見出し画像

月刊プレイリストボーイ2023年10月号

【今月のプレイリスト】


1.Angry/ローリング・ストーンズ
ホンマに新曲か?ってくらいストーンズ健在っぷりが嬉しい新譜のオープニング曲。「don't get angry with me(オレに腹を立てるなよ)」は本当は「オマエら、なんで怒らねーんだ」と言っているのだと勝手に捉えてる。そうすると「やったろやないけ!」という気持ちになれるのだ。1日の始まりには必ず聴こう。

2.更衣室ディストピア/大森靖子
中毒性の高い曲である。岡村靖幸的なバイブスとでも言おうか。。。掴みどころのない歌だが、女の子の苦悶が赤裸々であることは伝わる。

3.Some Like It Hot/パワーステーション
前曲の流れから濃いめセクシャルナンバーを欲した。ゴージャス&テクニカルな80'Sトレンドのなかでも、最もやり過ぎな曲。まるで高級コロンに男性ホルモンが溶け出したかのようなロバート・パーマーのエグさが超カッコいい。

4.Eye For An Eye/リナ・サワヤマ
映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」のエンディング曲。PJハーヴェイっぽいなという印象。映画にも出てたリナ・サワヤマの近未来のクノイチっぽい佇まいがジョン・ウィックの世界にバッチリハマってた。何よりcoolなオリエンタル顔が絵になる。

5.唱/Ado
U.S.Jのハロウィーン・ナイトでゾンビが踊り出す時に流れる曲。今年はこれだった。正直、オジサンには忙しなくやかまし過ぎるが、あの演出のなかでは確かにアガる。

6.This Is Home(Bright-side Mix)
/ピーター・ガブリエル

ピーガブの満月配信曲。モータウンのリズムセクションを意識したという。確かにトニー・レヴィンにしてはシンプルなベースラインだが、音色というか響きの重厚感はやっぱりプログレ的だ。

7.Osage Oil Boom/ロビー・ロバートソン
映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」のサントラから。米政府によりオクラホマの不毛地帯に追いやられたオセージ族が石油を発掘するシーンで流れる曲、アフロチックなリズムにかぶさる、一発でロビー・ロバートソンとわかるキレのあるカッティングがイカす。

8.Jhonny l Hardly Knew Ye(Live)
/アイリッシュ・ローバーズ

二度と読みたくないというか読めない小説、ドルトン・トランボの「ジョニーは戦場に行った」の元ネタであるといわれてる古い反戦歌。変わり果てた姿で戦地から帰って来たJohnnyを嘆く歌。愛する人の犠牲にうえに、国家間の勝った負けたなど何の価値もない。

9.My Heart,My Life
/ヌスラト・ファテー・アリー・ハーン
&マイケル・ブルック

ピーガブが担当したマーティン・スコセッシの映画「passion(最後の誘惑)」の音楽に参加したことで有名になったヌスラト・ファテー・アリー・ハーンは「カーワッリー」と呼ばれるイスラムの宗教賛歌の歌い手。以降の作品を掘ってみたらこの曲に出会った。雄叫びを抑えた優しめの歌唱だが、芯の部分がジーンと熱い。演奏もリズムも何もかもが素晴らしい。

10.Levee/ウィルコ
先月出た新譜から。聴き込むほど、ケイト・ル・ボンとの相性に陶然とする。とにかくライブが楽しみだ。

11.僕と君の最小公倍数
今の山崎まさよしは空虚なんだと思う。それこそ今までとちがう最小公倍数を探っているのだと。それはライブパフォーマーとしては当然だと思うし、自分は出来るだけ音楽家のそんな逡巡や葛藤に寛容なリスナーでいたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?