【学会誌】パワーデバイスの実装信頼性

こんにちは。
『表面技術』2023年6月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。

今回読んだ論文のタイトルは「故障事例にみるパワーデバイスの信頼性」で著者はソルダリングテクノロジーの佐竹さんです。

内容

ディスクリートのパワーデバイス部品の実装信頼性に関する解説記事です。

CMOSFETの実装における構成要素とそれぞれの要素における故障の原因に関して概説した後、熱制御技術(グランドパターン、サーマルランド)を効果を評価した実験結果を元に考察されています。

パワーデバイス実装性に関する要素

  1. パッケージ技術の改善:熱対策や電圧・電流ストレスへの耐性向上

  2. 適切な冷却システム設計:動作時の高温発生の対策として冷却・放熱の設計

  3. 適切な電源設計

  4. 適切な温度管理:実装時・使用時を想定した温度管理

グランドパターンの効果

  • 一般的にはグランドパターンはノイズ低減が目的だが、放熱性能にも影響を与える

  • グランドパターン有無で基板の温度測定を行うと、グランドパターン有の場合は到達温度が約39℃低かった

サーマルランドの効果

  • サーマルランドを用いることで実装部の放熱を抑制することが出来る

  • サーマルランドの有無によって、グランドパターン小の場合は約19℃、グランドパターン大の場合は約36℃の差が見られた。

ちなみに、本記事のサーマルランドの説明では冷却目的で使用することが記載されていますが、掲載されている実験結果や下記URLの文献などを見ても明らかに間違っていました。将来この記事を読む場合は注意が必要です。

(参考)

今日は以上です。

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