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【詩】砂の城


青空のもと、砂浜に夢を込めて  砂の城

水平線の彼方  ゆらめく蜃気楼

憧れ込めて  砂の城

カモメが笑う

海風そよぐ

波は煌めき

眩しさに目を細め・・・

やがて・・・


やがて  雲が流れる

空は灰に塗り替わる

波が

波が  砂の城をさらってゆく

ああ  崩れてゆく

砂が  夢が

手の平から

こぼれ落ちる

こぼれ落ちてゆく

蜃気楼は歪み

足元には  ああ  所詮  砂上の楼閣

海猫が嗤う

波が足を掬う

こんなもの  こんなもの


もう、幕は降りた

夜の幕を降ろそう

夜空の星は遠い

ただ

しかし

夢込めた砂を、波がさらい

夢の残骸は、海に溶け出す

そして  闇に煌めく、夢の欠片







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