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表皮効果と最終表面処理

表面技術2022年7月号の特集「次世代高速通信と表面処理(Ⅱ)」に記載されている記事に関してです。

「高速通信向けの最終表面処理」というタイトルで、著者は上村工業㈱の方です。

5G等の高速通信では、表皮効果による伝送損失はよく言われていますが、”表皮効果”については分かっているようでわかっていませんでした。

調べたら普通に出てくる内容でしたが、改めて知ることができてよかったです。

表皮効果は、要は電流密度が表面付近で高くなる現象をいうようです。
それが、周波数が高いほど表面に集中しやすいということで、高周波数を使う5Gなどの次世代通信では重要になってくるということのようです。

よく言われるのが、凹凸があると伝送損失が大きくなるという話です。これは、凹凸によって表面の導電パスが長くなることによる損失のようです。

なので、表皮効果で電流密度が大きくなる領域よりも小さい凹凸にすれば、損失も小さくなるという考え方のようです。

この特集では、Cuでは50GHzで表皮効果の厚みが0.29μmとのことなので、少なくともサブミクロン以下のラフネスにする必要があるんですね。

で、この記事の中では、銅の上の最表面のめっきの種類によって、表皮効果による伝送損失がどう変わるかを説明しています。

大まかな傾向としては、銅の上の最表面のめっきはできるだけ薄く、できるだけ抵抗の小さい材質を使うべきとのことです。

表皮効果の特徴を考慮すれば納得の結果です。
この結果に加えて、ワイボンやはんだなど用途による制約に合わせて最終表面処理を選ぶべきと書かれています。

表皮効果の説明をした上で、実際の結果によって説明しているので、すごく理解が深まりました。

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