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本能のアップデート(若者恋愛離れ?)

国立社会保障・人口問題研究所が2021年6月に実施した「出生動向基本調査」では、18~19歳では男女とも交際経験はほぼ半々ですが、20歳以上の年齢層では女性で30%前後、男性では40%近くが「交際経験なし」です。

厚生労働省の第15回出生動向基本調査とブライダル総研の恋愛・結婚調査によると、30代前半で彼女がいない割合は全体の69.7%で、「過去に1度も女性と付き合ったことがない」という30代の男性は30.8%です。

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若者が恋愛から離れている。それは貧困から来るのか?それとも御田寺圭さんが語るような《真実》が理由なのか?

実際はどちらでもなく、恋愛というものから若者が離れるのは、社会的合意が本能を決めるからなのです。

本能と聞くと恒常性(ホメオスタシス)が頭に浮かぶと思います。いわゆる生存本能が、つまり原始から続く本能のように感じるかと思いますが、本能とは社会的合意で決まります。

つまり平易に言い換えるとみんなの意思で決まるのです。

理性的に生きる現代のあなたや私の中では、昔の(生存を常に脅かせれていた時代とは違い)人間の本能とは、社会で良いとされるものであることを指します。

つまり、人間の本能が社会的合意である場合は、その本能を満たすことが社会的に許容されたり評価されたりすることです。

例えば、「自己保存本能」(自分自身を守るために行動する欲求)は、「危険回避」という行為を正当化することがありますし、「性的本能」(他者から魅力を感じて行動する欲求)は、「恋愛」という関係を正当化することがあります。

「社会的な本能」(他者から受け入れられていることを求めて行動する欲求)は、「友情」という関係を正当化することがあります。

しかし、これらの本能が社会的合意である場合でも、必ずしもその本能を満たすことが良いことだけではありません。

むしろ、その本能を満たす方法や範囲によっては、自分自身や他者にに損害を与えたり不幸を招いたりする可能性もあります。

例えば、「自己保存本能」(危険回避)は、「無責任」という態度を生むことがありますし、「性的本能」(恋愛)は、「浮気」という行為を生むことがあります。「社会的な本能」(友情)は、「依存」という関係を生むことがあります。


したがって、人間の本能は時代や文化によって変化するものであるだけでなく、その変化に伴って社会的合意も変わるものであると言えます。

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猫山課長さんは、以下のようにポストしました。

確かに私もそう考える人間でした。("そう"とは1人の惚れた女を守ることが本能という意味です。)しかし最近では上で答えたように、本能は社会的合意で決まると考えています。だからこそ下記のようなポストをしたのです。

これは決して猫山課長が若者の気持ちがわかってない!などと傲慢な発言をしている訳では無いと理解して読んでいただきたく思います。


そもそも恋愛というものは不合理なものです。だってそうでしょう?生殖本能からいえばオスは種をばら撒きたいはずですよね?それがずーっといっしょにいることを選択するのですから。

私のどこが好き?この質問を受けて狼狽えた経験がある人は多いでしょう。10個言って!などと言われて2、3個同じ項目を挙げたのは私だけでは無いと信じています。

この質問のベストな答えは「君だから好き」では無いでしょうか?顔、性格、スタイルこれらは何処かを探せば上位互換が必ず存在します。それで血迷って「自分にはこのくらいが良いんだよ!」なんてセリフを言おうものなら死兆星が見えるはずです。

そして、ベスト回答の「君だから好き」には人生における合理性がひとかけらも存在しません。それはひとつに執着することだからです。

投資に置き換えてみれば簡単にわかります。

投資の鉄則には、卵を一つのカゴに盛るなという言葉があります。これは卵をひとつのカゴに盛ってしまえば、全てのたまごが割れてしまうことから、投資先をひとつに絞るな(リスク分散しろ)という比喩です。

これを結婚という制度で考えてみれば、男女ともに結婚というのは、ひとつの投資先に執着するなんとも非合理な制度なのです。まさに卵をひとつのカゴに盛る状態です。

しかし私もあなたも結婚すれば家族として時間を常に共有するし、資産も当たり前のように共有します。それは全ての投資をひとつにしているのと同じで、まさに非合理です。しかしながら当たり前のように行いますよね?

本能は本物か?

過去(100年とか数千年単位)で考えると、権力者たちは女性を庇護の対象として何人もそばに置いていました。大奥が1番わかりやすいですね。

それではなぜ市民、つまり力のないものたちは何人も妻を持たなかったのでしょうか?それはもちろん生存させられる蓄えがないからですよね?

ということはです。人間の本能から言えば権力者の行動(大奥をつくるようなたくさんの側室、妾)が人間の本能に近いのではないでしょうか?

そう。つまり1人の女を愛して一生一緒にいるということは人間の本能を超えている理性の行動なのです。(つまり三木道三は至極理性的)

理性で考えると子供をつくることも、かつては理性的でした。(かつてとは都市部中心の社会ではない時です。)

家、つまり田畑を継ぐことが生きる糧であった時子供は大事な労働力でした。なぜならば6歳くらいまで育てた時点ですでに労働力として加算できるからです。

それ以外の時代にも遊女や工場鉱山などで働くことも児童労働でした。つまり子供の数だけ自分の資産になる。生きる糧につながる時代だったわけです。

戦時中もそうですよね?学徒出陣や疎開先での工場労働を想像してもらえればわかると思います。

つまり国(マクロ)にとっても家庭の単位(ミクロ)においても子供というのは目で見てわかる資産になっていたわけです。

しかし翻って今の時代はどうでしょうか?

児童労働は厳しく罰せられます。今の時代に子供を学校にも行かせず畑で働かしていたらどうでしょうか?もちろん児相が来るはずです。虐待にあたりますから当然です。

それどころか子供が大きくなって家を継いでくれだの、年老いた両親の面倒をみてくれなどと言おうものなら毒親認定です。

つまり子供は親にとって資産になどならない時代なのです。

それで子供を産めだの日本の危機だの騒ぎ立てたところで「えっ?なんのメリットがあるの?」となっても当然です。(もちろん可愛い子供のために働くのは幸せですけどね。)

そしてその背中を(ここでいう背中とは子供が資産ではないという自己責任論世界です。)見せられた若者たちはそれらを理解してしまっているのです。

子供を作ることにはメリットなど無いと。

そしてさらに悪いことにあなたも私も評価経済社会で生きています。

つまりは他人からの評価が貨幣に値するものになってきているのです。SNSでインプ(インプレッション閲覧数)稼いだ人がお金を稼げているのを見ればわかりますよね?

メルカリで稼いだりする人も同じで、どんなに稼ごうとしてもそのアカウントが評価1を常につけられているアカウントだったらどうでしょうか?

売れませんよね?そんな人から買ったら偽物や傷物を捕ませられる可能性が高いからですね。

貨幣の代わりが評価になってきているんですね。前澤友作さんのお金配りは1番手っ取り早いお金を新しい貨幣(他人の評価)に変える方法だということですね。

これがどのように"そしてさらに悪いことにあなたも私も評価経済社会で生きています。"に繋がるかと言いますと以下のようになります。

私もあなたも子供を作ることにより家族に時間という資産を大きく使うことになります。そのことにより周りの評価経済に時間という資産を割くことができなくなります。

例えば彼女ができたとき今までのように友達との時間は捻出できたでしょうか?答えはNOでしょう。なぜなら彼女に対して不誠実な行為だったからですね。

そして子供ができてからというもの、子供がいない友達と会う回数が減りませんでしたか?それは良いこととして、当然のこととしてあなたは受け入れているはずです。 

しかしそれは上記したように、評価経済社会においては生存可能性を下げる行為になるのです。

つまり今の若者達は(一括りにして良いのか?という議論はここでは触れません。)①子供は資産にならない。②友達(評価経済)を断絶しなくてはならない。この2つのことから結婚にデメリットを感じているのです。

そしてこの2つは社会的合意から本能として刻まれます。なぜなら最初に言ったように本能は社会的合意で決まるからです。

つまり私や猫山課長の世代では「1人の女を一生かけて愛す」が社会的合意の上での本能でした。しかし現代では2つのデメリットから本能は変わっていっているのです。

より自分を生きやすくするための本能として。

そしてその社会を創り上げてきたのは私やあなたのような世代です。(若者がいらしたらごめんなさい。)そのような社会的合意を創り上げておきながら「恋愛もまともにできんのか!」と若者をなじるのは大間違いです。

では私やあなたは現代の若者に何ができるのでしょう?それは間違いであったと認めてあなた達は自分の思うように生きれば良いと認めることです。

子供はあなたの時代よりも乱世を生きることになります。その子達はあなたを大人になった時養うことはないでしょう。だからといってそれは冷たいのではなく、そうせざるを得ないと理解して生きなくてはいけません。

そのためにはみんなで強く生きなくてはいけません。強く生きるには?ですがそれは一緒に考えていきませんか?

今年もよろしくお願いします。

それではまた木曜日に!

あどりでした。

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