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〈論文〉マイクロ波プラズマCVDによるダイヤモンド合成の条件振り?

こんにちは。
表面技術2022年8月号にマイクロ波プラズマCVDを使ったダイヤモンド合成の論文が掲載されていたので、マインドマップと思ったことをメモっておきたいと思います。

論文のタイトルは『マイクロ波プラズマCVDによるダイヤモンド合成における成長速度に及ぼすマイクロ波出力および圧力の影響』で、著者はオグラ宝石精機工業と千葉工大の方です。

マインドマップ

ポイント

  • マイクロ波プラズマCVDのマイクロ波出力・圧力が成長レートに及ぼす影響を確認した

  • マイクロ波出力・圧力が上がると基板温度と成膜レートが上昇するが、温度に対して成膜レートは極大値を持つ

  • 原子状炭素によるダイヤモンド成長と原子状水素によるエッチング作用の寄与度のバランスで成膜レートが決まり、これらの気相成分はプラズマ条件によって生成量が変化する

思ったこと

プラズマCVDはダイヤモンドだけでなくナノカーボン材料等を合成するときにも使われるので、ここで記載されている知見は横展開できる部分もあると感じました。

しかし、ちょっとまとまりが無い文章ですね。
目的のところでは基板温度が成長レートに与える影響を調べたいと書いているのに、基板温度は制御しておらず、マイクロ波プラズマによる成り行きで変わっていく基板温度をパラメータとしているので、各因子の切り分けがとても難しい結果でした。

プラズマによる活性種で成膜レートを議論していますが、基板温度の影響についてはメカニズム的な言及がないので、物足りないと感じました。
なんか、うまくいかなかった研究を無理やり論文にした感じがします。

記載されているデータだけでもそれなりの数があるので、統計的な解析をすれば基板温度が有意な影響を与えているかどうかくらいは考察できそうなんですが、そういうことはしないんでしょうか?

もう少し深く突っ込んで欲しい内容だと感じました。

今日は以上です。

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