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自分の顔に合ったマスクをつくる

隣国が風邪を引いたら,自分自身の生活必需品の入手もままならない.そういう世界にいま我々は生きているのだと,この新型ウィルス騒動でつくづく思い知らされる.

さすがにトイレットペーパーは店頭から消えてしばらくで,すぐに戻ってきたが,除菌できるウェットティッシュやマスクが全く手に入らなくなった.増産すれば良いようにも思うけれど,医療現場での消費が尋常ではなく追いつかないという.

日本製のマスクは海外工場では横流しされるくらい人気だという噂も流れてきた.マスクを常時付ける文化があって,新型ウィルスによる死者の数が海外の100分の1しかないとなると,日本製マスクの人気が出るのも道理かもしれない.

そのな脆弱なサプライチェーンの上で暮らしている我々だけれども,一方で無いなら自分で作るという精神もまだ生きていて,ハンカチやキッチンペーパーでマスクをつくる人が大量に現れた.YouTubeやSNSであっという間にそういう情報が世界に広がる時代でもある.

とあるメーカーが3Dプリンターでマスクを作ってデータを公開した.3Dプリンターなら私の手元にあるではないか.早速プリントしてみたら,どうも自分の顔の形に合っていない.顔の断面は,鼻から頬骨にかけての線がいちばん凸凹しているので,そこからスースーと呼気が抜けてしまう.これではウィルスどころか,掃除のときのホコリさえ遮ることができない.

3Dスキャナーで顔の形をスキャンして,マスクの形をデザインする人も現れた.動画を見せてもらうと,自分にとってはかなり手間のかかる作業に見える.もっと少ない制御点でマスクの3次元的曲面の形をデザインできないものか.それができればパソコンのマウスでマスクの形を自分の顔の形に合わせてデザインできる.

前置きが長くなってしまったが,NURBS曲線を使ってマスクを設計してみた.

https://github.com/HondaLab/My3Dmask/

鼻から頬骨にかけてのラインは数個の制御点で表されているので,マウスで押したり引っ張ったりするだけでマスクの形を編集できる.

Blenderというフリーのモデリングアプリを使っているので,パソコンがあるならどなたでもダウンロードしてマスクデータを編集でる.

https://www.blender.org/download/

隣国が風邪を引いたら,数カ月後に自分のモデルング技術が向上していた.変化の激しい時代ではあるけれども「人間万事塞翁が馬」という諺もまだいきているようだ.



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