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〈鉄材料の勉強〉鉄と鉄鋼がわかる本(5)

こんにちは。
新日鉄の『鉄と鋼がわかる本』で、鉄材料の勉強をしています。
以下サイトを見ると、続編が出てるんですね。

やっと第3章に辿り着きました。

第3章

第3章は精錬工程と鋼を作るための半製品である鋼片を鋳造するまでの話です。
精錬工程は、主に転炉を使った1次精錬と脱ガス装置を使った2次精錬に分かれるようです。(一次精錬の前に溶銑予備処理が行われます)

鋼は炭素濃度が1.2%以下のものが一般的のようです。一方、炭素濃度2%以上のものは硬くて加工しにくい材料になるようです。

精錬工程では、炭素と、不純物である硫黄やケイ素をどのように除去するかが重要です。

転炉による一次精錬

転炉では、炭素を含め、不純物を除去するために、スラグと反応させたり、酸素を吹き込むことにより、酸化させて除去するようです。

本文内では、硫黄やケイ素などの不純物を除去する工程を「溶銑予備処理」、炭素を除去する工程を「一次精錬」と呼ぶと鬼才れています。
予備処理である程度の不純物を取って、一次精錬で炭素と一緒に更に不純物を減らすイメージです。

転炉の中では、上部からの高圧酸素ガスと下部の不活性ガスで、スラグと溶銑が攪拌されて反応が進みます。

炭素はスラグとして安定化し、転炉上部に浮上します。硫黄やケイ素まどの不純物を含む化合物も比重が軽いため、上部のスラグに取り込まれて除去される仕組みのようです。

この反応は、溶銑に含まれる炭素と供給される酸素の燃焼反応による熱を利用しているため、外部からエネルギーを投入する必要がないということで、他の製錬方法よりもエネルギー効率が高いようです。

スラグは2度使う

MURC(Multi-refining Converter)法と呼ばれる手法では、スラグは2度使用されます。
この方法では、一次精錬で使用したスラグを次バッチの溶銑予備処理工程で使用するというものです。
溶銑予備処理工程は、一次精錬程の純度が求められないので、再利用したスラグを用いても十分効果があるようです。
ちなみに、MURC法は日本が誇る技術ということですが、実際どうなんでしょうか?

2次精錬で脱ガス

一次精錬後の溶鋼を真空槽で脱ガスするのが二次精錬です。
ここでは、脱炭、脱水素、脱窒素、脱酸が行われます。

基本的な原理は、真空中に液体を入れると中のガスが抜けていくのと同じです。

技術的に面白かったのは「RH真空脱ガス法」です。
これは、真空炉と転炉の間で溶鋼を還流させながら処理する方法で、それ以前のDH真空脱ガス法よりも反応面積が大きいため生産性が高いのが特徴です。

更に脱ガスだけでなく、真空槽側で酸素を吹き込むと、溶鋼中の炭素が燃焼しCOとして除去されるので、10ppm以下の超低炭素鋼を作ることができます。
吹き込むガスの種類を変えることで、ケイ素などの不純物量を調整することができるので、電磁鋼板との作り分けもできるということです。

この当たりの技術は20年前の話ですが、今どうなっているのか、余裕があれば調べたいです。(調べないと思います)

次は鋳造工程

上記の精錬工程を通過した溶鋼は、次工程の連続鋳造機に送られます。

今日は以上です。

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