イーオンズ・エンドカード考察-基本版・呪文編その2-
ご挨拶
こんにちは、Uttiyです。
今回もイーオンズ・エンド基本版の呪文カードの紹介します。
全14枚の中から今回も5枚紹介しましょう。
諸注意
今後様々な評価を行いますが、それらは全て筆者である私の個人的な主観によるものです。
あくまで一個人の感想であることにご留意の上お読みください。
また、Howtoを説く記事ではありませんので、細かいルールの説明などはしません。
そういう意味では、恐縮ではありますが初心者の方に向けた記事ではなくなります。
悪しからず、ご了承くださいませ。
イーオンズ・エンドのコストはエーテルと言います。
以後当note内ではエーテルをeと表記します。
本日のカード
エッセンス強奪
凶雷
炎上
溶岩触肢
膨らむ忘却
以上五種の呪文を取り上げます。
忘れてませんか?
前回話した取得コストとダメージの関係は覚えていますか?
取得コストから1引いた数値がダメージが基本となっている、でしたね。
詳細を忘れた方は前回の記事をお目通し下さい。
評価の分かれやすいカードだと思います。
私はどちらかというとネガティブな評価です。
確かにこのゲームにおいて回復手段は少なく、
稀少なのは間違いありません。
しかし、5eという取得のハードル、基本設計より1少ないダメージ、
ディスカード(カードを捨てること)の要求など、総じて厳しい関門を潜り抜けた先、
得られた体力が1というのは、いささか酷だな、と感じてしまうのです。
確かにこのゲームはネメシスのデッキが尽きたらプレーヤーの勝ちですから、
最後まで耐えるという耐久戦法も候補の一つではあります。
しかし、このゲームは基本的に耐えるゲームではなく倒し切るゲームです。
時間が長引けば長引く程勝率は低くなります。
そのくらい三層目のネメシスカードは強力なのです。
もし、耐久勝ちを狙うのであればこんな雀の涙程度の回復ではまず足りません。
そもそもダメージと回復は真逆の存在です。
ゲームを早く終わらせるのがダメージで、ゲームを長引かせるのが回復です。
それをフェアトレード(等価交換)しているこのカードは、
設計そもそもがミスマッチなんです。
1ダメージと1回復を交換して得られたのは、
帯に短くたすきに長い中途半端な結果、これが私の考えです。
確かに人情的には保険と思って回復に手を伸ばしたくなります。
しかし、体力の回復は相手を倒すのに必要なものではありません。
仮に回復がなくても先に相手を倒してしまえば万事オッケーですよね?
大事なことなので前回に引き続き何度も言いますが、勝つのに必要なのはダメージです。
勝つための努力であるダメージと、負けないための努力である回復、
どちらの努力も大事ですが、負ける前に勝てるならそれが一番良いのです。
自分のした負けないための努力が本当に必要だったのか。
そんなことする暇があったら、勝つための努力をした方が圧倒的に楽だったのでは?
このカードで得られた回復は、失ったダメージに見合っていたのだろうか。
そんな自問自答の結果、必要ない、に私は至りました。
まず注意点として、
閉鎖状態の破孔にセットした呪文は次のターンにキャストする。
これはこのカードも例外ではありません。
セットする事ができるからと言ってセットしっぱなしにできるわけではないです。
さて、一見便利そうなカードですが、いかがですか?
ゲーム中の自分を想像して、果たして手が伸びますか?
恐らくですが、多くの方がいいえと答えたでしょうし、
実際に手にした経験も少ないのではないでしょうか?
結局のところ、基本設計から見て目減りしている1ダメージがネックなのでしょう。
5eという労力と減ったダメージの結果として得られたのは、
破孔の開閉を問わないセットです。
では、それが与えてくれる恩恵とは、そこを考える必要があります。
閉鎖状態の破孔に呪文をセットしたい瞬間とはどんなときでしょうか。
はい、開いている破孔より手札にある呪文の数が多いときです。
セットし切って次のターンにダメージを出したいのに、破孔が足りないよ!ってシーンですね。
そんなとき皆さんがするのは、破孔の強化だと思います。
閉鎖状態でも強化したターンは呪文をセットできる、これは基本ルールです。
破孔の強化に必要なコストは最小で2e、最大で4eです。
5eの呪文を取得できている時点で、
デッキにはそれなりにコストを捻出する方法があるはずですから、
このコストもそこまでハードルは高くないでしょう。
わざわざ1ダメージロスしてまで閉鎖状態の破孔にセットできる呪文を取得せず、
素直に破孔を強化した方が最終的にお得、それを皆さん無意識に理解しているのだと思います。
強いて考えれば、破孔の開放を度外視!呪文を取得しまくり!
余ったeはチャージ!ひたすら速攻で殴りまくって勝つ!
そんな戦略を可能にするキーカードにはなり得ます。
ただ、この戦略は同時に宝石の取得も放棄しなければ呪文の量が足りないと思います(感覚的に)。
そうすると、パワーカードの廃棄も無視することになると思うのですが、
果たしてそのリスクに見合った強さなのか?という話なんです。
だって、このカードの打点は本来より目減りしていますし、
ⅢⅣの破孔を開放しないということはダメージボーナスもないのですから。
このカードの取得コストでどの破孔も強化できるというのも皮肉な話です。
同じ5eなら、ちょっと便利だけど低いダメージしか出ない呪文を取得するより、
地道に破孔に投資してダメージボーナスをもらった方が長い目で見て得だ。
そういうカードだと思います。
それでも強いて言うなら、最初からクライマックスと言わんばかりにミニオン展開された時、
このカードがサプライにあるなら、手札で呪文がだぶついてロスする心配のない、
担保されたダメージ源、そういう点では優秀なのかもしれません。
本当に難しいカードが来ました。
いえ、能力は非常に単純なんですが、評価が非常に難しい。
ここまでお読みいただいた皆様なら、目減りしているダメージ分微妙なのでは、と思うところでしょう。
が、よくよく考えてみると、チャージ1つは2e分の価値があり、失ったダメージは1e分の価値ですから、
交換という意味では1e分有利交換してるのでは?となるわけです。
ここで仮説を立てるために、分かりやすい例でジアンをピックアップしましょう。
彼女は4チャージ使う事でプレーヤーの呪文1枚を2回キャストすることができます。
チャージ4つ、8e分の価値を使って撃つのですから、7ダメージ得したいわけです。
この場合の得は2回で7ダメージではありません。
セットしている呪文は普通にキャストして1回分のダメージは確定しているのですから、
ジアンの能力によって得したいダメージは1回で7点、
合計で14点以上のダメージを出すことを期待して使用します。
そうしないと4チャージに見合った仕事とは言えないわけですね。
そうです、厳密には違います。
ジアンの能力は仲間の呪文もキャストできますし、使用はメインフェイズ中ですから、
本来と違うタイミングで打てる点なども含めれば、
7点ダメージないと損とは純粋に言い切れません。
ただ、ここでは分かりやすくそう仮定したいのです。
それを炎上によって獲得したチャージでまかなった場合、
このチャージ4個はロスしたダメージの4点分と等価ですから、
ジアンの能力で4点以上のダメージを出す呪文を撃てば得したと言えるようになります。
恐らくですが、ジアンの能力でキャストする呪文は必殺技級の呪文になると思うので、
4ダメージよりは大きくなりがちなのではないか、と個人的には思います。
そう考えると、炎上、悪くないな?となりそうですよね。
実際悪くはないとは思うんです。
4eという取得ハードルの低さから、デッキ二週目から使える公算の高いこのカードは、
間違いなく十二分に仕事をしてくれるでしょう。
ロスしたダメージ以上の仕事量を期待できるのですが、
いかんせんキャラクターの能力と言うのが一筋縄ではないのです。
乱用する事で強いキャラクターもいれば、ここぞのタイミングで使えれば万事よしのキャラクターもいます。
また、エッセンス強奪でも言いましたが、勝つのに必要な行動はダメージです。
キャラクターの能力はダメージを与えるものだけではないので、
果たしてこの能力の使用はネメシスを倒すのに本当に必要なのか、
その判断が非常に難しいのです。
結局その時の攻略キャラクター次第、といったところで、
ネメシスに勝つためにチャージが必要か否かをしっかり判断した上で、
このカードを中心にするか否かを決めないといけません。
誤った判断をすれば、圧倒的な決定力不足でまず負けてしまうでしょう。
取得5eで3ダメージのカードですら、打点不足で負けがかさむのをなんとなく実感できるレベルなのですから、
4eで2点は間違いなくダメージが足りません。
前回出てきた魔力結節とは違い、セット中の能力の発動タイミングが、
呪文フェイズの終了時となっているので、セットしたターンには発動しませんし、
次のターンにキャストしてしまっても発動しません。
言い換えれば、キャストできたけどしないで破孔に維持した時にダメージを与える能力です。
破孔ⅢとⅣのボーナスダメージは呪文キャスト時と書かれているので、
セット中のダメージは1ダメージで固定です。
破孔一つを失う事で毎ターンスパークを一回余分に撃てる、と言われてもなぁ…ですよね。
ましてや、このカード自身キャストすれば3ダメージと、
基本設計通りの打点を出せるのですから。
素直にキャストして打点を出すのが吉です。
じゃあどうやって使うの?となるわけですが、
まず破孔にセットされた〇e以上の呪文を破壊すると廃棄できるパワーカードがあります。
それを解除するために、キャストするつもりでセットしていたこの呪文を持ちこせば1ダメージ与えられます。
また、これは私のプレイングスタイルなのですが、
ターン終了時に破孔に1枚も呪文がない状態は極力避けています。
これはミニオンの出現から処理までのタイムラグを極力なくすために意識していることです。
私は二人プレイが主なので、ターン順カードはネメシスも含め全てのキャラクターが2枚ずつです。
仮に先にきた自分のターンに呪文を撃ち切って破孔が空の状態でターンエンドをし、
次のネメシスターンでミニオン出現すれば、次の自分のターンは呪文セットで終わってしまいます。
残っていたネメシスのターンカードでミニオンの起動が確定してしまうのです。
それを極力避けるためにも、
呪文のキャストは破孔を空にしないで済むだけの呪文が手札に来た時にするようにしています。
もちろん、ネメシスやミニオンにとどめが刺せるときは使い切って破孔を空にすることもありますが、
急いでダメージを要してもいないのに、なんとなく回転させるために呪文をキャスト!
はしないようにしているのです。
閑話休題、このように後の状況変化のためにあえて呪文をキャストせずに過ごす時、
オマケ程度とはいえダメージを生んでくれる、
ないよりはましだね程度の得ですが、一応アドバンテージを与えてくれます。
繰り返しになりますが、他の目的があってキャストをしないのであって、
セット中の能力を目的にキャストしないのは無駄になりますから、ちゃんとキャストしてあげて下さい。
後は、メインフェイズに呪文をキャストする能力を使う予定であれば、
このカードの効果を活かすことはできますね。
1ダメージに見合う労力なのかを考えると……、な気もしますが。
はい、どう頑張ってもこのくらいしか思いつけませんでした。
結局、セット中の能力に期待して取得するというよりは、4eという取りやすいサイズでダメージ量も十分、
他の候補がないならこのカードは損はさせないから安心、という極めてバニラ(特殊能力なし)に近い呪文と言えます。
ダメージの大きくなったスパーク、その程度の認識で良いでしょう。
弱くもなく強くもない、基本に忠実な呪文と覚えておいて下さい。
パッと見派手そうなカードです。
雲色サファイアを捨てれば一気に8ダメージも出せますから。
セット中に1e捻出するのも、水晶を内包していると考えれば、
かゆいとこに手が届くかも。
手札の呪文の数だけ、そのターンに捻出できるeは減るわけですから、
そこを補填してくれるなんて有難い限りです。
さて、同じ取得コスト5eで手札を捨てることでダメージを出すカード、見覚えありませんか?
そうです、前回取り上げた闇色炎がよい比較対象ですので見てみます。
まず保障ダメージの有無です。
闇色炎は手札を捨てなければダメージを出せないのに対して、
膨らむ忘却は最低2ダメージは保証されています。
この点はシチュエーションによってキャストできない可能性がある闇色炎よりも、
圧倒的に膨らむ忘却が優秀です。
次にセット中の能力です。
言わずもがな、何も持たない闇色炎に対して、
1eを捻出する膨らむ忘却の方がこの面でも優れています。
では、肝心な最終的なダメージです。
闇色炎は捨てるカードの種類やコストを問わずに1枚あたり3ダメージで2枚まで、最大6ダメージを出します。
対して、膨らむ忘却は宝石カードに限定しており、また追加ダメージもその取得コストと同じで1枚までです。
基本版では宝石の最大コストは6eですから、追加ダメージは最大6点です。
闇色炎は捨てるカードを問わないので、
例えば水晶を2枚捨てた場合(多くの場合これが最有力候補になるはずです)、
闇色炎5e、水晶0e、水晶0eの合計5eで6ダメージを与えます。
対して膨らむ忘却は宝石カードと限定しており、
またダメージはその取得コストと同等です。
例えば最大ダメージを期待して雲色サファイアを捨てた場合、
膨らむ忘却5e、雲色サファイア6eの合計11eで8ダメージを与えます。
なんと、膨らむ忘却が生む1eを差し引きしても、
10eで8ダメージと基本設計より小さくなりました。
そうです、結局取得コストとダメージのギャップがネックになってしまうんです。
更に追加ダメージの厳しい要求もネックで、仮にまだ宝石も満足に取得していない状態であれば、
このカードのダメージは2点となることがほとんど、
対して闇色炎は最初から6ダメージを出すことがほぼ必ずできます。
そもそもコストの高い宝石はそのまま使っても十分価値があるのですから、
このカードの弾として使うがもったいないシーンも多くあるでしょう。
対して闇色炎は不要なカードを弾にできるのでポンポン撃ってバンバン敵を倒せます。
はい、お察しの通りです。
一撃のダメージのために必要な手順の多さ、制限のきつさ、犠牲の大きさ、
これは柔軟性を大きく欠くこととなり、最終的に自分の首を絞めることになります。
それに対するリターンが8ダメージと、
似ているカードの闇色炎より2点だけ上回りましたとなったところでです。
もちろん、闇色炎が強すぎるのは認めます。
ですが、それを差し引きしても、このカードの頑固さ、柔軟性のなさは厳しいものがあります。
非常に申し訳ないですが、この基本版で唯一と言っても良い、
悲しい運命を背負ったカードと私は評価します。
私には使い道が分かりませんでした、ごめんなさい。
今回も基本版から5枚の呪文をピックアップして紹介しました。
前回と違いピーキーなカードが多い回でしたね。
もしここに書いていない有効な活用法などがありましたら、
是非情報共有して下さい、私、気になります。
次回は基本版の呪文最後の4枚を紹介します。
お疲れ様でした、次回もよろしくお願いします。
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