マガジンのカバー画像

むらログ

157
運営しているクリエイター

#教育

災害時の緊急日本語教育支援

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 【苦い思い出】さて、 僕がエジプトのカイロ日本文化センターで働いていた時に、シリアで内戦が始まり、出張したこともある日本語教育機関での苦境を耳にしておきながら、実際には何の支援もできなかったという苦い記憶があります。 ただそれを今思い起こすと、主な原因はインターネット越しの支援に限界があったからなんですよね。 先生方ともろくに連絡が取れず、生きているのかすらわからないという状況でした。仮に先生方と連絡が

僕が短い動画ばかり作る理由

冒険家の皆さん、今日も狼の群れに囲まれて木の上で助けを待っていますか? 今日は、僕がどうしてLoomの有料版や教育機関バージョンを使わないのかということについて、書いてみたいと思います。 まず、「Loom」というのはパソコンの画面を撮影するためのChrome拡張機能です。画面と一緒に自分の顔も入れることができるので、教師による反転授業の動画などによく使われています。2021年2月の時点では、無料版では5分までしか録画できませんが、有料版にしたり、教育機関用と認定されたりす

相互評価の効率的な数値化

冒険家の皆さん、今日もオアシスの焚き火のそばで羊の丸焼きにかじりついていますか。 さて、この記事では効率的な評価の難しい学生同士の相互評価を、どのように行うかについて書いてみたいと思います。 これは先週のハナキンで、僕が思いついたことに付き合ってくださった皆さんのおかげでもあります。まずは皆さんにお礼を申し上げたいと思います。 【相互評価が必要な理由】本題に入る前に、なぜ学生同士の相互評価が必要なのかについて簡単に書いておきます。 学生同士の相互評価が必要な理由を一言

会議室が50室も使い放題で、100人まで入れるオフィスが月額15ドルで借りられます。

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? タイトルは釣りです。すみません。要するにZoomのことです。Zoomでリモートワークしませんか?という話です。 リモートの仕事をするとその人が本当に働いているかどうかわからないという心配をしてしまうのが、経営者だと思います。その場合、せめて顔が見えているだけでも、だいぶその心配は減らせるのではないでしょうか。まあ、実際、Zoomでつながっていたらビーチで日光浴とかできませんよね。 それでこんなことをし

自動採点機能付きGoogleフォームの作成手順の動画を作りました。

冒険家の皆さん、今日もフタコブラクダに揺られて吹雪の大雪原を横断していますか? さて、職場でやっている「日本語教師のための初めての Web サイト作成」というオンラインコースで、自分の Web サイトに自動採点機能付きのグーグルフォームを埋め込むというのをやりました。 このコースは完全に反転授業になっていて、皆さんには僕が事前に作ったビデオを見ながら、ライブのズームの時間中に作業を行って頂いています。基本的に皆さんは僕のビデオを見ながら自分のパソコンで操作をしているので、

勉強する理由を客観的な根拠で主張しよう

冒険家の皆さん、今日もオールドタウンのビルの屋上にロボリレーを設置してウィルスに感染したロボットを無効化していますか? さて、最近、特に文系の科目に対する風当たりが強いようですが、それに対する反論があまりにも説得力がないので、今日はその点について書いてみたいと思います。 勉強する意義を説明しない日本の教育カナダに来てから日本とは違うなと思ったことはいくつもありますが、その中の一つに、どのような学校にも、何らかの科目を勉強する意味が説明されているポスターが必ずあるという点が

異世界転送の用意はいいか 語学教師のためのVR入門

はじめにこの本を手に取っていただき、ありがとうございます。ただ、もしあなたがこの「はじめに」を読んでいるのが、東京オリンピックより後だったりすると、もしかしたらこの本の内容はもう時代遅れになっているかもしれません。僕がこの本を書いているのは2019年の夏です。 仮想現実技術(以降「VR」と表記します) の世界は非常に進歩が早いので、1年も経っていればおそらく状況は大きく変わっていることでしょう。もしこの本以外にも、 VR と教育に関するもっと新しい本があれば、そちらを購入す

有料
250

VRの勉強をして海外ルーツの子どもたちの日本語教育を支援しよう!

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 引用させていただいた方などにはもうすでにお知らせしておりますが、このブログで7月と8月に固めて書いた VR 技術と教育の関係についての十本の記事を、まとめて Kindle の本にしました。 この本の収益の全額(定価の70%)を、いつものように「海外にルーツを持つ子どもと若者のための日本語教育・学習支援事業」を実施しているNPO法人YSCグローバル・スクール(青少年自立援助センター) に寄付いたします。

これから VR の事を勉強してみたい教師の皆さんへ

冒険家の皆さん、今日もモーフィアスに差し出された赤い錠剤を飲んでVRの世界から覚醒していますか? さて、これまで VR のことを5回に分けて書いてきました。まだまだ書きたいこともあるのですが、 VR 以外にも書きたいことがたくさんあるので、とりあえずこれを持って一段落したいと思います。 最後に皆さんにお伝えしたいのは、 VR に興味を持った日本語教師の方が、どのように情報収集をするかということです。 【日本国内のVRゲームセンター】何度も申し上げていますが、 VR はまずご

没入感(VRで教育効果が高まる理由1)

冒険家の皆さん、今日も異世界でスライムに転生していますか? 【なぜ VR には教育効果があるのか】 さて、 VR には教育効果があるという実証的な研究をいくつもご紹介してきましたが、これらは結果だけであって、その理由についてはまだあまり詳しい研究はされてないように思います。 ですのでこれはあくまでも僕の個人的な考えなのですが、なぜVRには教育効果があるのかというと、一番大きいのはやはりその没入感ではないかと思っています。たいへん残念なことにこの没入感は文章や二次元の動画で

外国語教育における VR 技術の応用の実践例

冒険家の皆さん、今日も異世界で暴風竜ヴェルドラを召喚していますか? さて、昨日は VR が一般企業での研修などに大量に使われていると言うことをご紹介したところで時間になってしまいました。今日は実際に外国語習得の分野での利用についてご紹介してみたいと思います。 【VRは外国語教育にこそ向いている】VR が教育に使われている記事などを読んでみると、化学の分子構造を立体的に見たり、中東の紛争地域の360°の実写動画の中に入ったり、昨日ご紹介した恐竜の時代の地球を体験したりといっ