【論文】シアンフリー銀めっきの錯化剤の分析
こんにちは。
もう4月ですが、まだ『表面技術』2023年2月号を読んでいます。
読んだ記事について内容をメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「電気化学測定法を用いたシアンフリー銀めっき過程の解析」で著者はメルテックスのAtiqah Binti Jasniさん他数名の方々です。
内容
シアンフリー銀めっきに添加する錯化剤の種類を変えて、LSV法・QCM法と呼ばれる電気化学測定を行った結果について報告されています。
LSV法:リニアスイープボルタントリー法。電解めっきの析出電位や電流効率、水素発生を調べることが出来る。
QCM法水晶振動子マイクロバランス法。振動子に析出した皮膜の質量変化を共振周波数の変化として測定することが出来る。
ここでは錯化剤として、チミン、ウラシル、DMHが使用されています。
測定結果は分かりにくい?
QCMでは、錯化剤の違いによって、銀の析出量の違いが明確に確認されており、(著者の表現では)in situで評価することが出来たそうです。
LSVとQCMの結果をどのように比較するかが、この論文のポイントだと思いますが、”速報論文”でもあるので、現時点では仮説に基づいた仮説を積み重ねて考察されています。
結果としては、LSVで観測される水素発生電位とQCMで観測される析出電位に差があることが確認されています。
それぞれの錯化剤の結合エネルギーや錯体安定性が異なることで、この差が生まれていると考察されています。
この結果を初見で(それも素人が)見ても理解は難しいですが、うまく使えば興味深い結果が得られそうです。
今日は以上です。
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