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voice_watanabe
【詩】くちびるに紅を
闇にぬらりと煌めく貴方の唇
丹念にあなた、紅を塗りましょう
私の指からその唇へ
丹念に 丹念に
塗り込みましょう
ああ、貴方の唇の、なんと冷たいこと
私の熱を練り込んでやりましょう
これは、毒
貴方を縛り付ける、甘い、毒
それを貴方の唇の、その裏側に
痺れるように、ああ、
塗り込んでやりましょう
聞こえるのは、さめざめと雨の音。
ああ、時雨れてゆく。
ぬらり、とろける貴方の唇。
外は雨。
降り込められた私たち。
雨音に紛れ、細くかすれる貴方の声。
闇に目をこらす。
こっちを見て。
外は雨。
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