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誰も教えてくれない客室清掃の世界

実は劇団時代、ビジネスホテルのベッドメイクを3年やった。15分で一部屋(ベッドメイクと浴室清掃、アメニティセッティング )をやってた。土日は20部屋くらいやる。シングル以外のツインもダブルもトリプルもやったな。

土日は福岡ドームの観客やライブのお客さんで稼働があがり忙しいですが、平日は稼働が低く清掃時間(勤務時間)が3時間で終わる日もあります。そういう日は共用部分の清掃をしたり、近隣の高級ホテルにヘルプで行く日もあります。ただしビジネスホテルと高級ホテルだとベッドタイプが異なりシーツの組み方や仕上がりのクオリティがかなり求められます。

福岡にいた頃は実家だったから良かったですが、客室清掃は月の収入は約10万くらいなので、主婦や学生バイトが多かった。しかも結構ハードな仕事なので、体力がある方でないと仕事はもちません。ちょっとふくよかな女性が半年でかなり痩せたりしたので、仕事でダイエットしたい方にはいいかも。

客室清掃してるといろんな出来事にも遭遇します。ひとつの客室にはひとつのドラマもあるんだなと感じます。

例えばチェックアウト時間過ぎても出て来ず、そのまま立て篭り騒動を起こし、ワンフロア警察が封鎖したり、韓国から来たロングステイのお客さんは浴槽でキムチを漬け込んでいたらしく、しばらく匂いが消えず、しばらくその部屋は売れませんでした。インドか中東か忘れましたが部屋中エスニックな香りと床中にナッツを散りばめたままチェックアウトして帰った人もいました。

忘れ物も様々で下着や大人のおもちゃとかも不思議じゃありません。どこで何があったのか血まみれの服をゴミ箱に捨てられたことありました。働いてるメンバーは10代の高校生から70代のおばあちゃんまで幅広くいるんですが、スタッフ同士で不倫というのもありました。

見た目は地味だけど、かなりハードな仕事でチェックインまでに全室を仕上げないとフロントに怒られるので、バイトが1人2人休んだら、みんな汗だくでバタバタと仕上げていきます。ヘルプで行ったグランドハイアットは、ベッドメイクの基準が厳しく、シーツを張り10円玉が跳ねるくらいにしないといけません。高級ホテルのベッドメイクができる人はプロ中のプロです。
どこかのホテルに泊まって客室清掃の方を見かけたら、一言声かけてもらえると喜んでくれると思います。たまにお客さんに手紙をいただいたりすると、みんな喜びます。

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