今日の茶飯事 三杯目  きしめん#1 閃光のきしめん

今日、東京から新幹線に乗り三重へ帰る途中の名古屋駅できしめんを食べた。

うどんとは一味違う平打ちの麺で、醤油ベースの汁というより鰹節をふんだんに使った出汁ベースのうどん類、それがきしめん。

名古屋のソウルフードとも言われるこの麺類は、とにかく美味しい。そしてお腹に優しい。

風邪をこじらせた時、醤油すら受け付けないことがある。食欲がないと言えども、すでにエネルギーは枯渇しかけですっからかん。どうにかして何か口に含みたい、大分体がまいっているときにこの出汁が沁みるのだ。

普段家で使っているきしめん。本場の味というものを味わってみたい。

絶対に家では使わないアホみたいな量の鰹節に、これまたアホみたいな量の昆布と椎茸(ここの出汁の取り方は各店によって違う)でとった濃厚な出汁の海原に飛び込みたい。

 

そんなきしめんが名古屋駅新幹線ホーム内で食べられるらしい。しかも立ちながら。

新幹線の改札を入って各ホームの階段に登ると、KIOSK、珈琲店に並んで「黒色の直方体」があり沿うように券売機が二つ立ち並ぶ。

立ち食い蕎麦ならぬ立ち食いきしめん。出汁は既に完璧に仕上がっており、麺も茹でられている。食券を受け取ってから湯切りをして椀に盛るためとても早くて、それで出来立て。
食べやすさを売りにしたきしめんは、確かに店の回転率もいいし、多忙なサラリーマン達にも有難いものだろう。

今日名古屋駅に着いたのは午後六時ごろ。
三連休の半ばであり、時間帯としても微妙なお陰か、いつも満席、いや満立の店も半分くらいしか埋まってなかった。

嬉々として食券を買いに行こうとすると、券売機には赤いバツ印がちらほら映っていた。

ーー海老天、はないし…肉きしめんも売り切れてる。

どうやら人気のあるメニューは先に根こそぎ取られてしまったらしい。
仕方がないのでかき揚げを追加した素のきしめんを頼む。食券を年季の入った店員に手渡すと、手際良くきしめんが盛られていく。

そして出来上がり。

いくらなんでも早すぎないか。冗談抜きで一分もしないうちに提供された。

人の巡りが早い新幹線ならではの手際に目を丸くしつつ、目の前のきしめんに目を向けた。

黄金の汁にそびえる鰹節の山、横に添えられたネギを峰とした旨みの山脈が築かれていた。

割り箸を割って一口啜る。
------圧倒される。 
 
ここから先の記憶がぶっ飛んでしまったので、一度間を置かせていただく。

また次回




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