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【弁理士試験】#006 法的三段論法完全ガイド

本日は、この弁理士試験noteシリーズのハイライトである「法的三段論法」についてお話いたします。

この記事の後半では、簡単に法的三段論法で書くことができるテンプレートをお伝えします。

「法的三段論法」って知ってる?

僕も理解できていなかった法的三段論法

法学部出身の方は当然耳にしたことがある言葉でしょう。しかし、理工系出身の方の中には、聞いたことがないという人もいるかもしれません。
理工系出身の僕も、漏れず、弁理士試験の勉強ではじめて知った言葉です。

しかし、正直なところ、僕が弁理士試験受験生時代に使っていた法的三段論法と、今になってマスターにした法的三段論法は、実は全く異っているのです。

どう異なっているか?
まずは、弁理士試験受験時代の僕の理解を探ってみましょう。

僕が勘違いした法的三段論法

法的三段論法をググると、信頼できそうな大学が公開するサイトには以下のような解説があります(他の解説をみても、だいたい同じことが言われています。)。

教科書的な説明によれば、法的三段論法とは、「適用されるべき法規範を大前提とし、具体的事実を小前提として、この2つの前提から判決を結論として導き出す推論形式」とされている。一般的な三段論法とは以下のようなものである(表1)。

【表1】法的三段論法
大前提:全ての人間はいつか必ず死ぬ。
小前提:ソクラテスは人間である。
結論:ゆえにソクラテスはいつか必ず死ぬ。

これを法律学に機械的にあてはめると以下のようになる(表2)。

【表2】法的三段論法・オリジナルバージョン
大前提:規範(一般的・抽象的な命題)
小前提:事実
結論:あてはめ

法科大学院の教室における2つの法的三段論法

つまり、弁理士試験の答案では、表2のとおりに書くということになりそうです。

それでは、表2を前提に、例えば、発明A「地球表面全体を紫外線吸収フイルムで覆う方法」が、特許を受けることができるか、法的三段論法で検討するとします。

大前提:産業事業上利用可能な発明は特許を受けることができる
小前提:発明Aは産業上利用利用不可能である
結論:発明Aは特許を受けることができない

どうでしょうか?これは一応、表2のとおり、法的三段論法の形になっていませんか?

僕は、法的三段論法をこのように理解し、答案を書いていました。
(そう、僕は法的三段論法を理解しきらない状態で弁理士試験を突破してしまったのです。)

しかし、今になってよく分かります。
これは弁理士試験の答案で求められている論述でありません。

なぜなら、上記の小前提である「発明Aは産業上利用利用不可能である」という点に、発明A=産業上利用不可能であるという論理の飛躍があるからです。

勘違いの原因:法的三段論法は「書き方」と捉えてしまったこと

僕の勘違いの原因は、法的三段論法を答案の「書き方」と思ってしまったことにあると分析しています。つまるところ「こう書けば採点官が読みやすい」といった単なる答案作成ハックと捉えていたに等しいといえます。

なので、「法的三段論法なんか簡単、というかむしろ当たり前」なのに、なぜ色々な先生が「法的三段論法で書くことが大事」と口を揃えていうのか疑問でした。

法的三段論法は論理的思考プロセスの名前

しかし、法的三段論法は「書き方」ではないことに気付きます。
まず、ロースクールに入学し、はじめて書いた知財法以外の期末試験の答案について、有名な教授から「論理的な流れが全くできていない。法的三段論法を意識しましょう。」とコメントで指摘されます。

僕は内心、「いや、法的三段論法で書いてるし!」と思い、恐る恐る先生の部屋を訪ねました。

そこで次のようなことを言われたことを明確に覚えています。

「君の答案は、形式的には法的三段論法になっているのかもしれない。しかし、何を勘違いしているのか、法的三段論法とは答案の書き方ではなく、論理的思考のプロセスの名前である。正しく法的三段論法で書けば、つまり、それは論理的文章になるはずである。君の答案は、正しい法的三段論法ではないから、論理的文章ではない。」

そうだったのか… 自分の大きな勘違いに気付いた瞬間でした。

そうです、法的三段論法とは、論理的思考プロセスのことなのです。

弁理士試験で求められる法的三段論法の使い方

先の例で、以下の論述は、小前提に論理の飛躍があるため、論理的な文章ではなく、弁理士試験の答案で求められた法的三段論法の使い方ではないと言いました。

大前提:産業事業上利用可能な発明は特許を受けることができる
小前提:発明Aは産業上利用利用不可能である
結論:発明Aは特許を受けることができない

つまり、答案で求められていることは、この論理が必要な点である上述の小前提を論理的に思考するということです。この小前提の中身を法的三段論法で記載する必要があります。

したがって、先の例で、弁理士試験の答案で求められる法的三段論法を使った論述は以下のとおりになります。

大前提:産業事業上利用可能な発明は特許を受けることができる
小前提:発明Aは産業上利用利用不可能である
大前提:技術的観点から事実上実施できない発明は産業上利用不可能
小前提:発明Aは技術的観点から事実上実施できない
結論:発明Aは産業上利用不可能
結論:発明Aは特許を受けることができない

このように、法的三段論法を論理的な思考が必要な場所に対してピンポイントに用いることで、論理の飛躍がない論理的な文章ができあがります。

つまり、弁理士試験で求められる法的三段論法とは、答案全体の書き方ではなく、論理的な説明が必要な点に、大前提→小前提→結論といった論理的思考プロセスを適用して答えを出すことを言います。

法的三段論法が必要な点はどこ?

この弁理士試験noteの#004では、法律の条文は非常に抽象的に記載されており、具体的な事案に対して条文を適用しようとした際、その文言を「解釈」しなければならないことをお伝えしました。

だんだん見えてきませんか?
そうです。まさに、この条文の文言をそのまま適用できないからこそ、論理の飛躍をはさまず、論理的に適用できることを説明する必要があります。ここが、法的三段論法を使うべきポイントです。

法的三段論法を「今」マスターする意味って?

採点者は論理をみている

司法試験では、毎年採点者が雑感をまとめた採点実感が公表されます。そこには、優秀答案の例について、毎年のように、論理的な論述がされている答案であることが書かれています。以下がその例です。

事実関係を的確に分析した上で、出題の趣旨に示した主要な問題点について検討を加え、法解釈論を展開して判断の基準となる規範を定立し、問題文に現れた事案の特徴を捉えた上で事実を具体的に評価して当てはめを行い、理論構成について論理的に矛盾のない論述がなされている答案などである。

弁理士試験には採点実感の公表がないものの、同じ法律の論文式試験であり、かつ、採点者に弁理士だけではなく弁護士や法学者がいることから、司法試験と同じように、論理的な論述がされている答案が優秀答案になることは間違いないと考えてよいでしょう。

そして、この論理的な論述こそが法的三段論法を使った答案です。

わかっていない弁理士も多い

あなたは弁理士試験の合格者から添削を受けたことがあるかもしれません。
しかし、昔の僕のように、法的三段論法で書けなくとも、弁理士試験に受かることはできます。なので、あなたを指導している師匠も、法的三段論法ができていない可能性が大いにあります。

(実務では、例えば、訴訟の主張書面では裁判官を説得するために論理的な主張が必須です。主張書面については、弁理士の先生が書いたドラフトを、弁護士の先生が大きく修正する場面によく出くわします。どのような修正がされているか確認すると、内容ではなく、主張の論理的な構成を変えていることがほとんどのように感じます。偉大な弁理士の先生であっても、法的三段論法が必ずしもできているとは限らないため、今回、法的三段論法をマスターしたあかつきには、自身が受ける添削についても注意深く確認していただきたいです。)

そんな偉大な弁理士の先生でもできていない可能性がある法的三段論法を、覚えることが多い受験生の「今」、あえて習得する必要があるのでしょうか?

法的三段論法を「今」勉強する意味

僕は弁理士試験の受験前に法的三段論法をマスターする意味は絶対にあると考えています。
まずは、法的三段論法をマスターすれば、上位合格を狙えることです。
司法試験の採点実感でも示されてるとおり、論理的な思考には必ず高得点が付くでしょう。

しかし、僕が法的三段論法を推す最大のメリットは、見たことがない問題・論点に出くわしたときであっても、答案が書けるということです。

みなさんは問題を解いていて、毎回1問や、2問、どのように解答したらよいか全くわからない論点が出題されるといったことに悩んだことはありませんか?(僕はあります…)

しかしそれに怯える必要はありません。もっと正確にいえば怯えても仕方がないことです。なぜなら、弁理士試験は、解答者の得点分布を作るために、必ず難しい論点が含まれるようにできています。あなたが一握りの天才でない限り、いくら勉強しても、必ずそのような問題と出くわす運命です。

この点、法的三段論法をマスターしていれば、知らない論点であっても、その場限りで論理的な思考プロセスを駆使し、ある程度の正解に到達することができるのです。

(世にある法律の解釈の正解とは、優秀な先人たちが、論理的なプロセスに基づく主張をギリギリのところで戦わせ、最終的には裁判所が判断したものです。つまり、論理的なプロセスを経ていれば、その正解に自然といきついてしまいます。)

つまり、法的三段論法をマスターすることで、「全く分からなかった」という問題を無くすことができます。

また、これは安定した点数で合格に近づくというメリットに加えて、「何が出ても解答できる」という精神的な力をあなたに与えてくれます。

弁理士試験では精神のコントロールも非常に重要です。

(また、合格したあと、弁理士として仕事をする際は、出願の意見書、審判、訴訟、メールでの回答等、すべての場面において論点的な文章を書けることがプロフェッショナルとしての質を高めてくれます。マスターして損はありません。)

法的三段論法をパパっと書く方法

前置きが長くなりましたが、本日、みなさんには法的三段論法の書き方をお伝えします。

あれ?法的三段論法は書き方のことではないと上で言ってなかった?
そのとおりです。しつこいですが法的三段論法は書き方ではありません。論理的な思考プロセスです。

しかし、今からお伝えする書き方にならって論述するようにすれば、論理的な思考が必須であり、結局は法的三段論法がいう論理的な思考をせざるを得ないはずです。

なので、あえて、皆様には法的三段論法の書き方をお伝えします。

法的三段論法のテンプレート

まずは下記のテンプレートを暗記してください
オリジナリティある表現は、このテンプレートが書けたあと、自分でいくらでも磨けます。まずはこれです。

黒字のところが答案で記載する部分になります。

図1 頭に刻み込むべき言葉運び

それでは、実際の書き方をお伝えするために、先ほどの発明A「地球表面全体を紫外線吸収フイルムで覆う方法」が特許を受けることができるか、という例を使って説明します。

ステップ(Ⅰ):問題提起

ステップ(Ⅰ)は、問題提起といわれる部分です。
「~なところ」で、問題とならない条文の文言や、条文上の取扱いを説明します。
そして法的三段論法で論ずるポイント(弁理士試験においては、ほとんどすべての場合、条文の具体的な文言になるでしょう。)を『●●』にいれます。
記述は以下のとおりになります。

ステップ(Ⅰ)
産業上利用できない発明は特許を受けることができないところ(29条1項柱書)、発明Aが「産業上利用可能」といえるか、「産業上利用可能」の意義が問題となる。

ステップ(Ⅱ・Ⅲ)趣旨と例外

ステップ(Ⅱ)は、法的解釈に必須な、条文の『趣旨』です。
弁理士試験では、『趣旨』を書く際、圧倒的に「(・・・)をもって、(XXX)を保護する点にある。」という表現をつかうとうまくいくことが多いきがします。この「(・・・)」には手段が入り、「(XXX)」には法律上の利益(専門用語で「法益」)がくると納まりがいいように思います。

※趣旨は、#004でもお話しましたが、青本を覚えるのではなく、この枠に入るよう自分で都度考えてカスタマイズするのです。

他方で、趣旨で法益の保護を書くと、必然的にありとあらゆるものが含まれるニュアンスが出てしまいます。そこで、ステップ(Ⅲ)は、「趣旨」の例外を記載記載し、「趣旨」の範囲を限定すると納まりがよいです。これの例外は反対利益と呼ばれることもあります。

記述は以下のとおりになります。

ステップ(Ⅱ)
そもそも、特許法29条1項柱書の趣旨は、産業上利用可能な発明に特許という独占を付与しこれを公衆に公開することをもって、発明者に対してインセンティブを与えつつ公衆に利用の機会を確保し、産業の発達を保護する点にある。

ステップ(Ⅲ)
もっとも、技術的観点から事実上実施できない発明に独占権を付与し、公開したとしても、公衆が利用できないことから、産業の発達の保護には寄与しない。

※弁理士試験では稀ですが、ある取り扱いについて、ステップ(Ⅱ)で必要性を書き、ステップ(Ⅲ)で相当性を書いたことがしっくりくる場合もあります。これはいずれ説明します。

ステップ(Ⅳ):モノサシ

つぎは、規範定立です。
本件を判断するモノサシを提示します。
このモノサシこそが、「趣旨」たどって、「法解釈」の結果生み出されるものであり、教科書的な法的三段論法のいう大前提です。

このモノサシは事案ごとのオーダーメイド品であり、具体的な事実によって表現は異なります。なので、同じようなことを言っていても、事案ごとに表現が異なるはずです。
つまり、青本を含め、どこの本をみても同じ表現のモノサシは載っていません。

※逆に、どのような事案でも対応できる万能なモノサシがあるのではないかと思った人もいるかもしれません。しかし、それこそ、モノサシの抽象度をあげる他なく、抽象的になればモノサシにあればなるほど、事案に当てることができない条文に戻ってしまいます。つまり、そんな事案を測ることができないモノサシを提示しても意味がないのです。

(個人的なこだわりですが、規範はあくまでも具体的な事実に当てるものであるということを強調するために、「モノサシ」という言葉を好んで使ってます。)

ここで重要なことは、上で書いた、モノサシと、ステップ(Ⅱ・Ⅲ)との整合が取れているかです。むしろ、逆の視点で、モノサシを決めてから、しれに合うような趣旨・例外を記載することも有用です。

※産業上利用可能な発明として医療行為が含まれるかという論点があります。今回の例題の事実では、技術的な実施可能性のみが問題となり、医療行為は全く問題となり得ません。つまり、モノサシの提示においては、医療行為が除かれるような要件を提示する必要もなければ、ステップ(Ⅱ・Ⅲ)の趣旨・反対利益の記述の際に、医療行為については全く触れる必要はありません。

モノサシでは、ある要件を満たす場合には、効果が発生する(このように判断される)ことを意識して記載することが重要です。
今回の例では、ある要件を満たす場合は産業上利用可能と判断されること(結果)を端的に表せばよいでしょう。

記述は以下のとおりになります。

ステップ(Ⅳ)
そこで、「産業上利用可能」とは、技術的観点から、事実上実施できる発明を意味すると解する。

※モノサシの表現のコツですが、別の案文として、「そこで、『産業上利用可能』とは、技術的観点から、事実上実施できない発明は含まれないと解する。」と、否定形のモノサシを提示した方があてはめやすい場合もあります。正解はありませんので、柔軟に考えてみてください。

ステップ(Ⅴ):あてはめ

ステップ(Ⅴ)は、あてはめといわれる部分です。
「具体的な事実に足する法令の適用」を問う弁理士試験において、「法解釈」と並び重要となるのがこの「あてはめ」です。
「あてはめ」では、問題文で提示された事実を、自分の言葉で評価する必要があります。なお、弁理士試験の問題では、あてはめに用いる事実が少ないことも多く、詳細に論ずることが難しいことが多いですが、可能な限り検討を尽くすことが望ましいです。

記述は以下のとおりになります。

ステップ(Ⅳ)
本件についてみると、発明Aの「地球表面全体を紫外線吸収フイルムで覆う」ことは、非常に巨大な表面積のフィルムを生産する必要があり、かかる点で、今日の技術からは事実上準備することはできないといえ、発明Aは技術的観点から事実上実施できない発明にあたる。

なお、「あてはめ」においては、モノサシとの整合を図ることが非常に重要です。上記例では、モノサシに「技術的観点から」という言葉を使った以上、あてはめにおいても、「今日の技術からは」準備できないと、平仄をあわせています。モノサシの整合がない場合は、法的三段論法の書き方を使っても、結局は論理の飛躍があり、論理的思考ができていないことになり、意味がありません。

ステップ(Ⅵ):結論

最後にステップ(Ⅵ)の結論を書きます。ここの解説は不要でしょう。
全体は、以下のようになります。
なお、この結論は、法的三段論法の結論であり、問いへの解答は別途必要なので、忘れないようにしましょう。

ステップ(Ⅰ)
産業上利用できない発明は特許を受けることができないところ(29条1項柱書)、発明Aが「産業上利用可能」といえるか、「産業上利用可能」の意義が問題となる。

ステップ(Ⅱ)
そもそも、特許法29条1項柱書の趣旨は、産業上利用可能な発明に特許という独占を付与しこれを公衆に公開することをもって、発明者に対してインセンティブを与えつつ公衆に利用の機会を確保し、産業の発達を保護する点にある。

ステップ(Ⅲ)
もっとも、技術的観点から事実上実施できない発明に独占権を付与し、公開したとしても、公衆が利用できないことから、産業の発達の保護には寄与しない。

ステップ(Ⅳ)
そこで、「産業上利用可能」とは、技術的観点から、事実上実施できる発明を意味すると解する。

ステップ(Ⅴ)
本件についてみると、発明Aの「地球表面全体を紫外線吸収フイルムで覆う」ことは、非常に巨大な表面積のフィルムを生産する必要があり、かかる点で、今日の技術からは事実上準備することはできないといえ、発明Aは技術的観点から事実上実施できない発明にあたる。

ステップ(Ⅵ)
したがって、発明Aは、産業上利用可能な発明といえる。

(法的三段論法外の問いへの回答)
よって、発明Aは、特許を受けることができない。

法的三段論法を練習しよう

以後、みなさんは、上述の例のとおり、法的三段論法使って練習してみてください。

特に、テンプレートの太字になっている接続詞に着目していただきたいのですが、上記論述例では、テンプレートの接続詞がそのまま使われています。

みなさんも、最初は、この接続詞をヒントに、上記テンプレートを極力アレンジせず、そのまま使って、書いてみてください。

アレンジをしないようお願いする理由を説明します。

法的三段論法で最も重要なポイント

しつこいですが法的三段論法は書き方ではありません。
論理的な思考プロセスです。

したがって、本来であれば、書き方を覚えたところで、法的三段論法をマスターしたとはなりません。

この点、さきほど、このテンプレートにならった書き方をすれば、論理的な思考が必須であり、結局は法的三段論法がいう論理的な思考をせざるを得ないはずとお話しました。

これは少し語弊がありました。論理的な思考をするには、もう一工夫必要です。

法的三段論法をマスターする上で最も重要なことは、ステップの各論でも述べたたおり、以下の①と②のプロセスについて、論述が整合しているかを吟味することです。

①ステップ(Ⅱ・Ⅲ)趣旨・例外  ステップ(Ⅳ)モノサシ
②ステップ(Ⅳ)モノサシ  ステップ(Ⅴ)あてはめ

①については、モノサシに趣旨・例外が反映されているか、逆にモノサシを導くには関係のないことが趣旨・例外で述べられていないか、両方向からチェックしてください。
②についても同様です。両方向からチェックしてください。

※テンプレートの表現を調整することで、前後のつながりの響きをよくするという逃げ道があります。しかし、最初は響きに気をとらわれず、内容のつながりを確認していただきたいです。

※この点、裁判例は、接続詞こそ違えど、全てこの法的三段論法で書かれています。時間に余裕があればですが、このような視点を意識して読んでみてください。

この整合を取れるようになれば、どんな問題であっても、論ずることができます。

その、この前後のつながりの緻密さこそが、まさに「法的三段論法」なのです。






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