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【学会誌】超臨界二酸化炭素を用いた無電解めっき

こんにちは。
『表面技術』2023年1月号を読んでいるので、備忘録的に記録しておきたいと思います。
1月号の特集は「ウェアラブルデバイス及びインプランタブルデバイスと表面処理」となっていて、人が装着するデバイスや人体内で動作するデバイスに関する内容です。

今回読んだ記事のタイトルは『ウェアラブルデバイス応用に向けた超臨界二酸化炭素を用いた無電解めっきによる繊維材料のメタライゼーション』で、著者は東京工業大学の邱琬婷さんと他数名の方々です。

記事の内容

この記事ではタイトルの通り、ウェアラブルデバイスで必要となるポリマー繊維のメタライジング(金属を表面に成膜する)技術として、超臨界二酸化炭素を使った無電解めっき技術が紹介されています。

ポリマー繊維のメタライジングは、衣服や家具に使われる繊維上にデバイスを実装するために必要な技術であると説明されています。

通常の無電解めっきと超臨界二酸化炭素を使った無電めっきを比較品がら、ナイロン6,6、シルク、PETをメタライズした結果が掲載されています。

”超臨界”が付くだけでカッコイイですね。

ポイント

  • 超臨界二酸化炭素は気体のような拡散性と様々な溶質に対して高溶解性を持つため、無電解めっきの触媒となる有機Pd錯体をポリマー内部に浸透させることが出来る

  • この技術を使うことで、表面を荒らす必要がなく、ポリマー劣化を抑制しながら、高密着な金属膜を成膜することが出来る

  • 生体適合性の高い繊維材料であるナイロン6,6、シルク、PETに対してプラチナ被覆することが出来た。ただし、すべての材料に画一的な方法で処理できるわけではなく、材料毎のチューニングが必要

今日は以上です。


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