月刊プレイリストボーイ2024年3月号
【今月のプレイリスト】
1.HAPPY BIRTHDAY/OKAMOTO'S
誕生日を迎えた3月2日。歯茎の炎症が悪化して酒も飲めず、なんばで映画を観たあと松屋でカレーを食べて帰った。シャンパンともロウソクとも無縁の誕生日だが、まだ51本のロウソクを吹き消すくらいの元気はあるぜ。こういう曲調はレイジくんの父君・延原達治氏のザ・プライベーツを何となく思い出す。
2.Sailin' Shose/リトル・フィート
件の政倫審。党のおエラ方らが、のらりくらりと無為な駄弁を繰り返すなか、西田昌司氏の弁明だけは興味深く聞いた。真相解明には遠いが、少なくとも西田氏自身が還付金をどう処理したのかは明確にしていたし、不記載が常態化する仕組みや政治資金規正法と税法の盲点などは、見えた気がする。で、何故この曲か?政倫審→セイリンシン→Sailin' Shose…バンザーイ🙌
3.Isn't It A Pity(Live)/ニーナ・シモン
映画「ボーはおそれている」の終盤、ボーが漸く実家に戻ったシーンで流れる。それまでのドタバタやバッドトリップから一転、誰もいない邸宅の不気味な静けさ。抑えめの音量で崩した歌い方ではあったが、ジョージのあの曲だということはすぐわかった。後にこれがニーナ・シモンによるカバーと知り、少々意外に思った。
4.Humming Bird/ウィルコ
3月8日のなんばhatch公演は、生涯ベストを更新したかも知れないほどスゴいLiveだった。この曲は中盤あたり、それまでの緊張感を一旦ほぐすようなムードで演奏された。背後に密着する距離にいた西洋人のお姉さん2人組が、「Remember to remember me Standing still in your past Floating fast like a hummingbird 」と粋に体を揺らしながら歌っていた。これから先、この季節になるとそのことを思い出すだろうな。
5.P.I.M.P.
/バカオ・リズム・アンド・スティール・バンド
映画「落下の解剖学」の冒頭シーン、サンドラが大学生からインタビューを受けている時、夫のサミュエルが明らかにそれを邪魔する意図を持って大音量で流す曲。オリジナルは「50セント」というアメリカのラッパーの曲らしい。トロピカルイメージとかけ離れたスティールパンという点で「リトル・テンポ」を思い出したりもするが、こんなにトゲトゲしい音のスティールパンを聞いたことがない。
6.Bama Lama Bama Loo
/リトル・リチャード
ドキュメンタリー映画「アイ・アム・エヴリシング」に因んで。ゴスペルシンガーに転向したリトル・リチャードがロックンロールに復帰した1964年にレコーディングした曲。高校生の時に買った22曲入りベスト盤のいちばん最後に収録されていたのがこれだった。コステロのカバーバージョンも好き。似た曲が多いリトル・リチャードのなかでも特に思い入れの強い曲。
7.La Foule/エディット・ピアフ
映画「ドッグマン」から。ダグラスがキャバレーの初舞台で車椅子から立ち上がって熱唱する曲。陰キャの女装男が誰よりも輝く、感動的なシーンだった。
8.Is It Too Late?/ワールド・パーティ
3月10日にカール・ウォリンジャーが亡くなったことを、ピーター・バラカンのラジオで知った。番組一本分を使って放送してくれた追悼特集によって、知らなかった曲をたくさん知り、ワールド・パーティ熱が再燃中である。この曲は当時入手できなかった2ndアルバム「Good-by Jumbo」のオープニング曲。環境問題に対して「もう遅いのか?」と憂いたこの歌から、もう30年以上経ったのだ。
9.地球温暖化行進曲/植木等
これも1990年の曲。気候変動による危機は、思ったより早く進んでしまっていて、「ハイ、それまでよ」では済まない状況に来ている。にしてもこの曲、リズムの構成がエグいな。
10.AMAPOLA /沢田研二
子供の頃から可愛いがってくれていた叔母が、3月21日に他界した。病床の傍らにオレが書いた手紙をずっと置いていたと、長女から聞いた。入院当初、寂しがりの叔母にせがまれて渋々書いた手紙で、何を書いたのか覚えていないけど、「元気になったらまた会おうね」と結んだのだった。ずっとしてもらってばっかりで、あの手紙くらいしか返せなかったな。ジュリーに熱狂していた若い頃の叔母を思い出しながら。
11.春になれば/中村一義
春を迎える心構えみたいな歌。春を、再スタートと捉えるなら、不甲斐ない自分自身も乗り越えて行けるかも。
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