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カフェインを4年間も避け続けた私に溢れる、コーヒー愛

カフェインを4年間も避け続けたのには、ちゃんと理由がある。
そして、なぜまたコーヒーを飲み始めたのか、というのにも。
週末に美味しいコーヒーと出会ったので、この機会に、そのコーヒーの紹介も兼ねて私の「コーヒー愛」を語りたい。

カフェインを4年間も避け続けたワケ

理由は、パニック障害になったから。
「パニック障害」はメディアを通してかなり認知されてきて、どんな病気か知っている人・病名だけなら耳にしたことがある人は多いだろう。「なにそれ?」と首をかしげたキミには、ぜひこの機会にググッてみることをお勧めしたい。

私の場合、パニックという極度の緊張状態に陥る発作を繰り返すうち、体内の交感神経がどんどん過敏になっていった。ちょっとした刺激(ストレス)で心拍数が跳ね上がり、冷や汗が出るのだ。

心が健康な人も交感神経が急に活発になることはあって、車を運転中に突然人が飛び出してきて「あ!」と急ブレーキを踏んだ瞬間や、いきなり携帯の地震アラートが鳴って「え?!」と焦る瞬間をイメージしてもらえれば、分かりやすい。心拍数が跳ね上がって、背筋がサッと凍り、手のひらに冷や汗をかく――そんな瞬間を。

交感神経が過敏になると、信じられないほどちょっとした刺激に体が反応するようになる。階段で2階へ移動するのも、半分上っただけで心臓はバクバク、はぁはぁと息切れするのには、本当に参ってしまった。

そんな状態で交感神経を刺激するカフェインを飲むと、当然のごとく心臓がバクバクする。
だから私は、パニックを発症してまもなく、カフェインを含む物は一切飲まなくなった。

カフェインを一切摂らない

カフェインを一切摂らないとなると、飲み物は思った以上に限定される。
最近になって「カフェインレス」とパッケージに書かれたペットボトルを見かけるようになったけれど、その種類は少ない。
炭酸飲料水やフルーツジュースを日常的に飲む人であれば選択肢は多少広がるが、そういうものを水代わりにガブガブ飲むのは健康上よろしくないだろう。

普通、水分補給を兼ねて1日に何杯も飲むとすれば、水・日本茶・紅茶・コーヒーだ。この中で確実にカフェインが入っていないのは、水だけ。あとは基本カフェイン入りのためNG。
麦茶やその他のマイナーなお茶の中にはカフェインフリーのものもあるけれど、コンビニで気軽に買えるものとなると麦茶か爽健美茶の2択だ。いや、最近になってキリンの「生茶」にディカフェが登場したから、3択か。

カフェインを一切摂らなくなって一番困ったのは、同じものばかり飲んで飽きるということだった。

ハーブティという救世主

私の場合、カフェインを摂らなくなって1ヵ月もしないうちに飽きた。
お茶やコーヒーが「嗜好品」と呼ばれる意味を、心の底から理解できたのはこの時だった。普段何気なく飲んでいると全く気づかないが、飲み物にバラエティーがあるというのは、ものすごく大切なのだ。

水か麦茶の繰り返しに飽きた私は、なんとかバラエティーを増やそうと、ハーブティを飲み始めた。それまでハーブティに手を出したことはなかったから、このきっかけがなければ、その魅力を知らずに一生を終えていたかもしれない。

ハーブティはカフェインフリーで、種類も豊富だ。
おかげで心は大分満たされた。

カフェインレスコーヒーというオアシス

コーヒー断ちをして初めて、私はコーヒーがかなり好きなんだと気づいた。
「あの苦みのある味、香ばしい風味を何としても感じたい!」
その思いはどんどん強くなっていって、ついにカフェインレスコーヒーに手を出した。というのも、それまで、恥ずかしながら「カフェインを抜いたコーヒーなんて不味いに違いない」という偏見を持っていたのだ(飲んだこともないくせに!)。

いざ飲んでみると、普通のコーヒーと変わらず美味しい!
初めて飲んだ時は、しばらくコーヒー断ちして欲求不満だったことも相まって、言葉にできない喜びに浸った。
ブランドによってかなり味が違う上に、どのブランドもカフェインレスは一種類のみなので、色々と試して自分好みのをものを見つける必要はある。が、不味いとか、味が薄いとか、風味が劣っているといったことはない。

それからは、おいしいカフェインレスコーヒーを求めて、コーヒーの専門店へ出向いてみたり、アマゾンで取り寄せしてみたりした。
私ってホントにコーヒー好きだったんだなぁ」と身に染みた。

ちなみに、私が最近愛用しているのは、スターバックスのディカフェ ハウスブレンド。

カフェイン再び

パニック障害を患って約5年。
再びカフェインを含む飲み物を飲めるという奇跡が起きた。
それも、ごく最近の話だ。

去年の5月半ばから飲み始めたSSRI(抗うつ薬)がかなりプラスに働いてくれて、体の緊張がかなりほぐれてきたのを実感したのを機に、思い切って日本茶を飲んでみたのだ。
予想は的中で、心拍数が上がって苦しくなることはなかった。
それが、昨年12月のこと。

自信をつけたところでお茶や紅茶を飲む機会を増やし、年末に実家へ帰省したタイミングで、4年ぶりに普通のコーヒーを飲んだ。
4年ぶりのコーヒーは地元で有名な専門店のオリジナルブレンドで、がっつりビターで濃厚ボディな、私の好みド真ん中。
すごく幸せな年末になった。

年明けからは、カフェインレスコーヒーと普通のコーヒーを気が向くままに楽しんでいる。
私にとって、それは奇跡みたいなものだ。

先週末に出会ったコーヒー:ペルー マチュピチュ

用があって普段行かない所に車で出かけたついでに、ランチを食べたカフェレストランで出会ったコーヒーだ。
お店で焙煎するといった手の込みようで、7種類くらいあったコーヒーの中から、選んだのはPERU MACHU PICCHU(ペルー マピュピチュ)。

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メニューの説明書きの下に、「ラズベリー、ブルーベリー、ナッツの風味」そして「上品で深いコク、ドライプルーンの酸味の後味」と書いてある。
これをリンゴとくるみのケーキと一緒に味わった(見出しの写真)。

口に含んだ直後に広がるベリーの香りが――なんてカッコいい台詞を言ってみたいところだが、バリスタじゃないので、正直な感想は「コクがあって、酸味がまろやかで美味しい」くらいしか言えない。

「嗜好品」を味わえる幸せ

カフェインを一切摂らず、限られた飲み物だけで過ごした期間は、どこか楽しくない日々だった。
パニック障害と闘っていたからというだけでなく、日常の中で楽しめる「嗜好品」の数が激減したというのが、その大きな理由の一つだと思う。
それほど、嗜好品が与えてくれる喜びは大きい。

私は、もう「何気なく」お茶やコーヒーを飲むことはないだろう。
茶葉の種類やコーヒー豆の種類をチェックして、「こんな味がするんだな」と楽しみ、今度は〇〇〇を飲んでみようと心を弾ませる。
これからは、好きなモノを飲めるという楽しみを、存分に味わうのだ。

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