にあるコンテンツ案を書き出したり、ブレストしてみたりして、その後に目的とゴールを整理することもあります。

雑にコンテンツを考えていると、自分がやりたかったことを言語化しやすくなるからです。(個人談)

なお、このパターンの場合は、コンテンツに目的とゴールが引っ張られないように気をつけてください。

先にブレストしてしまって、よさげなideaが出てきて、それを実行したいがための目的やゴールを設定してしまう、なんてことも起こりうるので、注意が必要です。


②コンテンツを雑に、そして、自由に考える

目的とゴールを明確化したら、一旦そのことは忘れてください。

そして脳内から余計なしがらみや理性を捨てて、自由な発想で、ブレスト4原則を胸に、とにかくおもしろいideaをいっぱい出しましょう。

<ブレインストーミングの4原則>
- 結論厳禁(判断・結論を出さない)
- 自由奔放
- 質より量
- 結合・便乗推奨

※ブレスト is 何?? って人はwikiをどうぞ

4原則の中で一番重要なのは、圧倒的に「質より量」の項目です。量を求めれば他の3つの原則は自然とできます。

個人的には、「10分以内に100個idea出すぞ!」って感じで、制限時間と目標の設定をするのがオススメです。


ちなみに、ブレストは人数多い方がいいです。社内のおもしろい人、ideaマンを召喚するようにしましょう。


もちろん、ブレストは1人でも十分できます。

1人でやるときは、いきなりブレストに入る前に、10~15分くらい参考になりそうな事例を検索してみたり、おもしろい企画事例に触れてテンションをあげてから行うのをオススメします。

下記のサイトなんかは、秀逸なキャンペーン事例がたくさん乗ってテンション上がるのでオススメです。

あと、普段からマンガとか映画とか、なんでもいいんですが、自分の好きなコンテンツにいっぱい触れて引き出しを増やしておくのがいいと思います。


③ターゲットのペルソナを具体化する

さて、おもしろそうなideaがたくさん出てきたら、次は妄想タイムです。

ここらで一旦、ターゲットのペルソナイメージを具体化しておきましょう。

自分が今企画しているコンテンツは誰に向けたものなのか?その人はどんな人で、どんなことを考えているのか?などなど。

ペルソナのつくり方の話は、他にいろんな記事や本があると思うので、ここでは詳しく書きませんが、

ターゲットのことを、5〜10個ほど箇条書きで表現してみたら、そこそこの解像度のペルソナができあがるので、十分かと思います。

雑な例を書くと、

・27歳女性、Web系企業で働く会社員
・人事部で新卒採用している
・仕事が好きで、多少の残業は気にせずバリバリ働く
・が、プライベートも充実させたく、仕事が終わりや休日は友達とよく飲みに行ったり、ランチに行ったりする
・美容への興味が強く、インスタでインフルエンサーの投稿をよく見ている
・最近のブームは腸活。朝起きたらまず白湯を飲み、フルーツがたくさん入ったヨーグルトを食べるにが日課。
・付き合って2年になる彼氏がいて、そろそろ結婚を考え始めている

ってな感じです。

(どこまでペルソナを詳しく書くかは、企画の種類や大きさ、スケジュールなどによると思います。もっと雑にペルソナ設定するなら、例えば「イベント参加のモチベーションが高い人」「まぁまぁな人」「低い人」くらいの粒度でも十分企画できることもあります。)


あるいは、実在する人(身近な人や実際の知り合いなど)をターゲットのペルソナとして設定するのもオススメです。

最近、僕が兼業で運営している"GIFT & LEATHER"というレザーのブランドで、新商品を出しましたが、その商品のターゲットのペルソナは僕の嫁です。嫁ならどんなものを欲しがるだろうか?を考えて作りました。

実在すると、困ったときに実際の意見を聞けるという大きなメリットもあります。


④GCCトライアングルで、コンテンツをちゃんと考える(設計する)

おもしろそうなideaと、ターゲットの具体的なイメージが揃ったら、ここからはパズルです。ようやく「GCCトライアングル」も出てきます。

先に示した全体像の図をもう一度確認しましょう。

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ブレストで出したideaたちを、この図の左の「小コンテンツ」のとこに並べていきます。ターゲットがコンテンツを体験する時系列順に、です。


そして、その小コンテンツは「メッセージ」を持っているはずです。

それをやることで、自分はターゲットに対して何かを伝えたいはずです。何かを感じてほしいはずです。それがここで言う「メッセージ」です。


そして、その「小コンテンツ」を実行し、メッセージを伝えたとしたら、実際にターゲットはどんなことを思うでしょうか?どんなことを感じるのでしょうか?

それが図の右側の「ターゲットの感情」の部分です。


そして、「小コンテンツ」が連なったものが「コンテンツ」全体になり、その小コンテンツにより生み出されるターゲットの一連の感情が「コミュニケーション」です。


さて、ideaたちを並べてみて、それが生み出す感情たちを書いてみたら、ゴールに立ち返ってみましょう。

最後に書いた「ターゲットの感情 Z」はちゃんとゴールに書いた状態を満たしているでしょうか?


満たしてなければ、「小コンテンツ」を増やしてみたり、削ってみたり、ちょっと変えてみたりして調整します。

逆にゴールに到達するには、ターゲットにどんな感情を抱いてもらう必要があるだろうか?という視点から考えることもあります。

そうしてGoalとContentsとCommunicationをぐるぐる周り、それぞれがきれいに繋がった上で、「感情Z」がゴールの状態を満たしていればコンテンツは完成です。


具体例でやてみる

ちょっと話がフワッとしてしまったと思うので具体例。小さい例でやりましょう。

さきほどのHACK WEEKの初日に、HACK WEEKのオープニングイベントを開催しました。

これを題材にやってみます。(HACK WEEK全体の企画ではないです。オープニングイベントだけの企画が題材です)

このイベントの目的は「これから始まるHACK WEEKへのモチベーションをあげること」

ゴールは「社内エンジニアが、HACK WEEKに対してやる気に溢れた状態になること」

ペルソナは、粒度低めに「すでにモチベーションが高い」「まぁまぁ」「低め」と設定しました。

で、具体的なコンテンツと感情フローを書くとこんな感じ。

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※オンライン化の影響などにより、実際のオープニングイベントで行われた内容とはけっこう異なります

文字小さいですが、こちらのシートから詳しく見ることができます。

ついでに自由に使える空のフォーマットも上記シートに用意しておいたので、よかったら使ってください。


イベント規模が大きくなると?

今回は分かりやすいように30分で終わる小さなイベントを例にしましたが、コンテンツの規模が大きい場合は、全体の目的やゴールを設定し、それを小さな目的とゴールに分け、それぞれに対してこのような表を作成していくとうまくいきます。

小さなGCCトライアングルがいくつか合わさって、大きなトライアングルになるイメージです。

実際、今回のHACK WEEKでは、事前の関連イベント等もあったので、それぞれに対してこのような表を作成し、全体としては、社内での告知を開始した2月中旬からHACK WEEK終了の3月末分までのコンテンツと感情のフローを書いていました。


まとめ

僕が我流でやってきた企画の方法「GCCトライアングル」を紹介しました。

我流とは言っても、いろんな企画系の本を読んだ上で自分の中に整理したものなので、それなりに方法として成り立っているんじゃないかと思います。

この方法が他の人にもフィットするものなのかどうかはよく分かりませんが、よければ様々な企画を楽しむみなさんの参考になればうれしいです。:)

それではまたどこかで。

長文お付き合いいただきありがとうございましたmm


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仕事関連の記事は他にもいくつか書いているので、よければどうぞ:)


最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたお布施は、嫁と子どもにおいしいものを食べさせてあげるか、僕がアフロにするための資金にさせていただきます。