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音楽における秋の色は“さびしさ”

秋の行楽シーズン。全国旅行支援も加わり、各地の観光地は賑わってます。

テレビのニュース映像をみていてわかるのは、世の中が確実に「秋色」になっているということ。紅葉などの自然はもちろんですが、人々の服装も落ち着いた色合いのグラデーションになっています。

ところで、秋らしい色って何でしょう?

かなり前のことですが、カラーコーディネーターの仕事&資格を紹介する本を上梓したとき、私自身の「パーソナルカラー」を調べてもらいました。

パーソナルカラーとは、第三者から見て「似合う色」のことです。

人には持って生まれたボディカラー(肌の色、瞳の色、髪の色)があり、それにマッチした色がわかれば自身の魅力をアップさせることができる、と。人それぞれに好きな色があるはず。ですが、好きな色が必ずしも似合う色とは限りません。

パーソナルカラーは「秋」

私が体験した「パーソナルカラー診断」で面白かったのは、春・夏・秋・冬の4つの季節に分類された色のグループのなかから、似合う色を見つけだす手法です。

大きな鏡の前に座って、カラーコーディネーターが色見本帳のようなドレープ(布)を次々と肩口から垂らして分析していくのですが、詳しいことは省略するとして、診断の結果、私のパーソナルカラーは「秋」でした。

こうしてみると、秋らしい色って結局のところ、自然そのものを反映していることがわかります。

紅葉・黄葉、銀杏、稲穂、ススキは秋ならではの風景に欠かせないし、柿、ミカン、さつまいも、きのこ、栗はなどは秋に旬の食べものです。

秋を感じさせる色とは「赤・オレンジ・黄色・茶色」の暖色系で、しかも、明るさや鮮やかさを抑えた落ち着きのある色ということになります。

私は昔からどういうわけか茶系統の色が好きで、それもコーヒーにミルクを入れてかき混ぜたときの茶色です。「カラーセラピーライフ」というサイトで調べたら「コーヒーブラウン」でした。

ひとくちに茶色といっても105 種類もあり、びっくりしましたが、いずれにせよ「好みの色」と「似合う色」が一致して安堵(?)しました。

自然はつねに循環しており、サイクルがあります。木々の葉も春から初夏にかけてまぶしい新緑で、夏にかけて濃い緑となり、秋には枯葉となると。

枯葉はだいたい茶系統ですから“秋の色=茶色”といわれる所以でしょう。

枯葉といえば、以前、私が通っているオカリナ教室「リーナ★リーナ」で、課題曲として出されたことがあります。

有名なシャンソンの名曲ですが、先生の指導がハイレベルすぎてついていくのに必死だったのを覚えています。結局、その後は吹いていません。

失恋や別れをテーマにしたものが大半

1946年に製作されたフランス映画「夜の門」の挿入歌。当時、新人歌手だったイブ・モンタンが劇中で歌った曲です。

──映画共々ヒットしなかった。しかし、これに続いて当時人気があった知性派のシャンソン歌手ジュリエット・グレコが歌ったことで「枯葉」は世に認知されるようになり、(略)シャンソン界のスタンダード曲となった。

(ウィキペディア)

別れた恋人を偲ぶ歌で、これに限らず、秋をテーマにした楽曲は昭和歌謡からアニソン、今日まで失恋や別れをテーマにしたものが大半です。

ですから、音楽における「秋の色」は“さびしさ”かもしれません。

ネットに掲載されているランキングで、私の記憶に少しでも残っているものをあげると、

「秋の気配」(オフコース)
「思秋期」(岩崎宏美)
「秋止符」(アリス)
「茜色の約束」(いきものがかり)
「オレンジ」(スマップ)

など、いずれももの悲しい曲です。

唯一、唱歌・童謡は別で、心あたたまる優しい歌が多いです。「夕焼け小焼け」「紅葉」「ちいさい秋みつけた」「里の秋」「赤とんぼ」など、素直に秋の情景を歌っています。歌っていると心が穏やかになるから不思議です。

                (ミルテさんのオカリナ「里の秋」)

「赤とんぼ」(三木露風作詞、山田耕筰作曲)は、数ある童謡のなかでつねにトップの人気を保っていますが、私はずいぶん長いあいだ、一番目の歌詞にある「負われて」を「追われて」と勘違いしていました。

美しい夕焼けもまた、秋を代表する色ですね。それはともかく、同じとんぼでも、長渕剛さんが歌う「とんぼ」は痺れるくらいにカッコいい!

夢と希望を抱いて上京したけれど、挫折した若者の心象風景──よくある話ですが、曲中に出てくる「死にたいくらいに憧れた東京のバカヤローが」にいたく共感しました。最後のリフレインもいいですね。

ああ しあわせのとんぼよ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせのとんぼが ほら
舌を出して笑ってらあ♪

(関稔さんの「とんぼ」。YouTubeでこの曲を吹いているのはここだけ)

「とんぼ」は1988年秋に放映(TBS 系)された同名のドラマの主題歌なのですが、私は観ておりません。この曲を知ったのは、プロ野球の清原和博選手(西武・巨人)が球場で登場の際に流す自身のテーマ曲にしていたから。


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