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〈鉄材料の勉強〉鉄と鉄鋼がわかる本(7)

こんにちは。
新日鉄製の『鉄と鋼鉄が分かる本』を読んでいます。

第4章

第4章は「形を造り込む」ということで、圧延によって鋼片を所望の厚さに成型する技術に関してです。

内容から感じたことを率直に書くと、改善の繰り返しと基礎研究の上に高度な生産体制を構築することができたのだろうな、と感心しました。そして、見習わないといけないことだと思いました。

圧延工程で一番の課題は、クラウンと呼ばれる、鋼帯の中心部分が厚くなるのを如何に抑えるか、という点だと読み取りました。

押し付けるロールの形や押し付け圧はもちろんですが、ロールの摩耗や材料の内部応力など、いろいろなことに気を使わなければ、要求精度で加工することは難しいようです。

素人考えだと軟化するぐらい温めればどうとでもなるだろうと思ってしまうんですが、それはそれでバラツキの要因になりそうですね。
(素人考えすぎるのか、本文中では記載ありません)

様々な因子を制御しながら、材料が冷える前に加工を終わらせないといけないということで、なかなか人間技ではないですね。

本書が書かれた当時に行き着いたところでは、やはり機械を使ってパラメータの設定する方法です。
具体的に言うと、「クラウン・形状計算モデル」を使って、その時の材料の状態をセンシングしたデータと目的の形状を入れると、加工条件を設定してくれるような技術のようです。(具体的か?)

もちろん、そのためのローラ材質の硬度化や低摩耗な圧下技術の開発に支えられて成り立っている技術のようです。

元々は材料の投入順さえも加工条件に加える必要があったようですが、クラウン・形状計算モデルを使った自動加工制御技術を使うと、どんな順番にも対応できるようになったということなので、生産性は飛躍的に向上していると思います。

読んだ限りでは、やはり人間が調整していては間に合いません。

基礎データに裏打ちされたデジタル技術で、ストーリー的にもなかなか感動できる書き方がされているので、小説か何かにしても面白そうです。

以上です。

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