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8.バイカル湖のほとりで

イルクーツクの街を抜けるとだんだんと民家が減り、森のなかへと道は続いていた。バスから外を眺めていると見える、涼しい夏の木々にときおり白く浮かぶ白樺の美しさを持って帰りたかった。
白さに見とれている間に、バイカル湖が見えてきた。前日に列車内から眺めているので1日ぶりだ。

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長さ600km、最大の幅は80km。日本で言えば、日本海側を青森から福井まで届く大きさ。定義上は湖だけど、これは大河だ。まるで河口付近を見ているようで、そのままどこかの海へ繋がっているような気がしてしまう。
実際には、300以上の川が流れ込んでいるけれど、流れだすのはアンガラ川1つだけ。エニセイ川に繋がり遠く北極海へ流れ込む。
バイカル湖はとても澄んでいて、生活用水として利用されているみたいだった。


到着したら、まずは宿の確保だ。もう夕方に差し掛かっていたけど、多分なんとかなるだろうという気安さで。そして運良く見つかった宿は、少し坂を登ったところにあって、見晴らしの良い家族向けの部屋だった。シングルベッドが5つくらいあるけど、贅沢にひとりで泊まる。

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宿が取れたら、次は食料の確保だ。マーケットがあったのでそこでオームリО́мульという白身魚の燻製を食べ、その晩は遠雷を聞きながら眠った。


翌朝はバイカル湖沿いを散歩しながら、バイカル湖博物館を目指す。昨日透き通っていた湖は、昨晩の嵐のせいか、濁ってしまっていた。

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散歩を終え、夕方に行きと同じバスでイルクーツクの街へと戻った。もちろんそこにあの男の影はなかった。






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