友部正人ライブレポート@2024年8/17「鎌倉 moln」
皆さんは、友部正人さんという方をご存じだろうか。
知らない方に簡単に説明すると、
友部さんは長らく活動されているシンガーソングライターであり、詩人。
僕は「たま」というバンドが好きだったんだけれど、(今も好き)
友部さんを初めて知ったのはたまと共作で出したアルバム
「家来の一人もいない王様」という作品を聞いた時だったと思う。
その後自分も詩を書き歌を作るようになり、たまへの想いがより一層、
熱を上げる中、「パスカルズ」というバンドに出会った。
パスカルズには、元たまの石川浩司さん、知久寿焼さんも参加している。
おもちゃ箱をひっくり返したような、不思議で多幸感あふれる音楽を聴かせてくれる素敵バンドだ。基本的にインストなのだが、時々歌を歌う時がある。アルバムを買う前にライブを見に行ったのだが、その時歌っていた曲の中に「6月の雨の夜、チルチルミチルは」という歌があった。
パスカルズについての知識が全くなかったので、(素敵な曲だなぁ、誰が作ったんだろう)と思い調べると、その曲を作った人が友部さんだった。そこからライブに足を運び、友部さんの曲を聴き始めた。(横浜にある、THUMBS UPというお店でよくライブを見てる)
今回友部さんがライブをするのは鎌倉にある「moln」と言うお店。
普段は雑貨屋さんだそう。可愛い雰囲気のお店だったので、
ライブのない日にもまた来ようと思った。
小さな店内は友部さんの歌を待つ人たちで、あっという間にきゅうきゅうになってしまった。
受付でドリンクを一杯もらえるのだけど、辛口のジンジャエールしかなかったので、ハートランドというお酒にした。普段飲まないから全然なくならない。ちなみにパスカルズの曲にも「ハートランド」といタイトルの歌があるので、気になる人は聞いてみてください。とっても優しい歌だから。
30分ほど待っていると楽屋から友部さんが出てこられて、
もう嬉しかった。会場のサイズが可愛いので近いのも良い。
僕はほぼ一番後ろに座ってたんですけど、それでも近かったです。
でも座ると全然見えないから立って聞いてた。
さて、
タイトルこそライブレポートと書いてあるが、
正直言うとめちゃめちゃ真剣に聞いていたので、
なに歌ってたかの記憶が曖昧です。
メモとか取らなかったし。
覚えてる曲だけ書いていくことにする。
2024年8/17「鎌倉 moln」友部正人ライブ
・一月一日午後一時(高橋さん)
盛岡にある「クラムボン」と言うお店の亡くなった店主さんのことを歌った歌。
「クラムボンが笑ったよ、クラムボンが笑ったよ」
と繰り返すサビが優しい。 好きな曲なので聞けて嬉しかった。
確か休憩の少し前か休憩の少し後に歌ってた…
気がする。
・水門
「僕は今、地平線に立っている」という
なんともドラマチックなフレーズから始まる曲。
どうしてこの曲の「僕」は水門のことを
ずっと考えているのだろう。
書いていないことの外側にも
想いを馳せることができる素敵な歌。
優しいアルペジオがずっと続いていて、
このまま終わらなくても良いのにと思いながら、
いつも終わる。
全部のことはいつも終わる。必ず。
・ブルース
「ブルースは元気がない時には歌えない」というフレーズが多く出てくる。
今回のライブで一番アップテンポの曲
だった気がする。
後ろの方の席の人たちは、
このフレーズを口ずさんでいて、ノリノリ。
歌い終わった後、「踊りたくなるでしょ?」と
小さな声で微笑む友部さんが
かっこよかった。
衝撃的なお知らせなのだが、
これともう一曲しか覚えてない。
そんだけ夢中だったってこと。
そういえば、この「moln」でライブする人はおすすめの本を紹介するという決まりらしく友部さんも紹介されていた。
なんだそりゃ素敵かよと思いながら話を聞いていたんだけど、紹介していた本のことは忘れた。
誰かが書いたおばあさんの詩を朗読されていて、
それがとてもよかったことは覚えている。
この日一番印象に残ったのはアンコールの
「朝は詩人」という歌だった。
・朝は詩人
僕はライブ会場でご本人からCDを買いたいという願望が強いので、
知らない曲も多い。
正直にいうとこの歌も聴いたことがなかった。
聴いたことがない歌の歌詞でも、全身を通して心に響いてくるのだから、
やっぱり友部さんはすごい。
歌い出しから、(知らない曲だ)と思い、
だからこそより耳をすませていた。
曲はAメロを通り過ぎ、サビまで到着する。
「君が歌うその歌は世界中の街角で朝になる」
「君が歌うその歌の波紋をぼくはながめてる」
サビのフレーズとメロディー、
そして声が全身を駆け巡った。
なんでだかわからないけれど、
目を離しちゃいけない気がして、
僕は心だけでなく視線も全て、
友部さんに注いでいた。
前述の通り僕は一番後ろの席で
立って聴いていたのだが、
ちょうど歌っている友部さんと
目線の高さが同じであんまり自分が
真剣に見ているものだから、
友部さんも今、
僕だけを見て歌ってくれているんじゃないかとか、
会場にはもう他に誰もいないんじゃないかとか、
そんな不思議な気持ちでいる
僕の手を引くように、
歌は終わりを目指していく。
「君が歌うその歌は世界中の街角で朝になる」
「君が歌うその歌の波紋をぼくはながめてる」
「君が歌うその歌は世界中の街角で朝になる」
「君が歌うその歌の波紋をぼくはながめてる」
畳み掛けるように言葉が流れてくる。
僕は以前、
友部さんのライブに来た時のことを
思い出していた。
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