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他人の物語を生きると、敗北する。

映画「ワンチャンス」を見ました。面白かったです。

そして、この映画に、スタートアップ企業としても教訓を得られると感じたので、その感想を書いてみます。

[ 映画のストーリー ]

この映画のストーリーは、いじめられっ子で冴えない人間だった主人公が、携帯ショップ店員をしながらオペラ歌手になる夢を抱き続けます。
そして、憧れのオペラ歌手の前で歌えるという大きなチャンスを得たものの、そのオペラ歌手に「君はオペラ歌手にはなれない」と言い切られます。
最後に、オーディション番組で優勝し、アルバムのダブルミリオン販売を達成する歌手になるという実話を元にした物語です。

[強い想いがあるからこそ、惑わされそうになる]

この映画から、スタートアップの起業家としても、色々と学ぶことができると感じました。

スタートアップでは、色んな成功論が飛び交っています。

そういう話の中で「自分のやり方じゃうまく行かない」とか、「自分は起業家の才能がないのでは」とか、言われているような気になることもたくさんあります。すごく実績のある方に、「君じゃうまくいかないと思うよ」と言われることもあるでしょう。

もちろん、そんなことで折れるようなら起業家としてやっていけないと思いますが、慣れるまで1つ1つにショックを受けるものだと思うのです。

そして、もし、目の前で心から尊敬する起業家や事業家に真っ向から否定されたら、やはりその衝撃は大きいかもしれません。

[ 映画"ワンチャンス"に共感したこと ]

映画の中では、その状況が見事に演出されていました。(ぜひ、見てください。)

主人公ポール・ポッツは、憧れていたオペラ歌手であるパヴァロッティ氏に、「君はオペラ歌手になれない。」と言い切られてショックを受けてしまいます。

想像するだけでも絶望的なシチュエーションですね。

主人公はその言葉を受けて、一度諦めかけてしまいます。

立ち直ろうと小さなチャンスを得た時にも、不運が重なり、病気になり「手術をしたら、もう一生歌えないかもしれない」という時期も過ごします。

それでも、奥様の助けもあり、最後に大逆転でチャンスを掴むという話です。

この映画から共感し、学んだことは、

想い入れが強いほど、挫折(障壁に当たるショック)は大きい

やり続けてさえいれば、チャンスが来る

誰も真実を知っていないが、知っているかのように見える

ということです。

これは、まさにスタートアップでも同じだな、と思いました。


[ 他人の物語を生きてはいけない ]

尊敬する人の一言は、時に空を羽ばたく翼を授けてくれるようなものであり、時には、海の底に沈められる、足に巻きつけられた鉄球のような物にもなってしまいます。

でも、これって受け手の心の準備次第ではないのかな、と思いました。


他人の一言は、その相手の経験と知識に基づく一言です。

つまり、相手の物語における一言なのです。

そして、あなたはその相手の物語ではなく、あなたの物語の主人公です。

つまり、一喜一憂する必要は、全くないのです。


なのに、ショックを受けてしまい、最悪、アクションを止めてしまう。または、有頂天になってしまい、アクションを緩めてしまう。

これって、つまり他人の物語を生きているということだと思うのです。その助言者の物語の中で、主人公を演じるとしたらそうすべきだ、という話でしかないのです。

しかし、あなたとその助言者は、背景も状況もスキルも経験も、全く違います。

あなたは、ただ、あなたの物語に没頭すれば良いのです。


[ なぜ、尊敬する成功者が、誤ってしまうのか ]

では、物語が違うとしても、成功者が誤った助言をしてしまうのは、なぜでしょうか。

それは、「名プレイヤーが名監督とはいえず、その逆も然り」という話なのかなと思います。

どんな有名な成功者でも、あなたの物語を脳にインストールして、導くような名コーチではない、ということです。

もちろん、両方の才能をもたれている方もいますが。

自分が成功してきた理由は、N=1なので、誰も正しい科学が行えないのだと思います。その人はそれが成功理由だと思ってきた、に過ぎないと。

尊敬する相手であると、やり方は全て正しいように思ってしまいますが、物語が違うのです。背景が違うのです。

フランスの作家が、名言を残しています。

『真実を探している者を信じよ。真実を見つけたものは疑え。』 by ジードhttps://www.a-inquiry.com/ijin2518/

成功者も神様ではなく、人間であるということに違いはありません。

だから、決して不動の真実を見つけることはできないし、どんな可能性もゼロと言い切ることはできない。あくまで確率が少しずつ明らかになってくるだけなのです。

私も、深く共感する名言です。

[ 結局は、すべてが"あなたのため"に起きている ]

映画の中で、もし、パヴァロッティ氏に認められていたら、今のポール・ポッツ氏はないかもしれません、と私は思います。

もしかしたら、少し調子に乗って、多少オペラ歌手の仕事はできただけでダブルミリオンセラーを達成していなかったかもしれない、と思うのです。

そこから遡ると、パヴァロッティ氏は、ポール・ポッツ氏の成功の立役者にもなるのです。

私は、このようなポジティブシンキングがとても重要だと思います。

つまり、こう思います。


今日起きた喜びは、あなたを前に進めるためのものであり、今日起きた悲しみは、あなたを前に進めるためのものである。


つまり、一喜一憂するのではなく、どちらも進むためのエネルギーにするべきだと思うのです。

褒められたら自信を持って事を進め、否定されたら反骨精神で事を進める。それに尽きるのかな、と思うのです。

いついかなる場合も、「今日、何を成すか。」に没頭すれば良いということなのだと。


そんなことを学ばせてくれた映画でした。

あなたの物語を面白くするためにも、障壁が必要なのですね。

そして、志ある人の人生には、それが必ず用意される。

そういうことなのではないでしょうか。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


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