定期的に訪れる「似合わない」

なんだかそうなのだ
年をとったのか?はたまたメイクと服に親和性がないのか?

とにかく、ある日突然お気に入りのワンピースが似合わなくなったのだ



初めてそれを明確に感じたのは、24歳のとき。
大学3年の時に買った古着のワンピースが大変気に入っており
周りからも似合うと褒められていたので
ここぞという場面で何度も着ていた。

またここぞと言う場面がきた。
久しぶりにあのワンピースに袖を通し、メイクもバッチリきめた。(当社比)
ボブの毛先を巻いてふんわり。

さ、どれぐらい可愛くなったかしらと全身鏡の前に立った


「ん?あれ」

独り言が何度でも出た。


なんか、似合わない。
そう、ハッキリ言って似合わないのだ。

すごく気に入っていた。スカートの長さも膝丈ほどで、色も柄も上品に見える年相応の服装だと思っていた。

おそらく初めて「くすみ」を認識した瞬間である。
肌色とかメイクとかそういう表面的ものではなく、精神的、肉体的に加齢と共に襲われる人生初の「くすみ」に心と目がまだ対応出来ていなかったのだ。


“今のままではダメだぞ”


そう言われているような感覚
10代の頃の無敵の感覚はなくし、大人として一皮むけないといけない
そんなことを言われた気がした私が、鏡に映し出されたのであろう


それからというもの、ふわふわのシルエットのお気に入りのワンピースを捨て、
逆のボディラインに沿うようなシルエットの服を着るようになった

これが良かったようで、なんかモテた。
ただ、良いモテ方ではないような気もするので、この辺は黒歴史である。
蓋をさせていただく。


そんな洋服生活を続けていると、次は体型に問題が出てきた。
30歳を越えた日を境に段々と、端的に言えば10kg太ってしまった。

皆さまの記憶にも新しいであろう、
新型コロナウィルスの影響で「ステイホーム」が言い渡され
家で晩酌をするようになった。
外出できないストレスと、誰にも会わないし…という怠慢心から
ぶくぶくと大きく肥えていったのだ。

そうなるともう、入る服はなく、ウエストゴムやふんわりシルエットの
よく伸びる服は大体友達。
24歳の時とは違ったゆるやかな服装になっていった。
似合う似合わないよりも「入る服」に移行するのであった。


そして紆余曲折ありながら
あの頃から約10kgの減量に成功したのだが、
今度はまた「似合う服探し」に翻弄している。


24歳で初めて体験した「くすみ」とはまた違ったくすみを体感している。
また一皮剥けろと言われているようだ。

若い子が着てるゆるいカジュアルな服が大好きなのだが、
似合わなくなってきた。
せっかく着られる服が増えたというのに…

こうして、また私は次のじぶんへ出会うために
服屋さんへ試着する旅に出るのだ。
いつか脱皮できると信じて。






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