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カレイシュウ嫌い、ニンチショウ怖い

「これ、読んでみて。いいこと書いてる」

日頃から私の健康管理にうるさい妻が持ってきた『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド出版)。著者はかつてテレビでよく拝見した松原英多氏です。

いわゆるハウツー本でイラスト多め、短文で箇条書きも多用して読みやすい。私のいま最大の関心事「認知症予防」がテーマなので一気に読了。

正直、そんなに目新しい情報はありませんでした。食事や運動の工夫がメインで、拍子抜けするほど簡単なことばかりですが、脳だけでなく健康全般にまつわる知識は得られます。

もともとオカリナを始めたきっかけは「ボケ予防」だったから、欲をいえば音楽のことも盛り込んでほしかった。

ただ、今回あらためて再確認したのは「脳の血流促進」の大切さです。
松原氏が本のなかで縷々紹介されている自身の習慣も、すべてがここに集約されると想います。

脳は筋肉と同じ、鍛えるほど老化は遅くなる

たとえば「食後にガム1枚」を習慣にする、足を動かして血液の循環をよくする、好きな本を読んで脳の血流をアップ、いくつになってもオシャレに気を使う、など。

昔、脳に関する本を読みあさったとき、心に刺さった言葉が「脳の可塑性」です。

というのも、かつては20歳を過ぎると脳細胞は1日数万個ずつ減り続けると脅されていました。しかし、人間は脳細胞を一つひとつ単独で使っているわけではなくシナプス(配線)によるネットワークで活動しています。

ですから、脳は筋肉と同じで、鍛えれば鍛えるほど老化が遅くなるし、逆に刺激をあたえることを怠ればとめどもなく退化していくのです。

いくつになっても旺盛な好奇心を持ち続け、未知のことに挑戦し、感動し続けること――これが老後になってもボケることのない脳をつる、と。

歌うことも、俳句を詠むことも、散歩をすることも、料理を覚えることも、全部、脳への刺激となり、新たな配線(シナプス)を生み出す元となるので、必要以上に老化を怖がることはない、と。

ちなみに、私がかつて憧れた〝元気老人〟の故・大島清先生(脳学者)は、人間は何歳になっても「カ・キ・ク・ケ・コ」が大切という持論を語っていました。

カ)感動
キ)興味
ク)工夫
ケ)健康
コ)恋

私たちがむしろ注意しなければならなのは「血管の老化」でしょう。

脳だけでなく人間の臓器はすべて血液によって供給される酸素と栄養で機能してわけで、それが年とともにサビついたり傷ついたりして機能が低下していくのです。

運動が難しいなら“浴槽入浴”で体温を上げる

松原氏も本のなかで「脳は血管とともに老いる」と述べ、最大のリスク要因として「高血圧」「糖尿病」をあげ、血圧・血糖値を下げる食事の工夫などをアドバイスしています。

言い忘れましたが、食事とともに大切な運動について松原氏は「鍛える運動は不要」と断言、「運動が難しいなら“浴槽入浴”で体温を上げる」ことを勧めており、この点が一番興味深かったですね。

「低体温による免疫力の低下を防ぐ」という意味でも「遠くの温泉より近くの銭湯」が有効である、と。

昔から銭湯好きの私にとってはとても勇気づけられました。

実はいま、長期の仕事で北海道・登別温泉に来ていて、毎日、温泉三昧なんです。今日もこれを書き終えたら名湯に入ります。

(オカリナと天然石が大好きなマーマレードHappyさん。エレクトーンとのコラボで軽快な演奏です)

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