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【学会誌】アルミとアルミ微粒子のレーザー粉末焼結

こんにちは。
『表面技術』2023年5月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「レーザー粉末焼結を利用したアルミニウム基板上への凸構造アンカー付与と樹脂との接合」で著者は名古屋大の小橋さんです。

内容

アルミ材との異種材料接合のために、レーザー焼結技術を使ってアルミ表面に凸構造を形成する技術に関する説明です。

凸構造形成のプロセスは、基材(アルミ)の上に粉末状Al粒子を塗布後、レーザーを照射するというもので、レーザーのエネルギーによってAl粒子が溶融し、基材と接合する、というものです。

Al粒子として純Al、Al-Ti、Al-Ti-Cを用いた場合の界面構造やPA6(ポリアミド6)との接着強度を評価しています。

ポイント

  • 純Al<Al-Ti<Al-Ti-Cの順で密着力が大きくなった

  • 3種類の粒子ともレーザー照射によって基材と接合するが、接合状態は大きく異なっている。Tiを含む粒子は、接合することで、基材側にもTiがかくさんすることで強い接着力を得ている。

  • 密着力の最も強いAl-Ti-C粒子を用いた場合、レーザー粉末焼結によってTi-Cが多孔質構造(多孔質はAlで埋まっている構造)を作り、これがアンカーになることで基材との強い接合力を生み出しているらしい。

多孔質構造

記事の中ではTi-Cの構造を調べるためにNaOHでAlを溶融しています。
著者は分析のための手段にしていると思いますが、多孔質構造を作る方法としては面白いなと思いました。

サブミクロンスケールで入り組んだ構造が出来るので、他のことにも使えるのではないかと感じます。

著者の研究室HPを見たらポーラス材料に関するテーマも扱っているようなので、検討したことはあるかもしれないですね。

今日は以上です。

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