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むらログ

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#むらログ

オンラインでの中級読解ネタ

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 「オンライン授業の後半の読解の授業で何をしたらいいか」という質問を時々聞きますので、今日はそのことについて書いてみたいと思います。中級後半なら読解補助ツールを使えばほとんどの生教材を読むことができますよね。それで僕が皆さんにお伝えしているのは大体いつも以下の二つの点です。 ひとつは上にも書いたように読解の補助ツールを使うということです。 もう一つは学習者の好きな分野の内容をたくさん読んでもらうというこ

「SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術」

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 今日は樺沢紫苑氏の 「SNSの超プロが教えるソーシャルメディア文章術」について、書いてみたいと思います。 この本は実は「日本語を第二言語として学ぶ人たちの教科書として使えるかな」と思って読んでみたのですが、そこはちょっと微妙という結論になりました。もちろん、これはこの本が悪いわけではなく、単にこの本が日本語の母語話者を対象にしているというだけのことです。 非常に示唆に富む本なのですが、まず最初に一番気

集団での迅速な意思決定方法

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? さて Twitter ではもうご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが 、オンラインで 効率的にアイデア出しをして 意見を集約する方法をご紹介したいと思います。 これは普通の仕事の時でも使えると思いますし、プロジェクト学習などの教室でも迅速な意思決定をすることができるのでお勧めです。 本題の前に、まずその前提の知識を二つご紹介します。 「Google スプレッドシートや Google フォームの新規

RecRoomで学ぶ日本語

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? さて、Facebookで僕の友達になっている方はご存知かもしれませんが、僕はときどきVRでレックルーム(RecRoom)というアプリの中のゴールデントロフィー(Quest for the golden trophy)というゲームをやっています。 これは僕のプレイ動画ではありませんが YouTube で探すとこのようなものがたくさん見つかります。 このゲームはジャンルとしては「FPS」というものです。F

電子化で給料アップ

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? この記事では「デジタルな日本語教育機関は給料が高く、アナログな学校は給料が低い」ということを書きます。 先日、Twitterで以下の質問をしました。 「研修の企画の参考にするので、#日本語教師 の皆様にお伺いします。 みなさんの職場はどれに該当しますか。 A デジタルで給料は高め B デジタルで給料は低め C アナログで給料は高め D アナログで給料は低め 判断の基準は、ご自身で思う業界の平均に比

ようやくGoogle Meetデビュー

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? さて、Google Meet にブレイクアウトが実装されてから初めて、Google Meet を使ってみました。というより、遊びで使ったことはありますが、仕事で使ったのは初めてです。いつもChromebookとかGoogle系の話ばかりしているので驚かれるかもしれませんね。今日は、その第一印象をあくまでも僕の視点から書いてみたいと思います。 その前に、なぜZoomではなくMeetなのかというと、これはイ

オンラインで思い知れ、KYの痛みを

冒険家の皆さん、今日もシェルドン・クーパーに子守唄をせがまれて困っていますか? さて、今日の記事は過激なタイトルになってしまいまして、申し訳ありません。しかしこれはとても大事なことなので、やはりタイトルはこのままで行くことにしました。この記事で僕が言いたいことはたった一つです。KYではない定型的な発達を遂げてきたコミュニケーション能力の高い皆さんにとって、「オンライン化で空気が読めない」ということはKYと呼ばれている空気が読めない人達の気持ちを知るのにとても素晴らしい機会だ

2021年にやりたいこと

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? さて、今年最初の記事は、やはり今年何をしたいかについて書いてみたいと思います。これを書くことによって自分の意識が整理されますし、自分に対しての縛りにもなるんですよね。その一方で、実現できなかったとしても僕以外には誰も覚えていませんから、恥ずかしいことは何もありません(^^) 【語学教育における経験学習】で、今年何をやりたいかと言うと、一番重要なのは経験学習と語学教育の冒険です。というのもインドでは国家教

冒険とつながり - むらログ2020

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? さて、ただいま「冒険とつながり - むらログ2020」本文の編集を終えたところです。 こうして全体を振り返ってみると、個人的には今年の一番の大きな変化はやはり「#Zoomでハナキン」が始まったこと以外には考えられません。2018年には「 Twitter 日本語教育元年」として SNS 上の開かれた日本語教育関係者のネットワークがこれまでとは比較にならない規模で動き始めたということを書きましたが、2020

自動採点を使ってみたい先生へ

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 今日は自動採点の入り口として、まだ使ったことがない人にテンプレをご紹介します。 以下のような自動採点のできるGoogleフォームが簡単に作れます。 https://forms.gle/1SEETk46i2JX7CzL6【テンプレ一覧】 テンプレはこちらです。 【テンプレ一覧】テンプレはこちらです。 自動採点テンプレ01 https://docs.google.com/forms/d/1Cm2ysXw

オーディオリンガルの歴史的位置づけ

冒険家の皆さん、今日も降りしきる雪の中でヒノカミ神楽円舞を舞っていますか? さて、今日は「日本語教育史においてオーディオリンガルは過去のものと認識されている」ということについて書きます。これは日本語教育の歴史の中ではかなり基本的なことですが、きちんと勉強する機会のなかった人が僕の予想よりかなり多いようです。 ご覧の通り、「みんなの日本語」がオーディオリンガルであることは7割程度の方が正しく認識できている一方で、「日本語教育史においてオーディオリンガルは過去のものと認識され

年度末までやることがない時は

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか? 日本国内の日本語学校では、12月のJLPTや大学入試が終わってしまうと「年度末まで何をやればいいか分からない」という声をときどき聞きます。今日は「そんなときこそ自律学習の出番だ」ということを書いてみたいと思います。 なぜこのような状況が起きるかというと、それまでは「受験」という全員に共通した目標があったのに、それがなくなってしまっているからです。そして二番目に大事な目標は学習者によってまったく違うのです