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フォルテピアノを弾くタッチと手の形


フォルテピアノの前に座る10代の頃のクララ・ヴィーク(=シューマン)。詳しい解説は記事をお読みいただけますと幸いです。

18・19世紀の「フォルテピアノ」を「弾いてみたい!」と思っても、普通のピアノとはどう違うのだろう?と思われる方は多いと思います。

これについて日本語で書かれた本はあまりないので、この際、ちょっとだけ私が書いてしまいましょう!

昔のピアノの鍵盤は、とっても軽くて、幅も狭くて、鍵盤も浅いです。
種類や国、メーカーによって、いろいろ異なります。

言葉で説明する事は難しいですが、全体的な傾向は充分説明できると思います。

技術的には、現代のピアノではなくチェンバロと共通します。演奏表現もそうなのですが、フォルテピアノはチェンバロの延長線にあります。

基本的に、普通のピアノのように腕の重さは使わず、指先の動きと僅かな手首の動きで演奏します。鍵盤が浅くて軽く、反応が敏感であるからこそ可能な方法です。クララ・ヴィーク=シューマンも、子供の頃、腕を使わずに指先だけで演奏する技術を徹底的に学んだと言われています。

・手のポジション

バッハの次男カール・フィリップ・エマニュエル・バッハは、「正しいクラヴィーア奏法」の中で、指と腕の姿勢について以下のように述べています。


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